【14坪で貸切月5件】無料広告を「徹底利用」して予約殺到のビストロを作る集客術


人通りが少なく、決して恵まれた立地とは言えない場所での飲食店経営。
多くの経営者が集客に頭を悩ませる中、あえて多額の広告費をかけずに、14坪で月に最大5件もの「貸切」予約を獲得しているお店があります。
それが、亀戸にある「サカナビストロ TOMO」です。
利益率30%を超えるという人気店を作り上げた裏側には、泥臭くやり抜く集客術と緻密な戦略がありました。

1万5000件のFAXとオープン前からの巻き込み戦略

オープン当初、資金に余裕がなかったオーナーの安部さんが取ったのは、「無料でできる広告」を徹底的にやり尽くすことでした。

【安部さん】
「最初は名刺1枚持って、薬局さんや会社を一軒一軒回りました。大きい会社さんの場合は、1丁目から9丁目まで社長さんの名前と事業内容を全て調べてから行きましたね。失敗できないので、必死でした。」

他にも、食べログやSNSの無料掲載、区や市の広報、町会へのDMなど、考えうる限りの無料媒体を活用。
さらに、知人のツテを頼って半径3km圏内のオフィス1万5000件にFAXを送信しました。
店舗の前では「今日は椅子を搬入しました」「テーブルを搬入しました」とオープンまでのカウントダウンを貼り出し、通行人の興味を惹きつけるなど、街の人を巻き込む工夫を凝らしました。

会話を生む「分からない単語」と、ビストロらしからぬ親しみやすさ

集客に成功した後は、来店したお客様の緊張を解く仕掛けを用意しています。
ビストロというと「ナイフとフォークを使って緊張する」というイメージを持たれがちですが、下町である亀戸の雰囲気に合わせて、居酒屋のような親しみやすさを重視。
メニューはフランス語表記ではなく、あえてカタカナを採用しています。
一方で、「牡蠣と鱈のブルギニオンソテ」のように、一部にあえて「分からない単語」を残す工夫もしています。

【安部さん】
「ブルギニオンって何? とお客様がなるじゃないですか。それによって、お客様と従業員が喋るようになるんです。そういう人間味のあるお店作りをしたかったので、メニュー構成も工夫しています」

幹事の想像を掻き立てるレイアウトと「1名無料」のフック

月に5件もの貸切予約を獲得できている理由は、空間作りと特典にもあります。
テーブル席を真っ直ぐに配置することで、ネットで写真を見た幹事が「ここならいい感じの打ち上げができるな」と想像しやすいレイアウトにしています。

【安部さん】
「最初は『6名様以上で幹事様1名無料』にしました。いつも行っている居酒屋よりは、ちょっと小洒落たところに行ってみたい、いつもより付加価値を上げてみたいという幹事さんが多いから、ヒットしたのだと思います。」

この工夫が、近隣のオフィスワーカーや、コンサートの打ち上げなど、多様な団体客のニーズを捉えています。

100均に走る。目先の利益を追わない「本質的なおもてなし」

そして、新規客をリピーターへと変える最大の要因が、損得勘定を抜きにした圧倒的な気遣いです。
お客様の会話からアレルギーを察知して先回りして対応するのはもちろん、紙エプロンがないか聞かれた際には、ダッシュで100円ショップへ買いに走ったこともあったと言います。

【安部さん】
「原価で言えばマイナスかもしれませんが、また来てもらえればいいという考えなんです。お金だけが全てではなく、自分がやられて嬉しいことをやってあげたい。それが1年後でも2年後でも返ってくる可能性はゼロじゃないですから。飲食店の本質はそこだと思っています。」

泥臭いアナログ営業と無料広告の徹底活用で認知を広げ、親しみやすいメニューと空間で団体客を掴み、最後は本質的なおもてなしでファン化する。
資金のなさを言い訳にせず、考え抜かれた行動力とお客様への愛情こそが、予約殺到のビストロを生み出す最大の集客術と言えるでしょう。

本記事の動画: 【14坪で貸切月5件】無料広告を「徹底利用」して予約殺到のビストロを作る集客術

◆取材協力
サカナビストロ ToMo/オーナー 安部 友希さん

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