【飲食店】あなたの店にも必ずある「○○」に700万円投資!?【五月四日】
順調に売上を伸ばし、客単価も最初期の6000円から8500円へとアップした、用賀の創作居酒屋「五月四日(いつきよっか)」。
その裏には、ドリンクメニューのちょっとした工夫や、スタッフの高い提案力、そして総額700万円も投資したという「器」への並々ならぬこだわりがありました。
客単価向上と顧客満足度を両立させる、こだわりの店づくりの秘訣に迫ります。
注文ハードルを下げる、メニューの「ふんわりした」言語化
そのきっかけとなったのが、メニュー表への独自の工夫でした。
【店主・与那覇さん】
「味の雰囲気だったり、なんとなくのニュアンスを書き込んでいるんです。お酒の名前だけがメニューに載っているお店もあると思うんですけど、味わいが分からないから注文しないという方は多いかなと。」
例えば、ある焼酎には「程よい麦チョコ感」といった親しみやすい表現を添えることで、お客様の注文ハードルを下げ、会話のきっかけも生み出しています。
この工夫により「飲んでみよう」というお客様が増え、日本酒と焼酎の注文割合のバランスも格段に良くなったと言います。
料理の味を引き立てる、スタッフの的確な「提案力」
与那覇さんの右腕であるスタッフの八木橋さんは、お客様が食べている料理に合わせて、相性の良いお酒を自らの言葉で提案しています。
【八木橋さん】
「白身魚などは淡白なイメージがあるんですけど、そこに甘口の日本酒を飲んでしまうと、魚本来の味わいが分かりづらくなってしまいます。そういう時は福岡の『大地』という癖がないのが特徴のお酒など、ちゃんと白身魚の味わいが分かるようなものをお勧めします。」
醤油味や味噌味には山廃仕込みのお酒、塩味にはすっきりした味わいのお酒など、自身の感覚をもとにした確かな提案がお客様の信頼を獲得し、「このつまみにこの日本酒は合う?」と、さらなる追加注文へと繋がっています。
的確な提案力が、客単価アップに直結しているのです。
総額700万円! 「器」への投資が生み出す圧倒的な付加価値
与那覇さんは独立に向けて13〜14年前くらいから少しずつ器を集め始め、これまでに投資した総額はなんと700万円にものぼります。
【与那覇さん】
「最初に作家さんの湯呑みを買ったとき、はじめてそれで焼酎のお湯割りを飲んでみたら、すごい心地よかったんですよね。そこからどっぷりはまってしまって。」
どのお皿にもこだわりや思い入れがあるなかで、赤坂で12年修業していた居酒屋の親方から退職時に『これ持っていきな』とプレゼントされたお皿は本当に宝物だそうです。
お皿自体にパワーがあるため、シンプルな盛り付けでも料理が美しく映えます。
酒器に関しても、暖かくなったらガラス製の涼しげな酒器でも提供できるようにするなど、種類を増やしているとのことです。
さらに、一見してインパクトのある一点物の酒器などを揃えることで、お客様に特別な高揚感を提供しています。
器が「妥協を許さない」。価格以上の価値を提供し続ける好循環
器の魅力に負けないよう、「料理のクオリティをさらに高めていこう」という職人としての向上心を掻き立ててくれるのです。
【与那覇さん】
「まずはいいものを出そう、そして、それに見合った価値や対価をいただこうという順番じゃないと絶対におかしいですよね。先に『客単価を上げる』という目標をつけてしまうと、決していい顔にはならないです」
お客様が喜んでくれて何とも言えない表情をした時が最大の活力であり、「趣味の延長線上」と語るほど仕事を楽しんでいる与那覇さん。
利益だけを先行させるのではなく、お客様に喜んでもらうための価値提供を追求する姿勢こそが、結果として客単価の向上と愛されるお店作りに繋がっているのです。
本記事の動画: 【飲食店】あなたの店にも必ずある「⚪︎⚪︎」に700万円投資!?【五月四日】
■前編はコチラ
◆取材協力 五月四日(いつきよっか)/店主 与那覇 朝雄さん
◆「小規模店の必勝法」を取材する当シリーズの他の回はコチラ
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