【坪月商90万】原価率30%超でも儲かる! 「1人10杯」頼まれるドリンク戦略


立ち飲み屋といえば、ドリンクの原価率を抑え、回転率を上げて利益を出すのが一般的なビジネスモデルです。
しかし、恵比寿にある立ち飲み店「CHA」はその逆をいく経営方針で、わずか6坪の広さでありながら、坪月商80万〜90万円という驚異的な売上を叩き出しています(大井町店も坪月商70万円を記録)。
回転率を狙わず、高い原価率のドリンクを提供しながらも圧倒的な売上を作る裏側には、どのような秘密があるのでしょうか。

料理人の発想で作る「アルコールのスープ」。アバンギャルドな茶割り


圧倒的な売上を牽引しているのが、他にはない独自の「茶割り」というコンテンツです。
一般的なお茶割りとは異なり、様々な種類のお酒に茶葉を漬け込み、炭酸やミルク、オレンジジュースなどで割るという斬新なスタイルを提供しています。

【オーナー・小野寺さん】
「僕らの中にはソムリエやバーテンダーのような資格を持つ人はいなくて、料理人ならではの発想で作っています。イメージで言うと、スープを作る感覚です。例えば鶏の出汁にハーブを混ぜるように、この具材を入れたらこういう香りのスープになるよねと。アルコールのスープを作っている感覚です。」

例えば、玄米茶をジンで漬け込んだり、みりんに黒豆茶とスパイスを合わせたり、料理人のアプローチを取り入れることで、飲む前から「どんな味なんだろう?」とわくわくする一杯を生み出しています。

回転率を追わず「10杯」飲まれる。長居を歓迎する立ち飲みスタイル

多彩な茶割りは、一つのベースにつき何種類もの割り方が楽しめるため、お客様の注文杯数も自然と跳ね上がります。

【小野寺さん】
「お客様は平均で4杯は飲みます。多い人だと10杯飲む方もいらっしゃいます。立ち飲み屋ですが回転は全く狙っていなくて、ビジネスモデルとしてコミュニケーションやその空間全部を大事にしているので、むしろ4時間でも5時間でも、長い人は8時間とか長居していただくような形にしています。」

立ち飲み=回転率という従来のセオリーを捨て、居心地の良さと飲み比べの楽しさを追求することで、結果的にお客様一人当たりの注文数を最大化しているのです。

あえて瓶を並べる。視覚で訴えかける「シズル感」と注文の連鎖

注文を後押しするための「見せ方」にも工夫が凝らされています。
漬け込んだお酒の瓶は、バックヤードに隠すのではなく、あえてお客様の目の前、カウンターの見える場所に並べられています。

【小野寺さん】
「内側でやってカウンターを広く使ってもいいんですが、インテリアの一部という意味と、一緒に作っているような『シズル感』を大事にして、あえて見えるところに置いています。お客様が瓶を見て『あれは何?』と選ぶ方もいらっしゃいますし、『次はあれ飲んでみたいな』と次回の来店に繋がることも多いです。」

メニュー表の文字だけでなく、色鮮やかな瓶をカウンターに置いて視覚的にアピールすることで、お客様の興味を引き、自然と追加注文やリピートを生み出す導線が作られています。

原価率30%超でも利益は出る。圧倒的な杯数で稼ぐ「パワープレイ」

こだわり抜かれた茶割りですが、価格は580円から620円程度とリーズナブルに設定されています。
良い茶葉を使用しているため、ドリンクの原価率は一般的な居酒屋よりも高く、中には30%を超えるものもあります。

【小野寺さん】
「原価率の高いドリンクもありますが、平均するとドリンク自体の原価率は20〜23%に収まります。利益は出ますが、普通よりは少し高い。だからこそ『売りまくる』というパワープレイなんです。気兼ねなく次に次にと頼んで欲しい。5杯飲んでも3000円くらいで済む、次に行きやすい値段設定にしています。」

フードの原価率は27〜28%、家賃比率は約8%に抑えられているため、全体で見ればしっかりと利益が残る構造になっています。 一杯の利益率を高く設定して注文を渋らせるのではなく、美味しいお酒を手軽な価格で提供し、圧倒的な「杯数」で売上を作る。
料理人たちの熱いパッションと計算された利益構造が、坪月商90万円という大繁盛店を作り上げているのです。

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本記事の動画: 【坪月商90万】原価率30%超でも儲かる!「1人10杯」頼まれるドリンク戦略

◆取材協力
CHA 恵比寿/オーナー 小野寺 健太さん

◆「小規模店の必勝法」を取材する当シリーズの他の回はコチラ

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