【売上1.6倍】ワンオペビストロが日本ワインにこだわる理由とは?


競争が激化する飲食業界において、他店にはない確固たる「ウリ」を持つことは生き残りの必須条件です。
多くの経営者が差別化に頭を悩ませる中、海外ワインを一切置かず「日本ワイン」に全振りすることで、売上を前年比1.6倍に伸ばし、リピート率約5割を叩き出すワンオペビストロがあります。
それが、学芸大学駅にある「バタコサンク」です。
日本ワインの強みを最大限に活かし、お客様の心を掴む戦略の裏側には、緻密なメニュー構成とペアリング術がありました。

「和食に合う」「価格競争を避けられる」日本ワインの魅力

同店が日本ワインにこだわる理由は、大きく2つあります。
1つ目は、日本の食材や調味料との圧倒的な相性の良さです。

【藤井シェフ】
「日本のワインなので和食にも合うというのが1つの魅力になっていまして、ワインの中には出汁の香りのするものもあるので、昆布だしやカツオだし、醤油やみりんといった日本の調味料なんかとも合わせやすく、日本人に寄り添うワインかなというのが1つ目の魅力ですね。」

2つ目は、価格競争に左右されないという経営的なメリットです。
海外のワインはネットで検索すると価格がすぐに分かってしまいますが、日本のワインは大量生産が難しく流通量が限られているため、価格の予想がつきにくく、飲食店側にとって価格設定で嫌な思いをしないという強みがあります。

「ハーフサイズ」と「ジャケ買い」で注文ハードルを下げる

希少な日本ワインは1杯1000円を超えることも珍しくなく、お客様にとっては注文のハードルが高くなりがちです。
そこで同店では、グラスワインを全て「ハーフサイズ・半額」でも提供しています。

【藤井シェフ】
「今だと10種類、グラスでワインをご用意してますけれども、1杯の量を半分にして、お値段も半分にして少しずつ本当にテイスティングのように試していただく。1杯の量で2種類楽しめる、また3種類楽しめるみたいな飲み比べとかもできるようにしています。」

これにより、お客様は同じ金額で複数のワインを飲み比べることができ、料理ごとにワインを変える楽しみも生まれます。
また、メニュー表にはワインのラベルの写真を載せたり、目を引くラベルを絵画のように額装して飾ったりすることで、「ジャケ買い」を誘発し、ワインに詳しくない方でも思わず頼みたくなるような導線を作っています。

イベント集客とペアリングでロスを防ぎ、リピートを生む

日本ワインはフレッシュな「生ワイン」とも呼ばれる分、海外のものに比べて傷みが早く、デリケートであるという特徴があります。
ロスを防ぎつつ集客を強化するために、同店では姉妹店のワインストアと協力してイベントを開催しています。

【藤井シェフ】
「複数のワイナリーさんを一気に集めて飲み比べができるイベントだったりとか、料理とワインをコース仕立てにした『ペアリングディナー』というのもやっています。イベントだと来店ハードルが下がるっていうのもあると思うので、そこからお店を知っていただいて通常の営業にも来ていただくっていうので、来店数的には1.5倍から2倍ぐらいに上がったかなと。」

通常営業でも、ワインのメニューを1〜2週間で頻繁に変え、国産食材にこだわった旬の料理と的確にペアリングすることで、「今食べないと食べれなくなります」という希少性を演出し、お客様のリピートに繋げています。

スパイスを効かせた自家製デザートで最後の最後までペアリング

そのこだわりは、食後のデザートにまで徹底されています。

【藤井シェフ】
「クラシックメニューの中にテリーヌショコラという小麦粉を一切使わずにシンプルに焼き上げたチョコレートケーキがあるんですけども、こちらにはカルダモンというちょっと爽やかなスパイスを合わせて、赤ワインなんかに合わせるような仕立てにしてます。」

ベリーの香りがする赤ワインとスパイスを効かせたチョコレートケーキを合わせるなど、食事の最後の最後まで日本ワインとのペアリングを楽しんでもらうスタイルをとっています。
日本の食文化を支えたいという藤井シェフの強い思いと、日本ワインのポテンシャルを最大限に引き出す緻密な戦略こそが、ワンオペでも売上を1.6倍に伸ばし続ける最大の理由と言えるでしょう。

本記事の動画:【売上1.6倍】ワンオペビストロが日本ワインにこだわる理由とは?

◆前編はコチラ

◆取材協力
Batacocinq(バタコサンク)/藤井 辰哉シェフ

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