モバイルオーダーとは?導入のメリットや費用、事例も解説
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、主に飲食業界においてモバイルオーダーシステムの導入が進んでいます。モバイルオーダーを利用することで店舗と利用客の双方にどのようなメリットがあるのか、また、導入にかかる費用や各機能の紹介などを、具体的な事例とともに紹介します。
モバイルオーダーとは
モバイルオーダーとは、スマートフォンを用いてアプリなどから商品を注文できるサービスのことです。このサービスは近年、主に飲食店業界で広がりを見せています。 通常、飲食店をテイクアウトで利用する際は、電話での事前注文をするか店舗に到着してから注文をして商品の完成を待ち、受け取りを行いますが、モバイルオーダーを使用することで、店舗へ到着する前に注文を完了でき、さらにお店側は調理するタイミングを図ることができるため、利用客の待ち時間とお店側の接客時間を大幅に短縮できることになります。 また、事前にオーダーを取ることができ、計画的に調理を進められることは、あらゆる作業を合理的に進められることになります。また、感染症対策の面でも対面での接客を軽減できることは大きなメリットとなり、モバイルオーダーを導入する飲食店が増加しています。
モバイルオーダーの種類
モバイルオーダーのシステムには、大きく分けて「店内型」と「店外型」の2種類があります。 店内型は、その名の通り店内でのオーダーを想定したシステムです。利用客はスマートフォンから座席に設置された二次元コードを読み取るなどの方法でメニュー注文画面にアクセスし、注文します。この方法により、店員がテーブルを回ってオーダーを取る手間が省け、効率的に業務を運営することが可能です。
一方の店外型は、利用客が来店前にオーダーできるタイプのシステムです。主にテイクアウト注文での利用が想定されており、利用客は店舗にたどり着くまでに注文を終えられるため、商品を受け取るまでの時間を短縮するメリットがあります。
モバイルオーダーにかかる導入費用と料金相場
モバイルオーダーの導入に必要な費用は、設備を新しくそろえる場合、10万円〜20万円が相場と言われています。設備にはタブレットやプリンターといった物理的なものから、POSレジとの連携など、既存のシステムに機能を追加するようなものも必要となるため、どのサービスを導入する場合でも初期費用は少なからずかかります。
また、導入後も、サービスの継続利用には月額費用がかかる場合があります。月ごとにかかる費用の相場は1万〜3万円と言われており、店舗側は導入前に費用対効果をしっかりと検討することが重要です。市場の拡大に伴い、初期費用や月額費用が無料になるサービスも登場していますが、有料のシステムと比較すると使用できる機能が少なくなります。まずは必要な機能を整理し、それを満たしたサービスを選定することが大切です。
モバイルオーダーが注目されている背景
モバイルオーダーが注目されている背景としては、近年の飲食業界における人手不足と採用難の深刻化が挙げられます。現在雇用しているスタッフでいかに効率よく店舗を運営できるかが、経営のカギとなっています。この課題を解決するために注目されているのがモバイルオーダーシステムです。このシステムを導入することで、スタッフの業務負荷を軽減し、効率的な店舗運営を実現することが可能です。 また、モバイルオーダーシステムは利用客のストレスを軽減し、店舗体験の向上を目指す上でも有効な手段です。利用客は自分のペースで注文できるほか、待ち時間の削減にもつながります。
店舗側からみたモバイルオーダー導入のメリット
モバイルオーダーは店舗側にも顧客側にも多くのメリットがあるシステムです。ここでは、まず店舗側が導入することで受けられるメリットについて紹介します。
注文・会計業務の効率化
従来の飲食店における注文受付や会計の際は、店内利用・テイクアウトを問わず、全ての顧客と対面や電話で対応する必要がありました。モバイルオーダーを導入することにより、店員が直接注文を取るプロセスがなくなるため、その分の業務を効率化できます。
また、オンライン決済機能によって、会計時のレジ打ちをする必要もありません。現金決済を併用する場合も、注文受付時の入力作業によって、あらかじめ顧客の利用金額が把握できるため、会計にかかる時間を短縮することが可能です。
客単価の向上
モバイルオーダーの画面上でメニュー表示を演出することで、客単価の向上も期待できます。通常の注文に加えて、トッピングや大盛り、サイドメニューといった追加オーダーを効果的に訴求することが可能です。 利用客は自身の注文したいメニューにあわせて、さらにおいしく楽しむための追加オーダーを選びやすくなります。こうした追加オーダーは通常のメニューよりも利益率を高く設定することが可能な場合が多く、客単価の向上だけでなく利益率の向上にもつながります。
多言語対応
モバイルオーダーシステムのもうひとつの大きなメリットは、多言語対応が可能であることです。これは、特にインバウンド対策として非常に有効な手段となります。 外国人観光客でもメニューの内容を理解できるようになり、注文がスムーズに行えます。また、アレルギー情報や栄養情報など、詳細な情報も母国語で確認できるため、安心して飲食を楽しむことができます。言語の壁を取り除くことで、外国人利用客の顧客満足度向上が期待できます。
非接触型の接客を推進
特にテイクアウト販売に力を入れている店舗においては、モバイルオーダーを導入することで対面での接客機会を商品の受け渡し時のみに削減することが可能です。店員と利用客の接触を最小限に抑えることで、新型コロナウイルスなどの感染リスクを低減することにもつながります。
SNS連携などのマーケティング施策が可能
導入するシステムの種類によっては、SNSとの連携を行うことも可能です。多くの利用客が利用しているSNSと連携することで、店舗からお得な情報やアンケートを配信することが容易になります。このような手法は接客面と広報面の両方において効果的であり、モバイルオーダーを導入するだけで新たなマーケティング施策を生むことができます。
利用客側からみたモバイルオーダー導入のメリット
次に、利用客視点からのモバイルオーダー利用のメリットを紹介します。サービス利用者にとっても、店舗での滞留時間の短縮という大きな恩恵を受けられるほか、モバイルオーダーならではの利点もあります。
オンライン決済への対応
モバイルオーダーシステムは、クレジットカード、二次元バーコード、電子マネー決済など、さまざまなオンライン決済に対応することが可能です。これにより、利用客は現金を使うことなくスムーズかつ安全にシステム上で支払いを完了できるようになります。また、オンライン決済はレジでの待ち時間を大幅に削減するため、顧客満足度の向上にもつながります。
ポイント付与による割引利用
モバイルオーダーシステムにポイント特典サービスを紐付けることで、利用客にリピート利用を訴求することが可能です。ポイントを次回以降の割引に利用できるようにすることで、利用者にとって大きなメリットが生まれます。 このようなポイント特典サービスはアプリ内で一元管理できるため、従来の物理的なスタンプカードで運用する必要がありません。カードを紛失するリスクがなく、ポイントの確認や使用もシステム上でスムーズに行うことができる点がメリットです。
待ち時間の短縮
店外型のモバイルオーダーでテイクアウト商品を注文する場合、店舗に到着する前に注文を済ませることができるため、店舗で会計待ちの列に並ぶ必要がありません。また、店内で飲食をする場合も、店内型のシステムを使用することでテーブルから決済を完了させることが可能です。どちらの場合においても時間を節減できるため、大きなメリットをもたらします。
時間指定での注文
テイクアウトを利用する場合において、店舗によっては任意の時間を指定して商品を受け取ることもできるのも、モバイルオーダーのメリットです。利用者は、好きな時に注文して指定の時間に取りに行けるため、隙間時間を有効に活用できるようになります。
モバイルオーダー導入の注意点やデメリット
モバイルオーダーにはさまざまなメリットがある一方で、導入前に気を付けておくべきデメリットもあります。
店内飲食とテイクアウトの注文を同一の厨房で受ける場合がほとんどですので、注文が増えた時にオペレーションが乱れてしまう可能性があります。その原因は、店内飲食とテイクアウトでの待ってもらえる時間が全く違うことが大きな要因で混乱を招きます。それぞれの特性を把握して準備することが大事です。
また、システムによっては月額の利用料金がかかるものもあり、長期間にわたって継続利用する場合はそれなりのランニングコストがかかってしまいます。コストに見合った対価を得られるかどうかを検討することが重要です。 システムを利用する顧客に対しても気を配る必要があります。スマートフォンが普及しているとはいえ、端末の操作に不慣れな人が多いため、必要に応じて操作方法の速やかな案内やマニュアルの整備は欠かせません。
モバイルオーダー導入企業5選
ここからは、すでにモバイルオーダーを導入している事例を紹介します。全国展開している大手の飲食チェーンでは、比較的早い段階から導入が進んでおり、自社アプリと連携するなど、注文の導線づくりも迅速に行われました。
ファストフードチェーンA社
ファストフード店を全国に展開しているA社では、モバイルオーダーが2019年から導入されています。店舗到着前に注文することができ、店舗到着時に受け取りボタンを押せば、待ち時間を短縮して商品を受け取ることが可能です。 また、ドライブスルー対応の店舗でも車内でアプリを操作するだけで注文から受け取りまでを済ませられます。サービス開始当初はアプリから会員登録をしないとモバイルオーダーを利用できませんでしたが、現在は公式サイトから会員登録なしで注文することも可能です。
うどんチェーンB社
うどんの全国チェーンであるB社は、もともと店内飲食のみの業態でしたが、2020年より一部店舗からテイクアウト商品の提供を開始しました。2021年2月には多くの店舗でモバイルオーダーシステムが導入されています。現在位置情報から最寄りの店舗を検索できるなど、出先や隙間時間でもテイクアウト注文をしやすい導線が整えられています。
牛丼チェーンC社
牛丼チェーンのC社では、2019年7月より一部店舗にてモバイルオーダーサービスが開始され、 ほぼ全店舗にまで拡大されています。公式アプリを使用することで注文から会計をスマートフォンのみで行うことが可能です。また、アプリ上で商品をお気に入り登録することで、次回以降の注文がより簡単になる便利な機能もあります。
コーヒーチェーンD社
全国コーヒーチェーンのD社では、2020年より事前注文の「モバイルオーダー&ペイ」サービスを開始しました。従来、ドリンクのカスタマイズは口頭で伝える必要がありましたが、モバイルオーダーによって店頭と同様の注文ができるようになったことで、カスタマイズされたドリンクの注文件数が対面注文に比べて約3倍にまで増加しています。
ピザチェーンE社
宅配ピザチェーンのE社では、業界の中でも早い時期からテイクアウト事業に力を入れてきました。スマートフォン用のアプリやブラウザー経由での注文が可能です。 店頭受け取りを利用することで宅配よりも割引になるキャンペーンを頻繁に行っており、モバイルオーダー利用によってさまざまな特典も受けられます。
「食べログオーダー」で効率的な店舗運営と売上アップ!
これまでモバイルオーダーシステムを導入したことのない飲食店に最適なサービスが食べログオーダーです。 食べログオーダーの大きな特長として、使いやすい画面設計が挙げられます。これまで「食べログ」アプリで培ってきた知見を生かしたUIにより、利用客はメニュー閲覧から注文、会計までの操作をスムーズに行えます。 飲食店のニーズに特化した機能も充実しています。編集画面からメニューを手軽に更新できる機能や、店舗の魅力を伝える機能などもあります。 導入から運用に至るまで、サポートチームによる支援が受けられるため、これまでモバイルオーダーを導入したことがない店舗でも安心して導入できます。
まとめ
スマートフォンやタブレットを用いて商品を注文できるモバイルオーダーは、飲食店を中心に導入が進められています。大きく分けて店内型と店外型があるほか、それぞれのサービスによって多岐にわたる機能が用意されています。
「食べログオーダー」は店内型のモバイルオーダーシステムです。顧客のスマートフォンから注文された内容が自動で出力される機能により、店舗側における機械的な工数や、多忙による機会損失の減少が期待できます。オンラインでのテーブル決済にも対応しているため、ニーズによって会計方法の使い分けも可能です。豊富な機能と手厚いサポートが受けられる「食べログオーダー」の導入を検討してはいかがでしょうか。
参考文献
モバイルオーダーシステム&スマホ注文アプリおすすめ26社比較|種類別の選び方・メリット・費用|OREND(オレンド)
【比較13選】モバイルオーダーシステムとは?非接触の注文を可能にするシステムを紹介|QEEE(キウイ)|INTLOOP株式会社(イントループ株式会社)
食べログオーダー|食べログ|株式会社カカクコム
注文システム・アプリ比較20選|スマホ・iPadでおすすめ飲食店オーダー管理・モバイル注文ツール|OREND(オレンド)
QRオーダーシステム&コード注文比較20選|無料おすすめ・スマホで非接触セルフ決済導入メリット|OREND(オレンド)
おすすめのモバイルオーダー比較18選!費用相場や選び方もまとめて解説|コンペルLIBRALY|株式会社ジャパンプ
モバイルオーダー導入の効果とは?注目されている理由や利用方法|Okage
モバイルオーダーとは?メリットと導入店舗について解説|ペイサポ|三井住友カード株式会社
キャッシュレス・ロードマップ2022
タップ&オーダーでつくる最高の接客 Vol.03|Tap&Order|株式会社イグレック
モバイルオーダーとは?店舗側と利用者側に分けてメリットとデメリットをご紹介!|KitchenBASE
モバイルオーダーシステム|店舗の導入方法、費用、失敗しないポイント|LINE for Business|LINE株式会社
カンタンだ!モバイルオーダー|マクドナルド公式
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監修者:太田とよしき
プロフィール | 株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。 |
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