刺身2ヶ月無料でも黒字化!? 「やりすぎ還元」で利益を残し、客が勝手に新規を呼ぶ最強の仕組み


飲食業界において、原価高騰が叫ばれる中、過度な割引や無料サービスは「身を削る」施策として敬遠されがちです。
しかし、そんな常識を覆し、あえて「刺身盛り2ヶ月無料」という「やりすぎ還元」を行いながら、しっかりと利益を残し、常連客が新規客を連れてくる最強の仕組みを作り上げたお店があります。

独自の会員制度と名物メニュー「枡(マス)盛り」を武器に、お客様を熱狂させている魚枡(うおます)。
その規格外のサービスと、緻密に計算された利益構造の裏側にはどのような秘密があるのでしょうか。

ファーストインパクトで心を掴む名物「枡盛り」

魚枡の名物である刺身の盛り合わせ「枡盛り」は、名前の通りお皿ではなく「枡(マス)」に立体的に盛り付けられます。
お客様のテーブルに運ばれた瞬間に「何これ!」という驚きを生み出し、ホールを回るその姿を見た他のお客様も「うちも頼んでみよう」と注文が連鎖していく仕掛けです。

実はこの枡盛り、普通のお皿に盛るよりもスペースが限られているため、経験の浅い学生アルバイトでも刺身やつまを差し込むだけで簡単に立体感のある美しい盛り付けができるという、オペレーション上のメリットも隠されています。

「やりすぎ」なほどお得な会員制度と、年賀状がもたらす熱狂

リピーターを生み出す秘訣は、お客様がお得に感じる会員制度にあります。
3回来店すると「ゴールドカード」が自宅に郵送され、誕生日月にはスタッフ手書きのはがきと共に「船盛り」がプレゼントされます。
ゴールドカードを使うと日本酒の量が120%増量。
さらに「ブラックカード」にランクアップすると、10回ごとの来店で2000円分のチケットがもらえます。

極め付けは、会員に毎年届く「年賀状」での抽選企画です。
見事1等に当選すると、なんと「枡盛り」が2ヶ月間、毎日無料で食べられる「定期券」がプレゼントされるのです。
他にも日本酒飲み放題やアジフライの定期券など、お客様が何度も足を運びたくなる仕掛けが満載です。

常連客が新規客を連れてくる最強の集客ループ

刺身2ヶ月無料と聞くと赤字になりそうですが、実はしっかりと利益が残る構造になっています。
定期券を持っていることでお店に行くハードルが下がり、お客様がお店を選ぶ際の優先順位が高くなります。
そして、定期券を持った常連客が「これが無料で食べられるんだよ」と新規のお客様を連れてきて自慢し、連れてこられた人も「自分も登録したい!」と新たなファンになっていくのです。

【店長・押田さん】
「枡盛り分の料金が浮いてるから、普段は飲まないけどちょっと高いお酒を飲んでみようかな? ともう一品頼んでもらえます。結局、1回の来店で使う金額はそこまで変わっていない。実は、来店回数も増えているんです。」

お客様に「お得感」を提供しつつ、浮いた予算で他のメニューを楽しんでもらうことで、結果的にしっかりと利益が残る好循環が生まれています。

「損して得取れ」を体現する、愛される店づくり

目先の利益にとらわれず、お客様が本当に喜ぶ「やりすぎ還元」を徹底する。
それが結果として来店頻度を高め、お客様自身が最強の「広告塔」となって新しいお客様を呼んでくれる。
魚枡が実践するこの仕組みには、利益と顧客満足を両立させる、これからの時代の新しい戦い方のヒントが隠されていました。

本記事の動画:刺身2ヶ月無料でも黒字化!? 「やりすぎ還元」で利益を残し、客が勝手に新規を呼ぶ最強の仕組み

■取材協力
魚枡(うおます) 巣鴨本店/ 押田 怜(おしだ さとし)さん

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