急増中のミクストランとは? 飲食店×異業種の新たなカタチ

2023年8月17日 15:00

開業

近年、コインランドリー×カフェ、美容室×カフェ、ジム×レストランといった、飲食店×異業種という新たなスタイルのお店「ミクストラン(複合型飲食店)」が増加傾向にあります。この記事では、ミストランが増えている理由について解説するとともに、成功を収めているミストランの一例を紹介します。

ミクストランとは?
ミクストランが増えている理由
- 利便性が高い
- 新たなコミュニティができる
ミクストランで集客効果が期待できる
ミクストランを開業するポイント
ミクストランの実例
まとめ

ミクストランとは?

ミクストランとは、「ミックス」と「レストラン」を組み合わせた造語で、飲食店とほかの業種が合わさった「複合型飲食店」のことです。ミクストランは従来の飲食店とは異なり、訪れるお客様にプラスアルファな体験やサービスを提供できるお店として、近年、さまざまな異業種と合わさったミクストランが首都圏を中心に増加傾向にあります。

ミクストランが増えている理由

ミクストランが増加傾向にあるのは、以下のようなお客様のニーズにマッチしたお店という点が大きいと考えられます。

利便性が高い

ミクストランの魅力のひとつに、利便性の高さがあります。従来の飲食店では、注文してから料理や飲み物が届くまでただ待つことしかできませんでした。しかし、ミクストランならひとつの店舗で2つのことができるため、時間を有効活用できます。たとえば、書店×カフェのお店なら待ち時間に好きな本を選べますし、コインランドリー×カフェのミクストランなら、洗濯をしながらカフェタイムが楽しめます。このようにムダな時間が省けるミクストランは、毎日を忙しく過ごしている現代人にぴったりフィットするお店と言えます。

新たなコミュニティができる

2つの業界が組み合わさったミクストランは、新たなコミュニティが生まれる可能性を秘めた場所です。たとえば、書店×カフェのお店では本好きの方が集まりやすく、新たなアイデアの創出や交流の輪を広げるきっかけになります。

ミクストランで集客効果が期待できる

前述したミクストランの利便性の高さや新たなコミュニティの形は、お客様だけのメリットではありません。店舗側にとっても集客効果や顧客満足度向上が見込めます。ほかにもミクストランは異業種が併設されている珍しさから、一般的なレストランやカフェと差別化が図れます。また、併設された異業種を目的に来店するお客様もいるため、飲食店のみでは獲得できなかった新規顧客の獲得も期待できます。

さらなる集客を求めるなら、店舗の知名度を上げることも大切です。たとえば、日本最大級の「食べログ」に店舗情報を載せれば、多くのお客様にお店のことを知ってもらえます。特に「食べログ」は、無料でお店のコンセプトや営業時間、メニューなど、さまざまな店舗情報を掲載できます。気になる方は、以下のページをチェックしてみてください。

ミクストランを開業するポイント

ミクストランを開業するにあたり、まず気を付けるべきことは営業許可です。飲食店だけではなく複数の業種を経営するので、通常よりも多くの許可が必要になります。また、設備や構造にも気を付けましょう。電源の確保や防音性、備品など、複数の業態でも対応できるように事前に確認しておく必要があります。

ミクストランの実例

現在、さまざまなミクストランが人気を集めています。ここからは成功を収めている、今注目のミクストランを5つ紹介します。

コインランドリー×カフェ

コインランドリーとカフェが合わさったミクストランでは、コインランドリーで洗濯している間、カフェでドリンクや食事が楽しめます。また、コインランドリー以外に、クリーニングや洗濯からたたむまでのすべての工程を行ってくれる洗濯代行サービスを展開しているところもあります。どのお店も生活を豊かにサポートしてくれる場所として、仕事や子育て、介護などで日々忙しい方から支持を集めています。

美容室×カフェ

美容室とカフェを融合したミクストランも人気です。美容室には予約時間よりも早く来るお客様もいれば、予約時間ちょうどに来ても前の人の施術が終わらず、待たされるお客様もいます。しかし、カフェスペースがある美容室なら、お茶を楽しみながら施術を待ってもらえます。また、美容室では家族や恋人と一緒に来店する方も珍しくありません。そんなときもカフェスペースがあることで、施術が終わるまでゆっくりしてもらえます。さらに初めて行く美容室はやや緊張するものですが、カフェとして行くことでそのハードルを下げられます。ほかにも、従来の美容室にはないカフェスペースでは、美容に関係するワークショップやイベントなどが自由に開けるため、お店のコンセプトに共感するリピーターの獲得につながります。

書店×カフェ

書店とカフェの組み合わせは「ブックカフェ」とも呼ばれ、ミクストランの先駆けとも言える存在です。ブックカフェは店舗によってサービス内容が異なりますが、共通して言えることは、おいしいドリンクや軽食を楽しみつつ、好きな本が読めるところです。また、本好きが集まる場所のため、ブックカフェはコミュニティの場としても人気があります。最近では絵本、写真集、古本など、ひとつのジャンルに特化したお店も増えており、ブックカフェの細分化が進んでいます。

ジム×レストラン

ジムとレストランのミクストランは、健康を気遣う方にとって魅力的なお店です。ここでは、管理栄養士などが考案した体づくりに適したメニューを提供しており、ジムの前後に体に最も合う食事がスムーズに摂れます。また、テイクアウトもしているため、「健康のためにどんな食事をしたらいいのかわからない」というダイエット初心者や健康が気になる世代からも支持を集めています。なかにはレストランをきっかけにジムに入会した人もいて、顧客獲得に成功しています。

陶芸×レストラン

陶芸とレストランが一緒になったミクストランは、工房や陶芸教室、ミニギャラリー、販売所などが併設したレストランです。提供される料理の器にその工房の陶芸が使われているため、食事と同時に趣味が楽しめるのが魅力です。また、陶芸好きが集まる交流の場としても人気です。

まとめ

飲食店と他業種をかけ合わせたミクストランは、忙しい現代人のライフスタイルに合った次世代を感じるビジネスモデルです。その魅力は飲食を楽しむだけだった飲食店が、新たな体験や価値をお客様に提供できる点にあります。また、経営者にとっても異業種を併設させることで他店との差別化が図れ、新規顧客の獲得など集客効果が見込めます。飲食業界に参入を考えている方、飲食店の形態を検討中の方は、ぜひ、「ミクストラン」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

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