【月商1800万】空中階でもリピート殺到! 「ハズレ席」をなくす最強の空間設計


飲食店を開業する際、多くの経営者が重視するのが、通りに面した『路面店』という好立地です。
しかし、家賃が高く競争も激しい路面店を避け、あえてビルの4階という「空中階」を選びながら、オープンわずか2ヶ月で月商1800万円を叩き出す隠れ家酒場があります。
それが、恵比寿にある創作中華バル「CARAVAN 来民」です。

坪数30坪、席数45〜50席で、客単価は6500円〜7000円。
初期投資に1億3000万〜1億4000万円を投じたという圧倒的な世界観の裏側には、目的来店を促す物件選びと、「ハズレ席」を極限まで排除する緻密な空間設計がありました。

「目的来店」を狙う。あえてビルの4階(空中階)を選んだ物件戦略

1号店を虎ノ門ヒルズに出店した後、オーナーの伊奈さんが次なる地として選んだのが、飲み歩く中で魅力を感じた恵比寿でした。
しかし、選んだ物件は人通りの多い路面店ではなく、ビルの4階。
これには明確な狙いがありました。

【伊奈さん】
「たまたま見つけたから入る、というお客様ではなく、『ここに来ることを目的として、わざわざ向かってきてくれるお客様』を大事にしたかったので、あえて空中階で物件を探していました。」

ターゲットを絞り込み、お店のファンに深く愛される店づくりを目指したからこそ、空中階という一見不利な立地でも、途切れないリピーターを獲得できているのです。

「空間」から始まった、海外風の店内で楽しむ創作中華のギャップ

名古屋にある店舗「CARAVAN NAGOYA」ではピザをメインに提供していますが、今回の恵比寿店では「創作中華」という全く異なるジャンルに挑戦しています。
実は、オープンする3ヶ月前まで、ピザにするか中華にするかずっと迷っていたと言います。

【伊奈さん】
「自分が一番好きな、ヨーロッパのような店内にすることは最初から決まっていました。なので、まずは家具や内装からスタートしたんです。その後に料理を何にするか考えた時、ヨーロッパやオーストラリアを旅した時に感じた『海外のような雰囲気の店内で中華を出すギャップ』が面白いと思い、創作中華を選びました。」

洗練された洋風の空間と、こだわりの創作中華。
この意外性のある掛け算が、お客様に新鮮な驚きと付加価値を提供しています。

総額1億3000万超の初期投資。働くスタッフをも魅了する空間の力

店内を彩る椅子などの家具は、すべて特注のオーダーメイド。
当初は8000万円程度で抑える予定だった初期投資ですが、妥協せずに「自信を持ってお客様を迎えられる内装」を追求した結果、総額1億3000万〜1億4000万円にまで膨らみました。
しかし、この圧倒的な空間のこだわりは、お客様だけでなく「働くスタッフ」をも強烈に惹きつけることになります。

【伊奈さん】
「一昨年、Amazonの配達員さんがお店に荷物を届けに来た際、空間の凄さに一目惚れしてしまったらしくて。『ここで働きたい』と面接を受けに来て、受かって今うちで働いてくれています。」

妥協のない空間への投資は、最高のチームを作るための最強の求人ツールとしても機能しているのです。

目線の先をデザインする。1席も「ハズレ席」を作らない空間設計

CARAVAN 来民が最も大切にしているのが、店内のどこに座っても居心地が良い「ハズレ席のない設計」です。
一般的な飲食店にありがちな「ちょっと暗いな」「この席はハズレだな」と感じる席をなくすため、どの席に座っても目線の先にオブジェや観葉植物などの飾りを配し、常にワクワクする景色が広がるよう緻密にデザインされています。

また、特注の家具や内装にこだわっている分、空間の主役はどうしてもホール側になりがちです。しかし同店では、長いカウンター越しに見えるキッチンの床をあえて1・2段高く設計しました。
調理風景を一段高い「かっこいい舞台」として見せることで、キッチンスタッフも主役として輝ける空間を作り上げています。

空間の美しさと機能性の両立にも妥協はありません。
足元に余計な荷物カゴを置いて世界観を損ねないよう、椅子の座面の下がそのまま荷物置きになるオーダーメイドの椅子を採用しています。
さらに、店内の本棚をぐっと押し込むと、「隠し扉付きの個室」が現れるなど、大人の遊び心をくすぐる秘密基地のような仕掛けも施されています。

極めつけは、全面に回すと300万円かかるという極上カーテンを、あえて「閉じた状態のデザイン」として空間のアクセントに一部だけ設置している点です。
これにより、予算にメリハリをつけながらも、贅沢で洗練された空気感をキープしています。

「吹き抜け」のこだわりが生んだ、2000万円の失敗とリカバリー

空間づくりにおいて徹底的な美学を持つ伊奈さんですが、過去には大きな失敗もありました。
名古屋の店舗を作る際、開放的な「吹き抜け」をどうしても作りたくて、2階の床をすべてなくし、天井高6メートルという贅沢な店を完成させました。

【伊奈さん】
「でも出来上がってみたら、やっぱり1/3でいいから床(客席)が欲しいなとなって。後から1/3を床に変え、さらに去年『やっぱりもう1/3増やしたい』となって、2ヶ月間お店を休業して2000万円かけて床面積を2/3に広げる工事をしました。」

この結果、月の売上はなんと350万円も増加しました。
こだわりだけで席数を減らすのではなく、ビジネスとして席数をしっかりと確保し、売上を伸ばすための「床(席)の重要性」を痛感したと言います。

「目的来店」を促す空中階の選定、どこに座っても感動があるハズレ席のない空間設計、そしてスタッフ自身が誇りを持って働ける環境づくり。
1億3000万円という莫大な投資の裏には、お客様とスタッフの双方を魅了し、リピートを生み出し続ける緻密なビジネス戦略が隠されていました。

本記事の動画: 【月商1800万】空中階でもリピート殺到!「ハズレ席」をなくす最強の空間設計

◆撮影協力:CARAVAN 来民(キャラバン ライミン)/オーナー 伊奈 修平さん

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