【6坪540万】常連が週6来店!あえて不便な空間でお店のファンを育てる極意
飲食店の効率化が進む中、あえて「不便さ」や「手間」を残すことで熱狂的なファンを生み出しているお店があります。
恵比寿にある立ち飲み屋「CHA」は、わずか6坪という極小空間でありながら、月商540万円(坪月商90万円)という驚異的な売上を叩き出しています。
さらに驚くべきは、週に6回も足を運ぶ常連客がいるという事実です。
効率を優先しない「あえての不便さ」は、どのようにお客様の心を掴んでいるのでしょうか。
立ち飲みに「2階建て」を選ぶ。シーンで使い分ける物件戦略
【オーナー・小野寺さん】
「立ち飲みメインではありますが、シーンによっては少し落ち着いて飲みたい方の需要も逃したくなかったんです。1階と2階でコントラストのある内装ができる物件を探していました。階段も席だと思っていて、『階段飲み』をされる方もいらっしゃいます。」
限られた6坪の空間の中で、活気ある立ち飲みと、ムーディーでくつろげる空間を共存させ、多様なニーズに応える設計になっています 。
巨大提灯、割り箸。計算された「ミスマッチ」と居心地
これも単なるデザインではありません。
【小野寺さん】
「相席になった時に、知らない人同士の目線が完全にぶつからないための『目隠し』としての意味があります。また、ここで写真を撮れば『恵比寿のCHAだ』とわかるシンボルとしての役割も持たせて、手作りしました。」
さらに、ビストロ風のおしゃれな内装でありながら、あえて大衆酒場のような大きな「提灯」を飾り、カトラリーにはナイフやフォークではなく「割り箸」を用意しています。
「週1回行く特別なビストロ」ではなく「週2〜3回通える酒場」としての馴染みやすさを演出し、お客様に緊張感を与えない絶妙なバランスが、高い来店頻度を生み出しているのです。
時代逆行の「手書き伝票」。あえて手間をかけて接点を作る
2階席の注文をいちいち聞きに行くのは手間がかかりますが、ここにも明確な狙いがあります。
【小野寺さん】
「あえてお客様との工数(接点)を増やす設計にしています。伝票に書きながら『今〇杯目なんで、もしかしたらあっちのお酒の方がいいかもしれないですね』とライブ感のある提案もできます。これはタブレットには絶対にできないことです。」
邪魔なランプを「1人として数えてあげてください」といじったりするなど、スタッフとお客様のコミュニケーションを増やすための「不便さ」が、お店の強みとなっています。
人に依存しない。コンテンツで勝負する組織づくりと「履歴書不要」の採用
【小野寺さん】
「スタッフは固定せずに2店舗間を行き来させています。人にファンをつけるのではなく、空間や料理、茶割りという『コンテンツ』でお店にファンをつけるように心がけています。」
そんなお店を支えるスタッフの採用も独特です。
求人広告ではなく、SNSのダイレクトメッセージからの応募が多数。面接では履歴書を見ないと言います。
まず、ラフな雰囲気で一緒に話し、会話のキャッチボールや「絶妙な距離感」が取れるかどうかを見ます。その上で、「CHAで何がしたいか、何ができるのか?」という自己PRに加え、「自分はどういう人間なのか」という人柄の部分を深く聞いて採用を決めていると言います。
寿司の「Otoro(大トロ)」のように「CHAWARI」を世界共通語へ
「『茶割り』という言葉を世に広めたいというのが人生のテーマです。『Otoro(大トロ)』という単語が世界に広まったように、日本の文化として『Chawari(茶割り)』が世界で通じるようにしていきたいです。」
効率化の波に逆行するような「手書き伝票」や「不便な内装」も、すべてはお客様との深い繋がりを作るためのロジカルな仕掛けでした。
独自のコンテンツと計算された空間設計で熱狂を生む「CHA」。
その挑戦は、日本の新たな飲食文化を世界へ発信する第一歩なのかもしれません。
本記事の動画: 【6坪540万】常連が週6来店!あえて不便な空間でお店のファンを育てる極意
◆前編はこちら
◆取材協力
CHA 恵比寿店/オーナー 小野寺 健太さん
◆「小規模店の必勝法」を取材する当シリーズの他の回はコチラ
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