千葉・船橋の「昼飲み・ハシゴ酒」文化が異次元すぎる


飲食業界において、どこに出店するかは事業の行方を左右する大きな課題です。
都心の激戦区か、それとも郊外のベッドタウンか?
そんな中、独自の「昼飲み・ハシゴ酒」文化によって、飲食店にとって“異次元”のポテンシャルを秘めた街が、千葉県船橋市です。

「船橋は乗降客数が20万から30万人。市場もオフィス街もあるビッグステーションです」
そう語るのは、船橋で人気のバル「イタリアン&ワイン食堂 ViVi」オーナーの柏田 優さん。
この街には、都内とは一味違う、独自の飲食エコシステムが形成されていました。

朝・昼・夜を制する「3毛作」の街

船橋の最大の特徴は、お酒を飲む時間の「幅広さ」にあります。
市場があるため、朝5時から夜勤明けの人々が喉を潤すのは日常風景。
さらに、昼間には女性たちの「昼飲み女子会」が開かれています。

【柏田さん】
「女性でも昼飲みでボトルを入れて、一品頼んで、3時には『ばいばーい』って帰る、みたいのが多いんです。夜と客単価も変わらず、昼から飲むモチベーションが皆さん高いんですよ」

朝から飲んでいても浮かない、お酒に対して寛容な街。
飲食店からすれば、朝・昼・夜、そして土日も集客が見込める「3毛作」が可能な、チャレンジにはもってこいの場所だと言います。

家賃は都内並み? 「チャージなし」に隠された戦略

駅周辺の好立地となると、家賃相場は坪3万円ほどと、都内と変わらない水準です。
しかし、長い営業時間で売上を作ることで、家賃負担を分散できる強みがあります。さらに、この街ならではの「ハシゴ酒」を前提とした戦略がありました。

【柏田さん】
「うちはチャージ(席料)を設けていません。チャージがないからこそ、『1日3回』来るお客さんもいるんです。15時に来て、18時に来て、22時に来て。1回1500円でも、気づいたら5000円くらい使ってくれる」

目先の客単価を上げるのではなく、満足度を高めてリピートしてもらう。
「また明日ね」「この後どこ行くの?」というハシゴ酒の文化に寄り添うことが、長く愛される秘訣となっていました。

シビアで温かい「歩くX」の存在

お客さん同士の距離感が近い船橋では、口コミが絶大な威力を発揮します。
隣り合った客同士で「あそこ美味しかったよ」「次、あそこ行こうか」と情報が飛び交うのです。

【柏田さん】
「同じ人が何度も来るので、ここにいながら街の状況が分かるんです。お客さんが『歩くX』みたいになって、『あそこの店、今日ダメだったよ』『めっちゃ混んでたよ』と教えてくれる。面白いですよ」

しかし、それは同時に「ごまかしが効かない」というシビアさも意味します。
よくない噂は一瞬で広まる。だからこそ、味はもちろん「人間力」が試されるエリアでもあります。
よそ者として飛び込んでも、真面目にやっていれば受け入れてもらえる温かさと厳しさが共存しているんです。

日本の飲食文化を引っ張る「都内」への憧れと挑戦

独自の文化が根付く船橋で成功を収めながらも、経営者の目は常に外へと向けられています。
東京の飲食店激戦区に対して、ライバル視するのではなく、純粋な「憧れ」を抱いていると語ります。

【柏田さん】
「東京は一番キラキラしていてほしい場所なんです。あそこがダメになったら日本終わりじゃないですか。日本の飲食文化が世界に届けばいいなって思っているからこそ、ずっとキラキラしていてほしい」

たまたま縁があって船橋で独立を果たした柏田さんですが、いつか都内でも挑戦したいという熱い想いを胸に秘めています。
都心一極集中ではない、地域に根差した「3毛作」と「人間力」で勝負する。
船橋の「昼飲み・ハシゴ酒」文化には、これからの飲食店経営の新たなヒントが隠されていました。

本記事の動画:千葉・船橋の「昼飲み・ハシゴ酒」文化が異次元すぎる

撮影協力:イタリアン&ワイン食堂 ViVi 
オーナー 柏田 優さん

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