高単価でも売れる店は何が違うのか|月商3000万を生む設計の全体像


飲食業界において、SNSを活用した集客は今や常識となりました。
しかし、ターゲットを「高単価層」や「インバウンド(訪日外国人)」に絞った途端、どのような発信が正解なのか頭を悩ませる経営者は少なくありません。
そんな中、独自のSNS戦略と圧倒的な空間作りにより、数万人の外国人フォロワーを獲得し、世界中から予約が殺到する高級レストランがあります。

「インスタって最初の3秒が大事じゃないですか。その3秒のインパクトを考えた時に、タトゥーだらけの料理人ってだけでマイノリティ(少数派)になれるんです」
そう語るのは、海外のインフルエンサーからも注目を集めるオーナーの中村純平さん。
高級店でありながら「入れ墨の料理人」を前面に押し出すという、常識破りの集客と店づくりの裏側には、緻密な計算と熱い思いが隠されていました。

最初の3秒で心を掴む「ギャップ」と徹底したブランディング

現在、同店のSNSフォロワーは約5万8000人。
驚くべきことに、その半数がアメリカを中心とした海外のユーザーです。
この認知を獲得したきっかけは、「入れ墨のお兄ちゃんが肉を切る」という動画を上げ続けたことでした。

【中村さん】
「例えば包丁でネギをパッパパって切る動画でも、それが入れ墨だらけだっただけで見ちゃうじゃないですか。ギャップを狙ってやっていく戦略です。僕の中で似てるなと思うのが『マッチョ』と『入れ墨』。すごいムキムキな奴が肉切ってるか、入れ墨だらけの奴が肉切ってるか、これは回るなと思いました。」

一方で、高級レストランとしてのブランディングを守るため、「踊ってみた系」など飲食店に関係のない動画は一切上げないというルールを徹底しています。
奇抜な見た目で目を引きつつも、提供する限定感や高級感は決して損なわないのが同店の強みです。

炎上をファンに変える「毎日全件返信」のコミュニケーション

世界中で動画が拡散されるきっかけとなったのは、実は「炎上」でした。
Tを紹介してくれたある投稿者が、SNSで「世界で唯一〇〇が食べられる店」と間違った発信をしてしまった際、海外のユーザーから「違うよ」と指摘が殺到したのです。

【中村さん】
「『間違ってるね、ごめんね』みたいな感じで、僕がコメントを全部返していったんです。そしたら『誠意がある店だ』みたいになって。昔は人がメンションしてくれたら『ありがとうございます、いつか会えたら嬉しいね』と、毎日起きたら全部に返すのをルーティンにしていました。」

圧倒的なバズを生み出しても決して驕らず、画面の向こうにいる世界中の人々と誠実に向き合う。
この泥臭いコミュニケーションこそが、熱狂的なファンを生む一番の秘訣でした。

コロナ禍のニーズを突いた「3000万円」の空間投資

同店が高単価を獲得できている理由は、SNS戦略だけではありません。
提供する「空間」への徹底した投資です。
お店は、一見するとただのバーに見える「スピークイージー(隠れ家)」のコンセプトを取り入れています。

【中村さん】
「アッパー層(富裕層)の方たちって、料理だけじゃなくて空間作りを求めていると思うんです。コロナ禍で海外旅行に行けないから、ここで海外の音楽を流して、海外旅行に来た気分にしてほしい。そこはすごい考えました。」

この内装には、当時会社が傾きかけるほどの覚悟で約2000万〜3000万円を投資。
結果として、非日常を味わえる空間が富裕層の心を掴みました。

「日本の伝統工芸」を世界へ。新店舗が目指す月商3000万の景色

そして中村さんは次なる挑戦として、客単価4〜5万円のさらにアッパー層に向けた新店舗「J」を4/1にオープンします。

【中村さん】
「『J』のコンセプトは、僕の名前の純平のJ、ジャパンのJ、ジャーニー(旅)のJです。メインはカビで熟成したお肉で、日本の伝統的な『炭焼き』にします。七輪も能登の伝統工芸品を使っています。」

震災や後継者不足で失われつつある日本の素晴らしい生産者や伝統工芸。
中村さんは、店が有名になることでそれらを復活させ、「入れ墨だらけの自分が発信してブランディングしたい」という大きな目標を掲げています。

【中村さん】
「まずは月商1000万、最終的には3000万で考えています。」

型破りなビジュアルの裏に隠された、顧客への誠実さと日本文化への深いリスペクト。
高単価でも世界中から「選ばれる」レストランの挑戦は、これからも続いていきます。

本記事の動画:高単価でも売れる店は何が違うのか|月商3000万を生む設計の全体像

撮影協力:T
オーナー 中村純平さん

■前編はコチラ

飲食店のための食べログチャンネル

前の記事へ

注力度ほぼ100%! 食べログ継続の理由と業務改善例【APODカンパニー:インタビュー後編】

次の記事へ

【飲食店の接客マニュアル🔰】NGな言葉と正しい「7大用語」

関連記事