「春夏夏秋冬」時代に、我々はどう挑むべきか

9月に入っても例年になく厳しい残暑が続いていますね。ここ数年、猛暑が長引くことが常態化し、「春夏夏秋冬」といった、まるで季節が5つあるかのような状況が続いています。ニュース等でも、アパレル業界では季節概念を変えつつあるという話を目にしますが、私もこの猛暑と長引く夏は飲食店の運営にも大きく影響を与えていると考えています。
 
例えば、9月に入るとすぐに秋の味覚である「秋刀魚」や「きのこ」、「月見」をモチーフにしたメニューをいち早く取り入れて秋限定メニューを展開している店舗がある一方、9月末頃までは「夏限定」と銘打って冷たい食材を提供しているお店も年々多くなっていると感じます。8月のビール類の売上は猛暑の影響で昨年に比べると落ち込んだとの報道もされており、夏の風物詩であったビアガーデンは、むしろ9月からの伸びに期待がかかるとも言われています。
また、メニューの打ち出しや消費動向だけでなく、食材の「旬」そのものも変化しています。今年は「秋刀魚」が豊漁で大ぶりだと言われていますが、ここ数年ずっと漁獲量が減り価格高騰が進んでいたことは、記憶に新しいです。また、猛暑による品質低下や生育不良はコメにも忍び寄っており、新米のシーズンに入る中、ただでさえ高騰しているコメ価格が今後どうなるか心配の種はつきません。
 
こうした混沌とした状況に、光明を投じる動きが業界の垣根を越えて広がり始めています。

食品大手の味の素は、「五季(ごき)そうさまプロジェクト」を立ち上げ、長引く夏を「盛夏」と「晩夏」の二つに分け、特に残暑が厳しい9月以降を「まだなつ」と新たに定義。夏の終わりに秋の食材を組み合わせる「まだなつ冷やし中華」のようなレシピを提案し、新たな食の楽しみ方を社会に問いかけています。
デパートでも「五季そうさまフェア」を開催し、お惣菜や弁当売場でも秋の素材を取り入れた夏仕立てメニューを多数展開することで、外食産業に広げようという動きも。「夏と秋の間に生まれた第五の季節」に名前をつけて新たな商機と捉える戦略に、今後も注目が集まりそうです。
 
温暖化が進み夏が長くなっていくと、こうした「いつから秋なのか」「夏メニューはいつまで販売するべきか」「夏と秋の両方のニーズに応えるべきか」といった問題が、より顕著になっていく可能性は十分にあります。みなさまは、この問題に対してどうお考えでしょうか?

私たちもこの正解の見えない問題に注目しつつ、今後も飲食店の皆様の悩みに寄り添えるよう、ともに考えていきたいと思います。

松永 光可
有名結婚式場で披露宴会場の責任者を経験後、2022年に食べログへ入社。現在はカスタマーサクセス部で池袋・高田馬場などを担当。売上・集客向上のために、担当店舗のパートナーとして二人三脚で活動中。趣味は、コスパ抜群の居酒屋探しと自分を甘やかす月数回の”ご褒美ビストロ”訪問。