飲食店経営によくある悩み6選!成功のポイントは?向いている人の特徴も

飲食店という業種は、多くの人に馴染みがあり、仕事内容も想像がつくことから開業を検討する人が多いビジネスです。
ただ、飲食店経営は始めやすいが難しいと言われているため、不安な気持ちになる方も少なくないでしょう。本記事では、飲食店経営が難しいと言われる理由や、経営を成功させるコツなどについて解説します。

目次

飲食店経営によくある悩み6選

飲食店経営が難しい理由として、利益率の低さや売上の不安定さが挙げられます。
また、原材料の高騰や人手不足、初期費用の高さも経営の難易度を上げています。

1.利益が出づらい

飲食店の営業利益は、5~10%が相場です。これは、他の業種に比べて、決して高い数値とは言えません。
飲食店経営においては、さまざまなコストが継続的に発生します。
食材の仕入れ費用や人件費、店舗の賃料、水道光熱費、広告費などのコストが売上高の多くを占めるため、営業利益は少なくなりがちです。

また、売上が不安定なのも、飲食店経営が難しいと言われる理由のひとつです。
天候や社会情勢など、さまざまな要因が集客に影響を及ぼすことが多く、売上にも直結します。

近年では、新型コロナウイルスが猛威を奮い、飲食業界は大きな打撃を受けました。
そして、その影響はいまだに続き、人々の生活時間帯が変わり、在宅率が高くなり、飲酒量が激減しました。

ただ、これを機に在宅勤務が増え、新しいニーズも出てきています。
そういった変化に対応するためにも、経費の見直しやメニューの工夫など、日々の改善が重要です。
これらの努力によって、利益率を向上させる可能性も十分にあります。

参考:飲食店の利益率の平均は?計算方法と低い原因、上げるコツを紹介

2.集客が難しい

飲食店の集客が難しい理由として、競合の多さが挙げられます。
飲食業界には毎年のように多くの事業者が参入しており、同じ地域内に同一ジャンルの飲食店がひしめき合っている、といったケースも珍しくありません。

競合が多い理由は、参入ハードルの低さです。飲食店を開業するにあたり求められる資格や認可は少なく、参入しやすいため競合が次々と現れます。
大勢の競合がしのぎを削りあう状況のなかで、集客をしていくことは簡単なことではありません。

飲食店が集客を成功させるコツは、競合とは異なる魅力や強みを打ち出すことです。
つまり、競合との差別化です。そのためには、自社にどのような強みがあるのか把握しなくてはなりません。
そのうえで、差別化できている部分を積極的にアピールすれば、集客力が高まるでしょう。

集客手法を学ぶことも大切です。
そもそも、どのような集客手法があるのか分からない状態では、集客のしようがありません。
手法ごとに特徴やメリット、デメリットがあるため、それも併せて把握する必要があります。
従来からある集客手法にとらわれず、オンラインの手法も積極的に取り入れ、多角的な集客に取り組みましょう。

参考:飲食店の集客方法・アイデアを紹介!売上アップに繋がるコツとは
参考:集客やサービス向上に役立つ飲食店の売上アップのためのアイデアを紹介

3.人手不足に陥る

飲食業界は常に人手不足が続いていると言われています。
給与が低く、休日が取りづらい、多くのことを覚える必要があるなど、多くの人が飲食業界に対してマイナスイメージを持っています。
このような印象が原因で、業界は継続的な人手不足に悩まされています。

このような状況ゆえに、人材の確保に頭を悩ませている飲食店も数多くあります。
求人情報誌や求人サイトに募集広告を掲載してもほとんど応募がなく、やっと採用できた人材がすぐに辞めてしまうといったことも起こり得るでしょう。

ただ、確かに人材が集まらないという課題は大きいですが、多くの場合は職場環境や待遇の改善で解決可能です。
従業員が働きやすい環境を整え、待遇を見直すことで、飲食業界に対するネガティブなイメージも変わるでしょう。
そして、良い人材を確保できる可能性が高まります。

少子高齢化が進む中で、人材確保は今後も課題でしょう。
しかし、そのような状況だからこそ、一人一人 の働きが大きな影響を与えることも事実です。
待遇や環境を見直し、素晴らしい人材を迎え入れることで、飲食店経営も新たなステージに進むことができるでしょう。

参考:飲食店が人手不足に陥る原因とは? 対策とポイントを紹介
参考:飲食店が人手不足になる理由は?原因と対処法を解説

4.初期費用が高い

飲食店を開業するには、多額の初期費用が必要です。
飲食店をオープンするとなれば、まず店舗を確保しなくてはなりません。
店舗を取得するだけでも、保証金や礼金、仲介手数料、前払い家賃などが発生します。

居抜き物件で全ての造作が再利用できる稀な物件でない限り、内装工事もしなくてはなりません。
スケルトン状態の店内に配線や配管工事を施し、来店客を迎え入れられるよう建具を入れ、壁紙などの仕上げも必要になります。

調理をするには厨房を設けなくてはならず、さまざまな厨房機器も導入しなくてはなりません。
機器の代金と調整費用、搬入費などもかかり、テーブルやイス、ブラインド、レジなどの備品も購入しなくてはならないため、相当な費用が必要です。

詳しくは後述しますが、目安として15坪程度のお店で、1,000万円前後の初期費用は見ておかねばなりません。
もちろん店舗の業態や導入する設備によって費用は大きく前後することもあります。

参考:飲食店の開業に必要な資金はいくら? 費用の内訳や調達方法

5.食材の在庫管理が難しい

生鮮食品は特に日持ちしないことから、使いきれなかった分は廃棄しなくてはなりません。
廃棄ロスは毎日積み重なっていくと、売上金額の2、3%を占めることもあり大きな支出となることから廃棄ロスの多さに頭を抱える飲食店経営者は少なくありません。
廃棄ロスが発生すれば、食品の仕入れに要した費用が無駄になってしまうどころか、廃棄費用が発生することもあるため、飲食店経営者にとっては重要な課題です。

廃棄ロスによって、その日の収支が一気に赤字に転落するケースもあります。
たとえば、大量の生鮮食品を仕入れ、ある程度の段階まで調理まで済ませていたにもかかわらず、当日キャンセルされてしまうようなケースです。
すでに調理してしまった場合、廃棄するしかなく大きな損害が発生します。

必ず使いきれる分だけ購入すれば、廃棄ロスの量を減らせる可能性がありますが、機会損失につながるおそれもあります。
このあたりも、飲食店経営が難しいといわれる理由です。

参考:飲食店の在庫管理!食品ロスや機会損失を防ぐために必要なポイントとは

6.長時間労働が多い

飲食業は、長時間労働が常態化している業界です。
飲食店では、昼営業→仕込み→夜営業→仕込みといったサイクルで働くケースが大半であり、なかなか休息もとれません。
手を止めている時間も、集客や利益拡大について頭を回転させる必要があり、心から安らげる時間が多くありません。

ただ、これに関しては出店場所に工夫することで、問題解決が可能です。
たとえば、オフィス街のような土日祝日に客足が落ちやすい場所で開業すれば、平日営業のみの経営に切り替え、土日祝日を休日に設定できます。

飲食店経営の年収はどのくらい?

ここまでは飲食店を経営するうえでよくある悩みを解説してきました。
ここからは、気になる年収や必要な資格、準備などを解説していきます。

飲食店経営の年収は、事業者によって大きく異なります。
相場としては、個人経営で300万円が平均年収とも言われています。
国税庁が公表した、「令和2年分民間給与実態統計調査結果について」では、給与所得者の平均給与が433万円となっているため、それを超える年収がある経営者はごく一部と考えていいでしょう。
(また、高齢者が家賃の支払いなどもなく、細々と経営しているケースが多く平均を下げているとも言われています。)

ただ、赤字経営のケースでは、平均年収が200万円を切ることもあります。
飲食店経営が永遠に黒字続きとなる保証は全くなく、いつこのような状況に陥るか分かりません。
経営者となる以上、このようなリスクがあることは理解しておく必要があります。

年収を大幅にアップするアイデアとして、多店舗展開が挙げられます。
ひとつの店舗だけで得られる利益は限られますが、複数店舗を展開すれば大幅な売上と利益の拡大が望めます。

売上や利益を増やすための努力も必要です。
経費の見直しや集客力の強化、サービスの改善などに取り組むことで、平均年収を大幅にアップさせられる可能性があります。

飲食店経営にかかる初期費用

日本政策金融公庫の2022年度の新規開業実態調査によると、飲食店の開業費用の平均値は1,077万円でした。
250万円未満で開業する店も増えているものの、店舗の面積や立地などの条件は、かなり制限されるでしょう。

飲食店を開業するにあたり、以下のような費用を見込む必要があります。
まず、店舗を取得しなくてはなりません。
スケルトン状態の店舗を取得したあとは、来店客を迎えられる環境を整えるべく、内装工事が必要です。

従業員を雇用するのなら、採用コストも発生します。
求人サイトや求人情報誌へ広告を掲載する費用のほか、育成にもコストがかかります。

広告宣伝費も考慮しておきましょう。
新規開業の場合、プロモーションをしないと認知してもらえず、来店につながりません。
チラシのポスティングやWeb広告、SNS広告など、プロモーションにも相応の費用が必要です。

飲食店経営で失敗しないためには、初期費用だけでなくランニングコストにも着目しましょう。
ランニングコストには、店舗の賃料や水道光熱費、従業員の給料、食材の仕入れ費用、通信費、広告費などが挙げられます。

参考:飲食店の開業に必要な資金はいくら? 費用の内訳や調達方法

飲食店経営に必要な資格

飲食店経営に必要な資格は多くありません。
食品衛生責任者と防火管理者の2つがあれば、飲食店を開業できます。
各資格の特徴や取得方法などを押さえておきましょう。

参考:飲食店の開業に必要な資格、許可と届出を徹底解説

食品衛生責任者

食品の製造や販売に携わるのなら、食品衛生責任者の資格を取得しなくてはなりません。
飲食店を経営する際には、ひとつの店舗に1人の責任者を配置しなくてはならないと、法律で定められています。

食品衛生責任者は、店舗における衛生管理の責任者です。
設備が衛生的な状態に保たれているかチェックし、必要に応じて改善に取り組みます。
また、食材が適切に管理されているか、従業員の衛生管理に問題はないかなどをチェックするのも役割です。

食品衛生責任者の資格を取得するには、自治体が主催している講習を受けなくてはなりません。
講習では食品衛生学や食品衛生法公衆衛生学などについて学び、確認の試験も行われます。
受講後、保健所へ申請して資格を得られます。

なお、調理師や栄養士など、特定の資格を有する方は講習に参加することなく資格を取得できます。

防火管理者

防火管理者は、火災による被害を防ぐため、計画的に防火管理業務へ携わる責任者です。
収容人数30人以上の飲食店には、防火管理者を配置しなくてはなりません。
なお、この収容人数には従業員の人数も含まれるので、注意が必要です。

防火管理者資格は、防火管理講習の受講で取得できます。各自治体により、申し込み場所が異なります。
防火管理講習には甲種と乙種があり、延床面積が300m2以上では甲種が必要です。

飲食店では調理に火を使うため火災のリスクが高く、仮に大勢の来店客がいるとき火災が発生すると大惨事になりかねないため、このような資格取得が義務付けられています。

飲食店経営に向けた前準備

飲食店経営を成功させるには、しっかりと前準備をしておきましょう。
まずは事業計画を策定し、資金調達や各種届出、従業員の確保などを進めます。

参考:飲食店の開業に必要な資格、許可と届出を徹底解説

事業計画の策定

事業計画をしっかりと策定することで、資金調達がスムーズに進みます。
金融機関から事業資金の融資を受ける際には、事業計画書の提出を求められ、その際、迅速に丁寧なものを提出することが望まれます。

また、綿密な事業計画の策定により、どの程度の売上が見込めるのか、コストがどれくらい発生するのかといったことを客観的に把握できます。

事業計画策定時には、お店のコンセプト設計を行い、提供するメニューも決めましょう。
提供するメニューの構成によって、売上やコストが大きく変化するためです。どこに店舗を出店するのか、どこから仕入れるのか、資金はどう調達するのかなども盛り込みましょう。

資金調達

飲食店経営を始めるには、多額の初期費用が発生します。
また、初期費用だけでなく運転資金もプールしておく必要があります。
数ヶ月にわたり問題なく経営できるだけの資金を調達しておきましょう。

開業後、すぐ黒字経営になるとは限りません。
十分な資金がないと、開業してすぐに赤字になり、そのまま廃業といったことも考えられます。
不測の事態が発生し、急遽想定外の出費が発生することも考えられるため、資金には余裕をもたせておく必要があります。

なお、経営の経験がない方や飲食業のスキルが足りないと判断された場合は、民間の金融機関から融資を受けられないこともあります。
当然のことながら融資した資金が回収できなくなる可能性が高い人には貸さないと判断するのも当たり前です。

民間の金融機関から融資を受けられないときは、日本政策金融公庫などの公的金融機関の利用も検討してみましょう。
銀行などよりも審査は通りやすい傾向がありますが、事前準備をしっかりして事業計画を伝えられなければ審査をクリアできない可能性があります。
ほかにも、国や自治体の助成金や補助金で、自店に利用できそうなものはないか調べてみるのも有効です。

届出・申請

営業許可に関する届出や申請を行います。
以下に、多くの飲食店で必要になるものを列挙しました。それぞれ届出先や必要書類が異なりますし、飲食店の種類によって必要になるものも異なるため、詳細は事前に確認してください。

  • 食品営業許可申請:保健所へ申請し、施設検査を受けたのちに許可証が交付されます。営業許可取得には費用もかかります。
  • 防火管理者選任届、防火対象設備使用開始届、火を使用する設備等の設置届 基本的には消防署に届け出ます。
  • 個人事業主の場合:開業届/法人の場合:法人設立届
    税務署にいずれかの届出をします。
  • 従業員を雇用する場合:労災保険、雇用保険
    労働基準監督署と公共職業安定所(ハローワーク)で手続きをします。
  • 法人の場合:社会保険年金事務所で手続きをします。

これらに必要な書類は自身でも作成できますが、行政書士のような専門家へも依頼できます。
書類作成だけでなく、代理申請も行ってくれるため、飲食店経営の準備で忙しい方は行政書士への依頼も検討してみましょう。
他にも地域や自治体によって届け出や許認可が必要なものがあることもありますので、事前に行政の各担当部署に相談し確認しましょう。

従業員の雇用・集客

開店してから集客を始めるのでは遅いため、開店前から集客に注力しましょう。
チラシのポスティングや折り込みチラシといったアナログな手法をはじめ、Web広告の配信やWebサイト、SNSでの情報発信など、積極的な集客活動が求められます。

ある程度時間的な余裕をもって、従業員を雇用しましょう。
オープン間近になってから人材を募集しても、求めている人材が集まらない可能性があります。
特に、飲食業界はハードなイメージがあり、人材確保は困難です。できるだけ早めに募集をかけましょう。

とはいえ、人件費は飲食店経営で発生する経費のうち大きなウエイトを占めるため、必要以上に雇用するのはリスキーです。
経営を圧迫するおそれがあるため、どの程度の人数を確保すればお店を回せるのかをシミュレーションしたうえで慎重に採用を進めていきましょう。

飲食店経営を成功させるためのポイント

飲食店経営を成功させるため、ターゲットとなる顧客像を明確にしましょう。
また、FL比率を60%以下にする、設備やスタッフ教育に投資する、集客にSNSを活用するのも大事なポイントです。

参考:飲食店の経営を成功させるための勉強とは?繁盛店の分析方法も紹介
参考:FLコストの理想は? 業態別の目安のほか改善の方法なども解説

ターゲットを明確にする

ターゲットとなる顧客が明確になれば、そこからコンセプトやメニュー、内装の雰囲気など細部に渡って、細かくお店の初期設定が可能になり、そのターゲットにどうアプローチしていくかを具体的に検討できます。
また、オープン予定の土地に、どのような人々が暮らしているのかもリサーチしましょう。
学生が大勢暮らしているエリアと、家族連れが多い地域とでは、効果的な集客の方法やメニュー、テーブルのレイアウトも異なります。

FL比率を60%以下にする

FLとは、F=Food(食材原価)、L=Labor(人件費)を足したものです。
FL比率とは、売上高に対してFLが占める割合で、この数値が高ければ経営を圧迫することを意味します。
飲食店経営を成功させるには、FL比率60%以下を目指しましょう。

もしFL比率が60%以上であれば、現状を見直さなくてはなりません。
より安く仕入れができる業者に乗り換える、アルバイトのシフトを減らす、もしくはメニューを値上げするといった施策により、FL比率を引き下げられます。

設備やスタッフ教育に投資する

経営がある程度安定し利益が確保できたタイミングで、設備の充実を図りましょう。
来店客が快適にすごせるよう設備の充実を図ることで、リピーター獲得につながります。

スタッフ教育や福利厚生への投資により、サービス品質の向上が期待できます。
ご存知の通り、スタッフの接客次第で、顧客の店に対する印象は大きく変わります。
リピーター獲得に必要な要素であるため、しっかりと時間とコストを費やしましょう。
また、せっかく時間とコストをかけて育てた従業員がすぐに辞めないよう、職場環境の改善にも努めるべきです。

SNSを活用して集客する

若い世代がメインのターゲットであれば、SNSを活用しない手はありません。
TwitterやFacebook、Instagramなどの公式アカウントを開設し、顧客が魅力を感じる情報を積極的に発信しましょう。
誰がどの位の頻度で更新するかも決めておくと、更新が滞ってしまうことを避けられます。

飲食店であれば、料理や内装などにコメントをつけて投稿するのも集客に有効です。
料理の写真を投稿するのなら、美味しく見えるよう撮影にも配慮しましょう。

また、SNSでクーポンを配信する、期間限定メニューの案内をするといった手法も集客に有効です。

さらに、グルメサイトとの併用もおすすめです。
グルメサイトは多くの年齢層に利用されているプラットフォームであり、良いレビューが多ければ、それだけで新規客を引きつける力があります。
SNSとグルメサイトを併用することで、より広範なターゲット層にアプローチが可能です。この二つをうまく組み合わせることで、より最大限に集客力を高めることが可能です。

また、食べログは多くのユーザーが利用する日本最大級のグルメサイトです。
店舗会員登録は無料で始められるので、取り組まれてはいかがでしょうか。


顧客情報を管理・分析する

顧客情報を管理・分析することによって、業界のなかで優位性を確立できる可能性があります。
来店頻度や頻繁に注文するメニュー、平均客単価などの分析から、新たなメニュー開発や集客施策のヒントを得られます。

人気メニューの開発やユニークなコンセプト設計などで一時的に成功しても、それが永遠に続くとは限りません。
流行り廃りが早い業界であるため、常に顧客情報を分析しそのときどきの状況に対応することが大切です。
CRM(顧客管理システム)のような、効率的に顧客情報を管理・分析できるシステムの導入も検討してみましょう。

顧客に合わせてメニュー・戦略を変更する

飲食店経営を成功させるには、メインターゲットにあわせたマーケティングが不可欠です。
まずはターゲットを明確にし、そのうえでコンセプト設計やメニュー開発、集客施策などに取り組みましょう。

たとえば、若者をターゲットにするのであれば、SNSを活用した集客が有効です。
X(旧Twitter)やInstagramなどで日替わりメニューを紹介する、オープン記念のキャンペーンを告知するといった手法が考えられます。

10~20代前半の男子学生がターゲットなら、大盛メニューを充実させる、若い女性に来てほしいのなら、SNS映えするようなメニューの見せ方や、10~20代の女性が好みそうなインテリア・エクステリアの施策も有効です。

利益を出せる仕組みをつくる

魅力的なメニューを提供している素晴らしい飲食店であっても、利益を確保できないといずれ廃業を迫られるおそれがあります。
ビジネスである以上、利益を確保できる仕組みづくりが重要です。

規模の小さな飲食店であっても、利益を確保する仕組みの構築は可能です。
従業員を少なくすれば、経費の大半を占める人件費を大幅にカットできます。もちろんこれだけではなく、モバイルオーダーシステムのような業務効率化につながるシステムの導入も検討してみましょう。

事前に飲食店の経験を積んでおく

飲食店での実務経験がないまま開業するのは、博打をするようなものです。
飲食店開業には多くの時間がかかるだけでなく、相応の費用も必要です。
失敗したときのダメージは計り知れないため、失敗の確率を極力ゼロにできるように、事前に飲食店の実務経験を積んでおきましょう。

飲食店の実務を知らないと、日々営業しながら勉強しなくてはなりません。
不手際が増えてしまい、お客様に多大な迷惑をかけるおそれもあります。
従業員教育もうまくできず、インターネット上にはネガティブな口コミが増えていくと考えられます。
現場や経営を知らずに開業するのはリスクが高すぎるため、できるだけ多くの実務経験は必須です。

飲食店経営に向いている人の特徴

飲食店経営に向いているのは、経営に関する能力が高く、行動力に長けている人です。
また、優れたコミュニケーション能力のもち主であれば、顧客や従業員とも円滑にコミュニケーションがとれ、サービス品質の高いお店を作れます。

経営力が優れている

美味しい料理が作れるだけでは、飲食店経営はできません。
調理スキルだけでなく、事業計画を考える力や資金調達力、金銭・在庫管理能力などが求められます。
「美味しい料理さえ提供できていれば繁盛店になれる」と楽観的に考えてしまう人は経営者としての適性不足です。

事業計画や資金調達などに関して、客観的な視点で考えられる人が飲食店経営には向いています。
また、経営者は一部分だけでなく全体に目を向けなくてはなりません。
そのため、経営についてあらゆる角度からトータルで考えられる人も経営者に適しています。

行動力に長けている

成功者と呼ばれる人の多くは行動力に長けています。
考えるよりまず行動に移し、失敗からもいろいろなことを学べる人が経営者に適しています。

飲食店経営に少しでも役立つセミナーや勉強会があれば、積極的に参加してみましょう。
書籍やインターネット上の情報だけでは入手できない知識や経験を得られます。
また、経営者が自ら率先して行動に移す姿は従業員にとって頼もしく映り、信頼獲得につながるのも利点です。

コミュニケーション能力がある

経営者には優れたコミュニケーション能力が必要です。
コミュニケーション能力が高ければ、お客様や従業員と円滑なやり取りができ、現状の課題や要望などを漏れなく抽出できます。
それを今後の店舗運営に反映できるため、サービス品質の高い店舗づくりを実現できます。

雰囲気のよい飲食店づくりを成功させるためにも、経営者には高いコミュニケーション能力が求められます。
聞き上手になるための練習をする、結論から話す癖をつける、誰とでも笑顔で挨拶をするなど、日ごろからコミュニケーション能力向上に注力しましょう。

まとめ

飲食店経営が難しいと言われる理由は、利益率の低さや集客の難しさ、初期費用の高さなどです。
経営を成功させるには、ターゲットとなる顧客を明確にし、FL比率60%以下を目指しましょう。設備やスタッフ教育に投資する、SNSを集客に活用するのも成功のコツです。

飲食店経営を成功へ導くため、「食べログ」への登録も検討してみましょう。
日本最大級のグルメサイトであり、日々大勢のユーザーが利用しているため、認知拡大や集客力強化につながります。

参考URL

小さい飲食店を開きたい!開業までの準備を細かく紹介!|FOODS FRIDGE(UCC)
飲食店経営者の年収をレストラン・バー・居酒屋別(業態別)で徹底解説します!|平均年収.jp
飲食店開業における防火管理者について知ろう!必要な場合は?資格の取得方法は?| RESTA[レスタ]
日本政策金融公庫の審査は甘いのか?審査落ちする人の特徴を解説 - 創業融資ガイド
飲食店の営業許可はどうしたら取れる?取得の流れと必要な届出について徹底解説 - PayPay
飲食店のFL比率の目標はどれくらいに設定すべき? | 花王プロフェッショナル 飲食店経営と衛生管理を応援する【ご贔屓ナビ】
飲食店経営失敗事例!私は開業時にこれをやらずに失敗しました | 花王プロフェッショナル 飲食店経営と衛生管理を応援する【ご贔屓ナビ】
飲食店経営講座:月間1,000万円売ったらいくらくらいの利益が残るのか? | 花王プロフェッショナル 飲食店経営と衛生管理を応援する【ご贔屓ナビ】
『食品衛生責任者』とはどんな役割? | 食バンクマガジン
飲食店の利益率ってどのくらい?利益率を上げるための具体例を紹介 - 飲食店コンサルティングのコロンブスのたまご
飲食店経営にはFLコストが重要!目安や業態ごとの適正値を解説 – シェアキッチン「CLOCK KITCHEN(クロックキッチン)」
飲食店のFL比率・FLコスト(食材費・人件費)・営業利益率の目標値は?~経営指標解説|CASIO HANJO TOWN
飲食店経営が難しい理由とは? 年収や失敗しないためのノウハウ、準備について解説 | THE OWNER
「防火管理者」とは?資格の取得に必要な手続きと申請までの流れ | 飲食店舗・開業ノウハウ
飲食店開業に必要な【社会保険】の申請手続き | 居抜き物件・貸店舗での飲食店開業|居抜き店舗ABC
飲食店開業に必要な【労働保険】の申請手続き | 居抜き物件・貸店舗での飲食店開業|居抜き店舗ABC
防火管理講習|講習について|防火・防災管理講習|日本防火・防災協会
名古屋市:食品衛生責任者とは(暮らしの情報)
飲食店を開業するための基礎知識 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
飲食店経営は難しい?その理由とやるべき準備や成功のポイントを解説 | マネケル
飲食店経営の平均年収は?年収1000万円以上は可能? | マネケル
2020年度新規開業実態調査|日本政策金融公庫
令和2年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁
飲食店開業資金の相場はいくら?開業の流れも含めて解説! | テンポスフードメディア
ショップ・店舗空間づくり専門サイト | ユニオンテック
飲食店経営に必要な費用はいくら?計算方法と費用削減のポイントを解説 | マネケル
飲食店の人手不足はどうなる!?アルバイト市場動向から見る採用戦略|みんなの採用部

監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

前の記事へ

オーダーエントリーシステムとは?メリットや種類、導入の注意点を解説

次の記事へ

インボイス制度、飲食店は関係ない?経営への影響と必要な対応

関連記事

  • 風営法とは?対象になる飲食店と、違反を防ぐ5つのポイント

    風営法とは?対象になる飲食店と、違反を防ぐ5つのポイント

    経営
  • インボイス制度、飲食店は関係ない?経営への影響と必要な対応

    インボイス制度、飲食店は関係ない?経営への影響と必要な対応

    経営