初期投資0円で一等地へ。資本と現場のタッグ出店「レベニューシェア」で月商1000万を狙う生存戦略


美味しい料理を提供し、どれだけ素晴らしい店舗コンセプトを持っていても、出店や多店舗展開における「初期費用」と「資金調達」の壁に多くの経営者が頭を悩ませています。
保証金や改装費などを合わせると、一等地での出店には余裕で2000万〜4000万円もの膨大な初期投資が必要となるのが飲食業界の常識です。

しかし、そうした「お金の悩み」を完全に解消し、あえて初期投資0円で恵比寿横丁という超一等地への出店を果たしたお店があります。
それが、馬肉とラム肉をメインにした大衆酒場「馬ルタン羊人」です。
店舗流通ネット株式会社と、飲食店を運営する株式会社ヴィクセスがタッグを組んだ、新時代の出店生存戦略「レベニューシェア」の全貌に迫ります。

初期投資0円で一等地へ。「レベニューシェア」という新たな出店モデル

従来の飲食店出店では、運営会社が大家さんと賃貸借契約を結び、内装や設備に自ら数千万円の投資をして運営するのが一般的な流れでした。
しかし、今回の「馬ルタン羊人」では、店舗流通ネットが物件の確保から内装設備、お皿や消耗品などの初期費用をすべて負担。
ヴィクセス側は費用負担なしで出店しています。

【ヴィクセス・中元さん】
「普通に僕らがこの物件を借りるとなると、保証金や改装費なんかを入れたら余裕で2000万〜4000万円はかかってきます。それを、初期費用や内装設備、さらにはお皿まで店舗流通ネットさんにすべて負担していただいて、一緒になってお店を盛り上げていくというスキームなんです。」

売上から家賃や食材費、人件費といった店舗運営にかかる経費を差し引いた「余った利益」をお互いにシェアする仕組みです。

お互いの得意分野を最大化。利益シェアと徹底された役割分担

このレベニューシェアにおいて、最も重要になるのが「お互いの強みを最大化するための明確な役割分担」です。
利益の分配割合は事前に話し合い、運営側のヴィクセスが7割、店舗流通ネットが3割という形でスタートしました。
単にお金を貸し出す『融資』や、株を持ち合う『共同経営』とは異なり、それぞれの組織が持つリソースを補完し合っています。

【中元さん】
「僕たちが得意なのは、店舗のコンセプトを作ることや、現場を運営する『人』の提供です。仕入れ先は僕たちのルートをそのまま使い、日々の支払いや事務作業は店舗流通ネットさんに代行していただいています。」

【店舗流通ネット・山野井さん】
「メニュー表や販促物のデザイン、SNSの運用といったクリエイティブ領域も、弊社の専属チームが代行しています。中元さんが持っているノウハウを弊社に伝授してもらい、我々のチームが実際に動かしています。」

バックオフィス業務からの解放。現場が本来のパフォーマンスを発揮できる環境

レベニューシェアの大きな利点は、資金面だけでなく「作業工数の削減」にもあります。日々現場に立つ店長やオーナーにとって、営業以外の細かな実務は大きな負担です。店舗流通ネットとの役割分担は、こうした飲食店ならではの課題も解決に導いています。

【中元さん】
「僕たち現場の人間にとって、SNSの更新や媒体の調整といった作業は、やりたくても後回しにしがちな部分です。それを(店舗流通ネットのチームに)スピーディかつ正確に代行してもらえるため、自分たちでやるよりも圧倒的に速いですし、何より僕たちは『営業』『現場』に100%集中できます。これは現場にとって非常に大きなメリットですね。」

お互いのレジや発注などのデータは双方で常に確認できるようになっており、透明性のあるコミュニケーションと強固な信頼関係が、この仕組みを裏から支えています。

資本側の回収リスクと、現場が語る「デメリットなし」の真実

一方で、初期費用をすべて負担する資本側(店舗流通ネット)には、当然ながら大きなリスクが伴います。

【山野井さん】
「お店がうまくいかなかった場合、投資した保証金や改装費が回収できなくなるリスクは非常に大きいです。そのため、ある程度の実績があり、その業態のPL(損益計算書)が見えていることなどを出店基準として参考にさせていただいています。やるからには月商1000万円、利益率15%程度は目指したいという本音はありますね。ゆくゆくは、『有名店で何年か修行して、お客様も持っている』といったような方たちなどにチャレンジ枠も設けていきたいです。」

では、現場の運営側である中元さんから見て、デメリットや不安はないのでしょうか。

【中元さん】
「出店における赤字はつきものですが、開業初期の1〜3ヶ月目の赤字が出やすい時期であっても、オープン初月から店舗上で利益が出るような契約スキームになっています。そのため、僕自身としては、現状は全くデメリットを感じていません。ただ、今後赤字が続いた場合にはお互いに対策や改善をしなければいけませんので、そこはこれからの運営次第ですね。」

お金の悩みを解消し、素晴らしい業態を持つ人が挑戦できる未来へ

飲食店の出店には常に大きな廃業リスクが伴い、一度の失敗で立ち上がれなくなる経営者も少なくありません。
このレベニューシェアという新しい出店モデルは、そんな業界の構造そのものを変える可能性を秘めています。

【山野井さん】
「世の中には、本当に素晴らしい料理やコンセプトを持っているお店、挑戦したいと思っている人がたくさんいます。そうした方々が、私たちのノウハウや資金力を活用してリスクをおさえ、チャレンジできるような環境を作っていきたい。このスキームが、外食産業の新たなスタンダードになってほしいですね。」

【中元さん】
「経営者にとって、お金がないのが一番苦しく、一番悩む部分です。レベニューシェアがひとつのきっかけとなって、支援を受けた会社が繁盛し、店舗展開や上場を果たしていく。そんな未来を展望として見てみたいですね。」

資金の調達やリスクを理由に、素晴らしい技術やアイデアの火を消してしまうのはあまりにももったいないこと。
レベニューシェアという新たな共創の形は、夢を持つすべての飲食人が、純粋に「お客様の美味しい」と向き合い、リスクをおさえ挑戦できる新時代の道を切り拓いていくに違いありません。

本記事の動画: 初期投資0円で一等地へ。資本と現場のタッグ出店「レベニューシェア」で月商1000万を狙う生存戦略

◆撮影協力:
馬ルタン羊人 / 株式会社ヴィクセス 中元孝太さん
店舗流通ネット株式会社 山野井弘文さん

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