【リピーター1.5倍】秘密は”満足度”にアリ? ワンオペビストロがリピーターを生み出す秘密
飲食店において、ワンオペレーション(1人営業)は人件費を抑えられる反面、料理の提供が遅れてお客様の満足度を下げてしまうリスクと常に隣り合わせです。
しかし、東急東横線の学芸大学駅にあるビストロ「バタコサンク」は、ワンオペでありながら「時間」と「コスト」を緻密に計算し、リピーターを約1.5倍に増やしています。
ワンオペの弱点をカバーし、熱狂的なリピーターを生み出す裏側には一体どんな戦略が隠されているのでしょうか?
家賃を抑え、食材に還元。原価率35〜40%を実現する物件選び
【藤井シェフ】
「13坪で約20席を設けていますが、約30万円ぐらいの家賃で、学芸大学の中ではそんなに高いわけじゃないかなっていう印象で、それも決め手の1つになっています。固定費を下げて、その分を食材などに充てています。」
一般的な飲食店のフード原価率は30%程度と言われますが、バタコサンクでは「良いものを食べていただきたい」という思いから、原価率を35〜40%に設定。
固定費を抑えることで、高い原価率でも利益が残る構造を作っています。
「待たせない」工夫。豪華な「お通し」がリピートを生む
そこでお客様にストレスを与えないよう、バタコサンクでは画期的な工夫を取り入れています。
【藤井シェフ】
「お客様をお待たせする時間を短くするために、お通しという位置付けで自家製のパンの盛り合わせをお出ししています。客席に料理が乗っていないというのが、やっぱりお客様にはストレスかと思って。」
着席して最初に出てくるのは、北海道産小麦のバケットや、全粒粉のカンパーニュ、卵とバターをふんだんに使ったブリオッシュの3種類の自家製パンです。
さらに、カルピスバターと旬の野菜を合わせた「野菜バター」を添えて提供しています。
この野菜バター目当てに来店するお客様もいるほど好評で、パンがワインのお供になるため、「このお通しに変えてから、リピーターが1.5倍ぐらいになった感覚がある」と言います。
「仕込みすぎない」。和食の引き算を取り入れた効率化
【藤井シェフ】
「いい食材を使うというところが大前提にあるので、食材の良さを活かすために『仕込みすぎない』というのを取り組んでいます。和の食材も使って、日本ワインに寄り添った料理を心がけているので、和食の引き算の仕込みを取り入れながら時間を短縮しています。」
魚介類は三浦半島の漁師から直接、鮮度の高いものを仕入れています。
届いたものを瞬間的に「これだったらこのメニューにしよう」と判断し、素材を活かしたシンプルな調理法を選択することで、仕込みの時間を大幅に削減しているのです。
浮いた時間を「看板メニュー」に投資し、差別化を図る
その代表格が、ゆで卵にマヨネーズを合わせた定番料理「ウフマヨ」です。
同店では、卵を昆布水に漬けて旨味を纏わせたり、旬の焼きナスと組み合わせたりと、他のビストロにはない手間暇をかけています。
「こんなウフマヨ見たことない」と感動を生み、リピーターを惹きつける看板メニューへと昇華させています。
原価度外視の「ウニパン」で心を掴む集客戦略
【藤井シェフ】
「Instagramのストーリーズなんかで『今日ウニの入荷あります』とアップすると宣伝効果にもなります。そこでお客様の気持ちをグッと掴んで、次の注文やまた来たいという気持ちにつなげています。」
SNSでの集客フックとして原価度外視のメニューを用意し、来店したお客様にはこだわりの日本ワインと合わせて楽しんでもらう。
ワンオペの弱点を「豪華なお通し」でカバーし、仕込みのメリハリをつけて看板メニューに投資する。
損して得取るロジカルな戦略こそが、ワンオペでも満足度を高め、リピーターを増やし続ける経営術と言えるでしょう。
本記事の動画: 【リピーター1.5倍】秘密は”満足度”にアリ? ワンオペビストロがリピーターを生み出す秘密
◆取材協力
Batacocinq(バタコサンク)/藤井 辰哉シェフ
◆ワンオペ店の工夫シリーズはこちら
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