【13坪で月商540万】沖縄料理屋からの脱却! 客単価を劇的に上げる集客術


沖縄料理と言えば、店内に飾られたオリオンビールの提灯や賑やかな沖縄民謡のBGMを思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、そうした誰もがイメージする「沖縄らしさ」をあえて封印し、スタイリッシュな居酒屋スタイルにすることで客単価を劇的に引き上げたお店があります。
それが、新宿御苑前にある「あずま商店」です。

かつてコテコテの沖縄料理屋を営んでいたオーナーが、なぜブランドイメージの封印という「逆張り」の決断を下し、13坪で月商540万円(坪月商約42万円)という驚異的な繁盛店を作り上げることができたのか。
その裏側には、緻密に計算された客単価アップの戦略と、驚異の利益率を叩き出す商品設計がありました。

客単価を下げる「コテコテ」を封印。30〜40代の大人がお酒を楽しむ空間へ

あずま商店は元々、別の場所で「これぞ沖縄料理屋」という賑やかな店舗を運営していました。
しかし、新宿御苑前に新店を構えるにあたり、オーナーの東さんはこれまでの内装や雰囲気をガラリと変え、洗練されたおしゃれな居酒屋スタイルを選択しました。

【東さん】
「コテコテの沖縄料理屋にしてしまうと、どうしてもソーキそばやタコライスを食べるだけといった『お食事需要』のお客様が増えてしまうんです。そうすると客単価が下がってしまいます。新宿という街で、30代から40代の大人のお客様に、お酒をゆっくり飲んでいただく場を提供したくて、居酒屋スタイルにこだわりました。」

「おしゃれな居酒屋ができたから行ってみよう」という層と、「おしゃれな沖縄料理屋ができたから行ってみよう」という層の両方のターゲットを掴むことに成功。
食事だけを目的とした客足が落ち着いた一方で、客単価やアルコール注文の割合は劇的に向上し、13坪の狭小店ながら利益率20〜25%、坪月商約42万円を記録する繁盛店へと変貌を遂げました。

たった一工夫で価値を上げる「ちょこっと沖縄」のメニュー開発

客単価をさらに押し上げるため、メニュー構成にもロジカルなアプローチを取り入れています。
単に料理の価格を上げるのではなく、沖縄の要素を「ちょこっと」掛け合わせることで、お客様に納得してもらえる付加価値を生み出しています。

【東さん】
「普通の枝豆だとどこにでもありますし、280円や380円といった低単価でしか出せません。でも、そこにシークヮーサーをちょっと絞って『シークヮーサー香る枝豆』にするだけで、一気に価値が上がって580円という単価をいただけます。」

さらに、沖縄の名物であるソーキそばのスープを活用した、無駄のない仕組みも構築しています。

【東さん】
「九州料理で人気のチキン南蛮に使う鶏肉を、ソーキそばのスープに一晩漬け込んでから調理しています。これにより鶏特有の臭みが消え、すごく美味しく仕上がります。既存のスープをそのまま活かせるため食材の無駄がなく、仕込みの手間もかかりません。」

特別仕入れの「生ビール」と、粗利950円のエース「ハブ酒」の調和

ドリンクメニューの差別化と原価コントロールの仕組みも秀逸です。
まず、ビール党の心を掴むために、一般的なオリオンドラフトビールではなく、都内の飲食店では滅多に見かけない「オリオンプレミアム生ビール」を導入しました。

【東さん】
「缶や瓶では見かけても、サーバーから注ぐ生ビールとして飲めるお店が探しても本当になかったんです。お店の価値を上げるために、酒屋さんに何度も交渉して、特別に取り寄せてもらえるようにしました。今ではこの生ビールを目当てに来店されるお客様がめちゃくちゃ多いです。」

一方で、このこだわり抜いた生ビールは仕入れ原価が決して安くありません。
そこで、ドリンク全体の原価率のバランスを取る「エース」として君臨するのが、ショットで提供される「ハブ酒」です。

【東さん】
「ハブが入った本体は最初5万〜6万円ほどして高いのですが、実は中身はお酒をどんどん継ぎ足して使っています。そのため、2杯目以降の1杯あたりの原価は、わずか50円ほど。それをショット1000円で提供しているので、粗利は1杯あたり950円になります。」

盛り上がったグループ客が、宴会の終盤にノリで4杯注文するだけで一瞬にして粗利3800円の売上が発生します。
高単価・高クオリティな生ビールで集客し、高粗利なハブ酒などのドリンクを組み合わせることで、お客様に喜ばれながらお店の原価率を理想的な数字にコントロールする絶妙なバランスを実現しているのです。

本場でも珍しい「揚げたて」サーターアンダギーの提供

お食事の最後には、沖縄現地でもなかなか口にすることができない、こだわりの名物デザートを用意しています。
それが、注文が入ってから店内で揚げる「揚げたてのサーターアンダギー」です。
外はサクッと、中はしっとりとした美味しさは、お酒を飲んだ後の締めデザートとして圧倒的な人気を誇り、最後の最後までお客様の満足度を裏切りません。

「沖縄らしさ」に依存せず、大人がお酒を飲む場所としての居心地を追求する。
そして、ちょこっと沖縄要素を足して商品価値を最大化し、高粗利ドリンクで利益を固める。
この無駄のないロジカルな店舗設計が、13坪の空間から月商540万超を叩き出す新時代の店舗運営と言えるでしょう。

本記事の動画:【13坪で月商540万】沖縄料理屋からの脱却!客単価を劇的に上げる集客術

◆取材協力
ゆんたく酒場 あずま商店/オーナー 東 良亮さん

◆「小規模店の必勝法」を取材する当シリーズの他の回はコチラ

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