【外国人採用】離職率激減&海外進出を果たした「評価と教育」の仕組みを全公開

飲食業界において深刻な課題となっている「人手不足」と「離職率の高さ」。
しかし一方で、外国人スタッフが定着して成長できる「評価と教育」の仕組みを整えることで、離職率を激減させ、さらには海外進出を目前とする企業「株式会社ジリオン」。

「おはようございます!」 「もう1回行こう!せーの」 「おはようございます!」
元気な声が響き渡る研修の現場。挨拶のトーンまで一から学ぶ外国人スタッフたちの姿がありました。
彼らが生き生きと働き、定着する背景には、人手不足の時代を生き抜くための驚きの工夫が詰まっていました。

頑張りを「見える化」する評価システム

まず目につくのは、スタッフのモチベーションを高めるための明確な評価の仕組みです。
「どういうことができたら給与が上がっていくか」という目標設定を明確にし、「CANaYELL(カナエル)」という社内ツールやマンダラートを活用しています。

【株式会社ジリオン:部谷さん】
「1日営業した後に『この人めちゃくちゃ頑張ってくれた』と思ったら、私のMVPコインを渡す機能があります。サービス業あるあるですが、『最近いいじゃん』と声をかけても、実際それが評価に繋がっているかは分かりにくい。それをコインという形にして渡すことで、定性評価が定量評価になるんです」

異国に来て働いている外国人スタッフにとって、その国の人に認めてもらえることは大きな喜びになります。
「頑張りが目に見える」仕組みを作り、3ヶ月に1回表彰を行うことで、それが次のモチベーションへと繋がる土台となっていました。

言葉に宿る「マインド」の教育

教育の場面では、単なる日本語の練習にとどまらない工夫が光ります。 例えば、接客時によく使われる「少々お待ちください」という言葉。 この店では、代わりに「すぐお伺いします」を使うように徹底しています。

【株式会社ジリオン:石川さん】
「『お待ちください』はお客さんにお願いしている言葉です。我々は『すぐお伺いします』と約束してお客さんを安心させたい。お客さんにお願いするのではなく、自分たちが何をしますというのを宣言したいんです」

また、「まかない」を食べる前にも、作ってくれた人に向かって「まかないありがとうございます」と伝えてから「いただきます」と言うルールがあります。ただ作業をこなすだけでなく、「相手がどう喜んでいるのか」というCS(顧客満足度)ファーストの考え方を、言葉の端々から浸透させていました。

「特別扱いしない」から生まれる当事者意識

外国人スタッフをマネジメントする上で、徹底して排除しているのが「妥協」です。
基礎の基礎から質問できる環境を作りつつも、仕事に対する基準は決して下げません。

【株式会社ジリオン:石川さん】
「一番意識しているのは『特別扱いしない』ということです。日本人だから、外国人だからここまで、という関係なく、我々が求めるものを差別しないというところはすごく大きいのかなと思っています」

毎月行われるCSに関するミーティングでも、ただ座らせておくだけでなく、本人からもしっかりと意見を聞き出します。
「あなたもこのチームの一員なんだよ」と自覚させることが、当事者意識を生み出す副産物となっていました。
異国の地で寂しさを抱えるスタッフのために食事会を開きコミュニティを作るなど、メンタリティケアも欠かしません。

キャリアの先に見据える「母国への出店」

教育と評価を突き詰めた先にあるのは、単なる労働力の確保だけではありません。
会社が語る最大の展望は、スタッフたちの未来の「キャリア」でした。

【株式会社ジリオン:部谷さん】
「ベトナム人のスタッフが多いこともあり、ベトナムに出店することを決めました。日本にずっといたい子もいれば、いつか国に帰りたい子もいる。その子たちのためのキャリアを考えた時に、海外出店するのがいいんじゃないかと決めたんです」

日本で培った力をグレードアップさせ、母国でもキャリアをアップさせながら仕事ができる環境を提供する。
「外国人だから」と文化の違いを嘆くのではなく、彼らが馴染み、成長できる仕組みを作る。
妥協よりも基準を、労働力ではなく仲間としての確実性を。外国人スタッフと共に世界へ羽ばたく飲食企業には、これからの組織づくりのヒントが隠されていました。

本記事の動画:【外国人採用】離職率激減&海外進出を果たした「評価と教育」の仕組みを全公開
撮影協力:株式会社ジリオン チームC(人材の定着・育成・サポート担当)部谷 愛さん、石川 新真さん
大衆ビストロ ジル 目黒
焼肉 ちゃんぷ 吉祥寺店(店長:下山 敦雅さん)
飲食店のための食べログチャンネル

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