【客数3割アップ】オープン半年でガラスを破壊!? 12坪の店が歩行者を顧客に変えた「外飲みカウンター」の秘密
飲食店において「店内のレイアウト」は、単に席数やオペレーション効率を決めるためのものではありません。
東急東横線の学芸大学駅にある、カジュアルビストロ「anaguma(アナグマ)」には、
わずか12坪という限られた空間の中で、売上ポテンシャルを極限まで引き出すレイアウトマジックがありました。
客数3割増!アドバイスから生まれた「外飲みカウンター」
通行人の足を一瞬で止めるのが、店外に設置された開放的な「外飲みカウンター」です。
しかし、開業当初は予算の関係もあり、作る予定は全くなかったと言います。
【大箸さん】
「思っていたよりもお金がかかってしまっていたんで…その上で元々あるガラスを壊してさらにこの店の雰囲気にあったカウンターを作るっていうのが、予算的に自分の中ではありえないなと思っていました。」
そんな大箸さんの背中を押したのが、知人からの「外でも飲めたらめちゃくちゃ雰囲気良くなると思うよ」という一言でした。
これを機に、大箸さんは110万円の費用をかけて特注のカウンターを増作。
店内のグラスやお皿のサイズをミリ単位で計算し、お食事がしっかりとできて、かつ通行の邪魔にならないコンパクトな幅を徹底的に設計しました。
その結果、店外で楽しそうに飲む人の姿が最高の広告となり、導入後は「客数が2〜3割増加する」という驚くべき効果をもたらしたのです。
ターゲットは30〜40代女性。仕事帰りの「1人飲み」を誘う全面ガラス張りの安心感
ここには、お店のファンになってほしいターゲット層を強く意識した戦略がありました。
【大箸さん】
「ターゲットになる方たちは、30代〜40代の女性かなと思っていて。そういう方たちが安心して入れる、行ったことがない店でも中の雰囲気が分かるっていう状況がすごく大事かなと思って。」
店内の賑やかさや温かい雰囲気が外からよく見えるため、仕事帰りや、「1軒目でしっかり飲んだ後、帰る前に1人で1杯だけ」といった初めての女性客でも、ふらりと立ち寄ることができます。
カウンターなのに全員の顔が見える!対話を生み出す「丸いカウンター」の設計
ですが、一般的にカウンター席は横並びになるため、3〜4人の複数グループで訪れると、お互いの顔を見て話しにくいという弱点があります。
これを解消するために、大箸さんは最端に「丸いカウンター」を設計しました。
【大箸さん】
「丸いカウンターだと3人とか4人で飲みに来た時に、みんなで顔を見て話せる。」
テーブル席を無理に作って空間を圧迫するのではなく、カウンターの一部を丸く突き出す形状にデザイン。
これによって、限られたスペースを最大限に活用しながら、複数人のお客様でも顔を合わせてリラックスして食事を楽しめる仕組みを作っています。
週末の「満席時の取りこぼし」をゼロにする、分離可能な「セパレートテーブル」
特に週末などは、何人のグループがどのタイミングで来るか予測がつきません。
そこで、大箸さんが店内の奥に用意したのが、パズルのように変形する「セパレートテーブル」です。
一見すると、ゆったりと腰掛けられる1つの大きなテーブルに見えますが、お客様の人数や予約状況に応じて、真ん中で二つに分離し、立ち飲み席としてそれぞれ独立して使える可変式のレイアウトになっています。
【大箸さん】
「お客さんの取りこぼしがやっぱり減るので、それはすごく良かったなと思います。特にやっぱり週末は、3、4組ぐらい、取りこぼしていない実感がある。」
お客様の数やその日の賑わいに合わせて、瞬時に「座り席」から「立ち飲み席」へと形を変える。
この柔軟なレイアウトこそが、週末の取りこぼしを防ぐ秘密兵器となっています。
通り過ぎる通行人の足を「外飲みカウンター」で止め、ガラス張りで店内の安心感を伝える。丸いカウンターやセパレートテーブルでお客様の多様なニーズを受け止める。
12坪の空間に詰め込まれた計算尽くのレイアウトと、大箸さんの「おもてなしの心」は、訪れるすべての人に心地よい時間を提供し続けるはずです。
本記事の動画:【客数3割アップ】オープン半年でガラスを破壊!? 12坪の店が歩行者を顧客に変えた「外飲みカウンター」の秘密
◆「小規模店の必勝法」を取材する当シリーズの他の回はコチラ
◆取材協力
anaguma(アナグマ)/大箸 寛さん
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