【客単価UP】鳥取・島根の「日本酒」が飛ぶように売れる! 四谷三丁目の隠れ居酒屋に学ぶメニュー戦略


飲食業界において、集客のために立地の良さや入りやすさを追求するのは定石とされています。
しかし、あえて人通りの少ない路地裏に店を構え、入り口を分かりにくくすることで、結果的に質の高い「優良客」を獲得している飲食店があります。

「中心地に出してしまうと、どうしてもちょっとごちゃごちゃしちゃって。結果、接客もちょっとできなくなって、島根の良さを楽しんでもらうには伝わりにくい部分もあるかなと思ったんです。」
そう語るのは、四谷三丁目で「島根と鳥取の日本酒」に特化したお店をワンオペで営む「ニューオーキタ」店長の落合さんです。
あえてターゲットを絞り込む常識破りの集客と、高収益を生む戦略の裏側には、緻密な計算と地元への愛が詰まっていました。

入り口を分かりにくくする「フィルター」効果

四谷三丁目の住宅街、路地裏にある小さな看板。
一見すると飲食店とは分かりにくい店構えですが、これには明確な理由があります。

【落合さん】
「あえて分かりにくくして、お客さんの性格とかお店の空気にマッチした人が合うようにして(集まるようにして)、一体感が生まれるようにしています。」

入りにくい入り口が一種の「フィルター」として機能し、日本酒に興味がある人や探求心のある人など、お店のコンセプトに共感する目的来店のお客さんだけを集めることに成功。
これにより、一気に客が押し寄せることなく、ワンオペでも一人ひとりに丁寧な接客ができる環境を作り出しているのです。

SNSと「地元の味」を掛け合わせた3つの集客の柱

立地の不利を補うため、同店では3つの柱で集客を行っています。
1つ目は、SNSを通じた「島根カルチャー」の発信です。
料理だけを押し出すのではなく、島根の風景や生産者の映像を発信することで観光への興味を喚起し、都内にある店舗への来店に繋げています。

2つ目は、東京在住の島根県民の集客です。
【落合さん】
「出雲大社の近くにある、去年100周年を迎えた『きんぐ』という有名なお店の、焼きそばの作り方を教えていただいて(出しています)。東京在住の島根県民は、その味を求めて来ていただくことが多いです」
地元に帰れない人にとって、ここに来たら地元を感じられる場所になっています。

そして3つ目は、近隣住民にとっての「帰ってくる最終地点の安らぐ場所」としての役割です。
この3方向からのアプローチが、安定した集客基盤を作っています。

利益率を高める「日本酒のソーダ割り」と詩的なメニュー表

同店の売上を大きく支えているのが、全体の約6割を占めるという「日本酒」です。
中でもファーストオーダーで圧倒的な人気を誇るのが「日本酒のソーダ割り」。
島根や鳥取の日本酒は加水されていない原酒が多く、しっかりとした味わいのためソーダ割りに適していると言います。

【落合さん】
「ソーダで軽くすることによって、2杯目、3杯目となって、結果的に売上的には上がる傾向にある提供の方法だと思います。」

さらに、メニュー表にも一工夫が。
お酒のスペックやデータを書くのではなく、「冬の夜に冷蔵庫からこの酒を取り出す…」といった詩的な文章で味わいを表現しています。
知識がない人でも共通言語で味を想像でき、「次も飲んでみたい」と思わせるストーリー展開がおかわりを促進しています。

絞り込むことで生まれる「熱狂」

あえて「島根・鳥取」に絞り、入り口のハードルを上げる。
一見すると非効率に思える戦略も、SNSでのカルチャー発信や地元の名物メニューの提供、そして独自のドリンク提供方法を組み合わせることで、熱狂的なファンを生む強固なビジネスモデルへと昇華されています。
「東京から離れた出雲の旅」を提供するこの隠れ家には、これからの個人飲食店が生き残るための「コンセプトの尖らせ方」と「ファン作り」のヒントが隠されていました。

本記事の動画:【客単価UP】鳥取・島根の「日本酒」が飛ぶように売れる!四谷三丁目の隠れ居酒屋に学ぶメニュー戦略

撮影協力:
ニューオーキタ/落合 笙さん

飲食店のための食べログチャンネル

前の記事へ

【飲食店の接客マニュアル🔰】NGな言葉と正しい「7大用語」

次の記事へ

激戦区・三軒茶屋で選ばれる「野菜」の魅せ方。あえて盛り合わせを解体した理由

関連記事