【利益20%を残す】注文率9割の絶対的「A商品」。原価高騰に打ち勝つ月商900万の勝ち筋


飲食業界で「美味しいのは当たり前」と言われる中、真の差別化とはどこにあるのでしょうか。 原価高騰や人手不足が叫ばれる外食産業において、開業わずか半年で月商900万円、利益率20%という理想的な業績を叩き出す代々木八幡のビストロ「Pulse」。 オーナーシェフの大村さんが明かすロジカルな経営哲学に迫ります。

「美味しいのは当然」の落とし穴 圧倒的な商品力で勝つ

多くの経営者が「美味しいのは当然だから、SNS集客や接客で差別化しよう」と語るなか、大村さんは業界に漂うその前提に問題提起しています。

【大村さん】
「美味しくするというよりは『まずいをなくしていく』方向にみんないっている気がして。僕はそれが嫌なんですよ。僕は100%手作りでやっていますし、めちゃくちゃ美味しいものを作れている自信があります。圧倒的な商品での差別化をつけられると思っています」

飲食店を訪れる客の目的は「美味しいご飯を食べること」。接客の知識やお店のウェルカムな雰囲気も重要ですが、それらはすべて「商品力」という土台があって初めて活きる要素です。 まず自分たちの強みとなる絶対的な商品を極限まで磨き上げることが、すべてのスタートラインと考えています。

注文率9割!営業時は「切って乗せるだけ」の仕込み術

圧倒的な商品力を提示するため、Pulseが『絶対的エース商品』として据えているのが「シャルキュトリー」です。来店客の9割以上が注文します。

【大村さん】
「シャルキュトリーは、営業の時は切るだけでいいんですよ。ただ仕込みは大変です。一番時間のかかるパテ・ド・カンパーニュは、仕込んだあとにしっかり寝かせます。僕は最低でも10日から2週間は絶対に寝かせたい。」

営業現場では「切って皿に盛るだけ」という作業で提供できるため、オペレーションは簡単です。その一方で、仕込み段階では素材を馴染ませるために「2週間熟成させる」という時間を投じていたのです。

フードロスゼロ!豚「一頭買い」が実現する原価抑制

仕込みの手間がかかるシャルキュトリーですが、原価管理と収益性の観点からは極めて合理的な仕組みを備えています。豚を一頭買いしているためです。

一般的にフレンチは食材の廃棄ロスが原価を圧迫しがちですが、シャルキュトリーは耳、タン、ホルモンといったあらゆる部位を使用します。破材の肉はミンチにして加工し、その他の部位もゼリー寄せ、ソーセージ、ハム、パテへと姿を変えるため、食材のロスがありません。 さらに、仕入れの段階でもコスト削減を実現しています。

【大村さん】
「原価でいくと、めちゃめちゃ安いですよ。豚だったら半頭、もしくは1頭で取ってるんです。普通だったら豚の肩ロースは1kgあたり1,600円くらいするところが、丸ごと1頭で取れば1kgあたり980円で取れるんです。物の値段っていうのは人件費が一番大きくて、肩ロース、バラ、モモに切り出す『手間賃』で価格が上がっていくんですよね。加工されていないほど、原価は安くなります」

精肉業者によるカット加工の手間賃が上乗せされる前の状態で仕入れを行い、自店の技術で余すことなく使い切る。徹底的なロス削減を実現しています。

FL比率65%・利益率20%を叩き出す「必要だからやる」思考

フレンチビストロでは利益率5〜10%にとどまる店も多い中、Pulseでは人件費35%、食材費30%に抑え、利益率20%という高い収益性を確保しています。

【大村さん】
「いかに売り上げがあっても、ロスの穴が大きければ意味がありません。ロスを徹底的に減らすことが大事です。」

「代々木八幡の顔になる」という明確な目標を掲げ、ビジネスとして「必要な作業」を論理的に遂行する。 この妥協なき姿勢と計算されたロジックこそが、揺るぎないブランド力を生み出しているのです。

本記事の動画: 【利益20%を残す】注文率9割の絶対的「A商品」。原価高騰に打ち勝つ月商900万の勝ち筋

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◆取材協力
Pulse オーナーシェフ 大村 隆亮さん

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