職人がいないと回らない店をどう変えた? 月商1600万円ピザ名店の「仕込み」改革


ピザ職人がいないと店が開けられない。
そんな属人的な構造に悩むピッツェリアは少なくありません。
しかし、世界的なピッツェリアランキングにも選出される人気店「PIZZA STRADA(ピッツァ ストラーダ)」は、職人への過度な依存から脱却し、坪月商50万円超え、月商1600万円という驚異的な売上を誇ります。

かつての経営が厳しかった時代から、いかにして繁盛店へと押し上げたのか。
その裏側には、働く環境の改善と独自の「仕込み改革」がありました。

職人の「厳しさ」を排除。働きやすい環境がスタッフの自発性を生む

オーナーの城さんがお店にジョインした当初、店舗は利益がわずかに出る程度で、スタッフの入れ替わりが激しく、外部からの派遣スタッフに頼るなど人件費が高騰していました。
その原因の一つが、職人とアルバイトスタッフの意識のズレでした。

【城さん】
「仕事に対して厳しい職人の目線が、アルバイトスタッフとはズレが大きく、強く指導するとお客様にも雰囲気が伝わってしまいます。スタッフがお客様ではなく上司の顔色ばかり見て仕事をするようになると、サービスが滞ってしまうんです。」

そこで城さんは、従来の厳しい指導をガラッと変え、スタッフが働きやすい「優しい(緩い)」環境づくりに徹しました。
すると、居心地の良さを感じたスタッフが友人や兄弟を紹介するようになり、人材が定着。
スタッフが増えたことで「ちゃんと仕事をしないとシフトに入れない」という健全な競争が生まれ、自ら率先して仕事へ取り組む好循環が生まれました。

ピザ職人への依存を断ち切る「仕込み」の仕組み化へ

人の問題が改善に向かう一方で、根本的な課題として残っていたのが「ピザ職人への依存」です。
焼き鳥業態の出身でピザ作りは未経験だった城さんですが、この属人的な構造を変える必要性を強く感じていました。

【城さん】
「ピザ職人がいないとお店が開けられないので、必然的にピザ職人が力を持ってしまいます。こちらが言ってもその通りに動いてくれないこともあり、そこに問題がある以上は、自分がピザを焼けないと難しいだろうなと一番最初に思いました。」

そこで城さんが着手したのが、ピザ作りの要であり、最も職人のカンと経験が必要とされる「生地の仕込み(発酵)」の改革でした。

「木とプラスチックのいいとこ取り」。誰でも均一に作れる特許技術

従来、ピザ生地は木の番重(箱)で24時間以上発酵させていました。
しかし、天候による水分調整が必要な上、使い込むうちに木が劣化して隙間ができ、生地の仕上がりにバラつきが出てしまうという課題がありました。
これを誰でも管理しやすいようプラスチックの番重に変えてみると、密閉性は高いものの、生地がダレてしまい理想の状態になりません。
そこで城さんが考案したのが、両方の良さを掛け合わせた画期的な仕組みでした。

【城さん】
「木のいいところとプラスチックのいいところをミックスできないかと考え、プラスチックの番重の中に木の板を敷くようにしました。ピザ生地は木の上に置いてしっかり水分を吸わせ、周りはプラスチックで密閉するので、均一に良い生地が仕上がるんです。」

この仕組みにより、途中で様子を見たりする職人の熟練技術がなくても、誰でも安定して高品質な生地を仕込むことが可能になりました。
現在、この工程と器具は「ストラーダオリジナル」として特許も取得しています。

「脱・職人依存」がもたらす持続可能な店舗経営

厳しい修行や職人のカンに頼るのではなく、働く環境を整え、最も属人的な仕込み工程を「仕組み化」する。
このロジカルなアプローチによって従業員の定着と料理のクオリティを両立させたことが、結果として客単価の大幅なアップ(3000〜4000円から約5000円へ)と、月商1600万円という圧倒的な実績に繋がっているのです。

本記事の動画: 職人がいないと回らない店をどう変えた?月商1600万円ピザ名店の「仕込み」改革

◆取材協力 PIZZA STRADA(ピッツァ ストラーダ)/ オーナー兼代表取締役 城 建さん

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