飲食店経営で注目されるキーワードは? 今後も生き残るための戦略を徹底解説!

ニューノーマル時代と呼ばれる現代では市場環境の変化が加速しており、消費者行動の多様化や顧客ニーズの高度化によって苦境に立たされている飲食店が少なくありません。本記事では近年の飲食業界で注目を集めているキーワードについて解説するとともに、ニューノーマル時代に求められる飲食店経営の在り方を紹介します。

目次

飲食店経営で注目するべきキーワード4選

現代の飲食業界で注目を集めているキーワードとして、「SDGs」「DX」「AIロボット」「ファストカジュアル」の4つが挙げられます。

1. SDGs(持続可能な開発目標)

SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な世界を実現するための国際的な取り組みです。貧困や飢餓の撲滅、自然環境の保護、不平等の是正、クリーンエネルギーの推進など、国際社会の恒久的な安全と平和を目的とする17の目標で構成されています。近年では飲食業界でもSDGsに対する意識が高まっており、大きな注目を集めています。

SDGsへの具体的な取り組み事例として挙げられるのが、プラスチック廃棄物や食品ロスの削減、余剰食材の寄付、地元産食材の積極的な利用、フードシェアリングなどです。たとえば余剰食材の寄付はフードバンクとも呼ばれ、その日の食事さえ満足に取れない方々に対して食料品を無償で提供します。SDGsに対する積極的な取り組みは地域社会への貢献や企業としての社会的責任を果たすことにつながり、顧客やビジネスパートナーから信頼を得られる可能性が高まります。

2. DX(デジタルトランスフォーメーション)

DX(Digital Transformation)とは、デジタル技術の活用によって抜本的な変革をもたらす取り組みの総称です。国内は少子高齢化の進展に伴って生産年齢人口の減少が加速しており、飲食業界でも人材不足が深刻化しているためデジタル技術の活用が重要課題となっています。実際に導入されている技術として挙げられるのがモバイルオーダーやセルフレジ、キャッシュレス決済、予約管理システム、SNS運用などです。

たとえばモバイルオーダーは新しい顧客体験の提供や利便性の向上によって顧客満足度の最大化につながるだけでなく、接客対応の省人化によって人材不足の深刻化を解消する一助となります。また、現代の飲食店経営における重要課題のひとつがデジタルマーケティングの推進です。とくに情報の拡散力とリアルタイム性に優れるSNSの活用は極めて重要であり、商品の販売促進や認知度の拡大を目指す上で必須の取り組みとなります。

3. AIロボット

DXを推進する上で欠かせないデジタル技術としてAIロボットが挙げられます。AIロボットは機械学習や強化学習といったAI技術が搭載されたロボティクスの技術です。すでに製造分野ではロボティクスの積極的な活用が進んでおり、AIやIoTなどと連動した産業用ロボットが大きな注目を集めています。ロボティクスはものづくりの分野だけではなく、受付や警備、清掃、運搬といった分野でも導入が進みつつある技術です。

近年、飲食業界の事業領域でもロボティクスの導入が進んでおり、その代表例がAI搭載の配膳ロボットです。AIロボットが料理やドリンクをトレーに載せて自動で届けるのはもちろん、テーブル案内や下げ膳に対応するソリューションも少なくありません。配膳ロボットはホールスタッフの業務負荷を軽減するだけでなく、非接触の接客サービスによる感染症対策としても機能し、大手チェーン店のみならず個人経営の飲食店でも導入が進みつつあります。

4. ファストカジュアル

ファストカジュアルはファストフードとファミリーレストランの中間に位置する飲食業界の業態区分のひとつです。とくに米国では外食産業の業務形態として非常にポピュラーであり、国内でも食文化の新たなトレンドとして広まりつつあります。ファストカジュアルの特徴として挙げられるのが、新鮮かつ高品質な食材を扱いつつも、スピーディーかつリーズナブルな価格で料理を提供してくれる点です。

ファストフードと比較するとやや高めの価格帯ですが、品質の高い食材や豊富なトッピングメニューが用意されており、作り置きではなくその場で調理した出来たての料理を提供してくれます。ファストフードとファミリーレストランの両方のメリットを持ち合わせるため、幅広い層の消費者から支持を得られる可能性をもつビジネスモデルです。アフターコロナ時代における飲食店の新しい在り方として、多くの飲食店経営者から注目を集めています。

飲食店が今後生き残るために必要なこととは?

もちろん、飲食店で成功するためにはトレンドをしっかりと把握し、その流れに乗ることも重要です。しかし、それだけでは長期的な成功は保証されません。変化のスピードが加速する現代の外食産業のなかで飲食店が生き残るためには、以下に挙げる5つのポイントを意識することもが大切です。

付加価値のある商品やサービスを提供する

飲食店は参入障壁が比較的低い傾向にあるため、いかにして商圏内の競合店と差別化を図るのかが重要な課題です。そのためには競合店にはない独自メニューの開発や接客サービスの品質向上など、自店舗ならではの顧客体験価値を追求しなくてはなりません。メニュー価格の適正化やコストダウンによる原価率の改善なども重要ですが、何よりも優先されるべきは顧客満足度の最大化であり、ホスピタリティを起点とする商品やサービスの提供が求められます。

インバウンド対策を行う

現代はデジタル技術の進歩・発展に伴ってビジネスのグローバル化が加速しており、飲食店においても訪日観光客や外国人顧客の需要を取り込む戦略が欠かせません。とくにアフターコロナ時代となり、入国制限の緩和によって日本を訪れる外国人が増加傾向にあるため、インバウンド対策への取り組みは必須です。中長期的な視点で見ればキャッシュレス決済やWi-Fiの導入は必須といっても過言ではありません。今すぐできる対策としては、メニュー表やポップに英語表記を取り入れたり、番号を振ったりといった工夫が必要です。

テイクアウト・デリバリーをはじめる

2020年4月、緊急事態宣言の発出によって飲食業界は多大な打撃を受けたものの、テイクアウトやデリバリーの需要が急拡大し、中食産業への参入によって収益性の増大を実現した飲食店も少なくありません。コロナ収束以降もテイクアウトやデリバリーを活用したいという消費者の声は多く、新たな収益源を確保するためにも中食ビジネスへの参入を推進すべきです。また、テイクアウトやデリバリーの導入によって多様な顧客ニーズに対応できるため、リピート率の向上と既存顧客のロイヤルカスタマー化が期待できます。

デジタル技術を活用する

先述したように、国内は少子高齢化の進展に伴って人材不足が深刻化しており、多くの産業でDXの実現が重要課題となっています。とくに飲食業界は薄給激務な組織体制の店舗も多く、人材不足や業務の負担過多といった課題を問題視する声も少なくありません。自店舗の経営状況やビジネスモデルに適したソリューションを導入できれば、業務プロセスの効率化・省人化によって労働力不足を解消できるとともに、商圏内における競争力の向上にもつながります。

「食べログ」サービスを活用する

飲食店がニューノーマル時代を生き残るためにはDXの推進が不可欠であり、ITシステムやデジタルチャネルの戦略的な活用が求められます。そこでおすすめしたいのが「食べログ」が提供するサービスやツールを活用する方法です。食べログでは店舗会員登録や発注サービス、モバイルオーダー、予約・顧客管理ツールなどのさまざまなソリューションを提供しており、飲食店のDX推進をサポートします。新しい時代に即した集客の仕組みを構築するためにも、食べログの各種サービスを活用してみてはいかがでしょうか。


食べログ店舗会員

食べログネット予約

食べログオーダー

食べログ仕入れ

まとめ

現代の飲食業界では、「SDGs」「DX」「AIロボット」「ファストカジュアル」という4つのキーワードが大きな注目を集めています。そして飲食店が今後生き残るためには、競合店にはない独自の顧客体験価値を創出しなくてはなりません。そのためには 付加価値の高い商品・サービスの提供やインバウンド対策の実施、テイクアウト・デリバリーの推進、デジタル技術の活用といった施策が必要です。また、SNSやWebサービスといったデジタルチャネルの戦略的活用も重要課題となります。  

参考URL

強化学習とは?仕組みや種類、活用例をわかりやすく解説|AIsmiley
飲食店DXの正体とは?|日経ビジネス
飲食店のインバウンド対策のポイントとは?|カナエルUSEN
飲食店がキャッシュレス決済を導入すべき理由|カナエルUSEN
無人店舗の最前線|@DIME
コロナ禍で注目の新業態・業種とは?|船井総研フードビジネス支援部
テイクアウト事業の立ち上げポイント|船井総研フードビジネス支援部
飲食店がキャッシュレスを導入するメリットとは?|フード業界のミカタ
飲食店がデジタル化で得られるメリット|KOBOT Lab
なぜ飲食店経営は難しいのか?|ナシエル
お店を開く前に必要な飲食店営業許可とは?|食べログオーナー
飲食店経営に役立つ情報発信「食べログオーナーTBノート」|食べログオーナー
非接触注文・決済サービスの導入調査結果発表|PR TIMES
店舗の非接触化とセンサー技術の活用|マツシマメジャテック
飲食店の仕入れを支援する「食べログ仕入れ」|食べログ仕入れ
ニューノーマル時代の飲食店経営とは?|Square(スクエア)
飲食業界のDX化の進め方とは?|THE OWNER
インバウンド対応とDXで進化する飲食店の接客|トレタマガジン
飲食業界のDX事例と成功のポイントとは?|Foodist Media
飲食店がSDGsに取り組む理由とは?|Foodist Media
メニューデジタル化で変わる飲食店経営|メニューくん
飲食店のDXとは?課題・導入メリットを解説|サングローブ株式会社
新型コロナ特設サイト:緊急事態宣言の最新情報|NHK
飲食店のキャッシュレスレジ導入方法|ゼロレジ

監修者:太田 とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL https://toyoshiki-ohta.com

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