飲食店の看板で集客アップ! 繁盛する看板の特徴と注意点

飲食店を繁盛させるには、集客ツールが欠かせません。この記事ではそうしたツールのうち「看板」にスポットを当て、どのような種類があるのかを解説します。 また看板を作る際には、デザインのコツや注意点も押さえておく必要があります。集客力を上げたい、売上改善をしたいといった課題をお持ちであれば、ぜひ参考にしてみてください。

目次

飲食店における看板の重要性

街を歩いていると、さまざまなお店の看板が目に付きます。看板を見てお店に興味を覚え、入店することがあるかも知れません。飲食店においても、看板は集客をするために必要不可欠なツールのひとつです。どれほど美味しい料理を安価に提供していたとしても、看板がなければお客様に気付いてもらえず、お店に入ってもらえません。

つまり看板には、「ここにこういうお店がある」と認知を促すとともに、「このお店に入りたい」という気持ちにさせ、販促につなげる役割があるわけです。こうした役割をしっかり認識した上でデザインし、作ることが大切となります。

飲食店で導入される看板の主な種類

ここでは飲食店でよく使われている看板のうち、代表的なものを6つ紹介します。それぞれの特徴を確認しながら、自店舗ではどれが適しているのか、参考にしてみてください。

ファサード看板

「ファサード看板」は、お店に向かって正面の入り口上部に掲げられる看板を指します。もともと、ヨーロッパで建物の正面部分の姿を「ファサード」と呼んでいたことから名付けられました。一般的に、お店では入り口付近に視線が集まりやすいため、お店の顔として存在感を示せるのがメリットです。看板の素材や形状、フォントなどを工夫すると、お店のイメージや雰囲気をよりアピールできます。

壁面看板

「壁面看板」はその名のとおり、お店の壁面に設置する看板のことです。お店が入るビルの形状や条件によっては、ファサード看板を設置できないことがあります。その場合はお店のさまざまな情報をアピールするのに、壁面看板を活用するのもひとつの方法です。もちろん、ファサード看板と併せて壁面看板も設置すると、より広告効果が高まります。

使える壁面の広さにもよりますが、パネル式かつ外照式のもの、パネル式で外照なしのもの、箱型で内側に照明を入れた内照式のものなどが一般的です。

袖看板(突き出し看板)

「袖看板」とは、お店の壁面から突き出す形で設置する看板を指します。とくに繁華街など建物が密集している場所では、ファサード看板はもちろん、壁面のスペースも充分に取れません。そうした不利な条件下でも、袖看板を建物の壁や支柱に設置することで、お客様の目に留まりやすくなります。 暗い夜でもアピールできるように、内照式になっているものもあります。お店の立地状況を確認した上で、目立つように袖看板を採用するのもおすすめです。

ウィンドウ看板(ウィンドウサイン)

「ウィンドウ看板」はウィンドウサインとも呼ばれ、お店の窓に施工するのが特徴です。お店のアピールポイントを広告として出せるほか、装飾や目隠しといった用途でも活用されています。

大がかりな工事をせずとも、カッティングシートやポスター、ガラスフィルムといった比較的簡単な方法で作成できるのも、ウィンドウ看板のメリットです。壁面を使えない場合はもちろん、ほかの看板と組み合わせると、より集客や広告の効果を上げられます。

スタンド看板

「スタンド看板」は、直接地面に立てるタイプの看板です。日替わりのおすすめメニューなど、比較的細かな情報をアピールできます。建物とは別に立てて設置できるため、日によって入り口近くに置いたり移動させたりと、設置場所の自由度の高さが魅力です。

スタンド単体でも視認性は高いものの、ファサード看板や壁面看板と併せるとより認知されやすくなり、集客効果も期待できます。雑居ビルに入るのであれば、何個置けるのか、どこに置けるのかなどを事前に確認しておくのも重要です。路面店でも、出店場所により店頭に置けるのかなど制約があるので、こちらも確認が必要です。

のれん

「のれん」は古くからあるもので、お店の入り口上部から垂らす布製の看板です。単にお店の情報を宣伝できるだけではありません。ウィンドウ看板と同様に、店内の目隠しや仕切りといった役割も果たしてくれるのがのれんのメリットです。とくに和の雰囲気のお店なら、現代風のシンプルなのれんがあると外観がおしゃれになり、引き締まったイメージになります。

繁盛するお店の看板の特徴・ポイント

飲食店を開くにあたって看板の重要性を理解していても、どのような看板にすればよいのかを考えると、ついつい迷いがちです。ここでは、目に留まりやすく集客効果の高い看板の特徴やポイントを解説します。

視認性が高い

先に述べたように、看板の役割は認知と集客にほかなりません。そのため、道を歩いている人にお店の存在を知ってもらえるかどうかがキーポイントになります。

ただ気付いてもらえるだけではなく、文字の大きさや読みやすさも重要です。もし看板が見えにくい場所に設置されていたり、読みにくいフォントを採用していたりすると、本来の目的を遂げられなくなってしまいます。実際にお店を外側から見て、どの場所が見やすいかをチェックしておくのがおすすめです。

お店のコンセプトが伝わる

看板を出すと、それがお店の「顔」になります。そのため、どのようなお店なのかが一目でわかるかどうかも大切なポイントです。

飲食店なら、和食なのかフレンチなのか、あるいはカフェなのかといった、ジャンルや業態がイメージできるデザインになっているか、確認してみましょう。来店してほしいターゲットに合わせて、フォントや色味などを検討するのも重要です。 また、壁面看板やスタンド看板などでメニューを載せる場合は、価格もふくめて内容が正しいかどうかもチェックします。

入店のしやすさを感じられる

看板は、現在の営業状態を示す際にも有効です。夕方、あたりが暗くなったとしても、内照式の看板に電気が付いていれば営業していることがわかります。看板だけではなく、お店の入り口付近も明るい状態になっていれば、心理的にも入りやすくなるため、集客力を上げられます。

グルメサイトやSNSなどでの情報発信とセットで看板を工夫することにより、初めてのお客様でも入店しやすい雰囲気を演出することが可能です。


伝える情報をシンプルにする

飲食店の看板を作成する際、あれもこれもとアピールしたいことを詰め込みすぎがちですが、それでは結局何を伝えたいのかがわからず、逆効果になりかねません。

お店のことを認知してもらい、入店してもらえるようにするためには、お客様の立場から看板の内容をすぐ理解できるかどうかも大切です。そのため、看板には伝えたい情報をできるだけシンプルにまとめます。

ファサード看板とスタンド看板、といったように複数の看板を活用する場合は、それぞれのテイストやデザインを合わせることはもちろん、掲載情報がちぐはぐにならないようにも気を付けましょう。

周りの店舗や景色と同化させない

看板のデザインは、周辺の店舗や景色に埋もれてしまわないように、差別化を図れるかどうかも見過ごせないポイントです。たとえば、フォントの大きさや種類を変えてみたり、カラーをお店のコンセプトに合わせ、暖色系や寒色系を使い分けたりすれば、イメージががらりと変わるケースもあります。

どうすれば遠くにいるお客様にも目に留めてもらいやすくなるか、入ってもらいやすくなるかを考え、視覚効果も活用して、目立たせることが大切です。

状況に応じて内容を変えられるようにする

入り口の上部に掲げるファサード看板は、店名や何のレストランなのかなど、ごく限られた基本的な情報を載せることが一般的です。ただ、壁面看板やスタンド看板などでメニューを掲載するなら、内容を差し替えやすくする必要があります。特に、価格などを記載する場合は注意が必要です。

さらに、ランチとディナーでメニューを変えたり、日替わりメニューを提供したりする場合、差し替えは毎日行わなければなりません。季節や時期に合わせたお料理を出す場合も、変更を想定した上で、どのような看板にするのかを考えます。 パソコンで打ち出すだけではなく、手書きで看板に書けるようにしておくのもよい方法です。温かみが生まれ、集客にもプラスの効果を期待できます。

店舗情報を効果的に正しく伝えられる「食べログ店舗会員」

これまで飲食店の看板といえば、お店の入り口や周辺にいる人だけが訴求の対象でした。しかし、まだその場に足を運んだことがない人へも看板やお店の外観をビジュアルで発信できれば、より集客効果を高められます。

そこでおすすめなのが「食べログ店舗会員」の活用です。「食べログ」は日本最大級のグルメサイトで、飲食店側として「店舗会員」に登録すると、お店の看板や外観、内装の写真、提供メニュー、営業時間、定休日など、さまざまな情報を掲載可能です。会員になると、店舗側からしか情報を編集できないため、正しい情報発信ができるのも魅力です。

看板のみならず、このようなWebサイトも活用し、多くの人に知ってもらえる機会をぜひ設けてみましょう。


飲食店の看板における法律や規則、知っておくべき点は?

最後に、飲食店で看板を作るときに必ず確認しておきたい重要なポイントを2つ紹介します。作った後に知らなかったでは済まされず、修正や撤去などのトラブルになりかねません。不明点があれば専門家にも相談しつつ、しっかり確認しておきましょう。

屋外広告物条例を守る

看板はいわゆる屋外広告物にあたり、公道にはみ出していればもちろん、敷地内であってもルールを守らず安易に設置することで、大事故につながるおそれがあります。 そのため、地方公共団体(都道府県、政令市、中核市、景観行政団体である政令市及び中核市以外の市町村)は、屋外広告物法に基づいて独自に条例を定めていることがあり、注意が必要です。

もし屋外広告物設置の禁止区域として明示されていれば、看板類を思うように出せないこともあります。事前にお店がある市のホームページを見たり、問い合わせをしたりして、使用できる看板の種類を確かめておく必要があります。申請を出し、条件が合えば手数料などを払い、設置できるケースもあるため、看板の設置が難しそうだと思っても確認してみましょう。

看板の使用料を確認する

ビルのテナントとして飲食店を開業する場合、看板を出すには「看板料」を別途支払わなければならないのが一般的です。料金は立地や大きさなどによってもまちまちのため、入居前の検討段階で、あらかじめ不動産会社やオーナーへ確認しましょう。

まとめ

街を歩けば多くの飲食店があり、それぞれの看板にはさまざまな工夫が見られます。まず取りかかるべきなのは、ファサード看板をはじめ、壁面看板や袖看板、スタンド看板などの中から、最適な看板を選ぶことです。さらに、コンセプトが伝わり、目立ちやすいようなデザインを考えることも大切です。看板は認知と集客、2つの効果をもたらしてくれる重要な広告ツールであるとしっかり認識したうえで、魅力ある看板を作り、集客力をアップしていきましょう。

参考URL

飲食店開業「繁盛」する看板としない看板。客を呼び込む一枚とは?|開店ポータルBiz
繁盛する飲食店の看板に共通する5つの特徴とは?看板の役割から許可を取る方法まで|Food's Route Magazine
ファサード看板の特徴と役割とは|店舗装飾ナビ
壁面看板とは?その種類や工法、タイプなどをまとめました。|北堀江看板BLOG
袖看板(突き出し看板)とは?どんな素材と種類があって、いくらくらいで設置できるか?|北堀江看板BLOG
ウィンドウサインの効果や業種別利用方法など丸わかりまとめ!|看板のサインシティ
スタンド看板とは?概要から使い方を解説|サインパートナー
目立つ看板で飲食店をアピールするコツ|看板の種類ごとの特長も紹介|マネケル
店舗におけるのれんの役割|USENの開業支援サイト|canaeru(カナエル)
【飲食店編】人を引きつける看板デザインのコツとポイント 目立つだけが全てではありません! |株式会社TO|名古屋の建築デザイン設計事務所
繁盛間違いなし!? 飲食店の看板で集客効果を上げるコツ|宮城・仙台のガラスフィルムと看板製作なら株式会社タクト
集客には看板が一番!集客率を高めるコツやリピーターに転身させる方法|マネケル
視覚効果の高い看板作成に必要な良いデザインとは|【格安】プロの看板屋が税込16,500円~製作・制作します|看板110番
看板メニューつくっただけで満足してませんか?手書きで“おいしさ”伝える、飲食店販促専門の手書きストア|MEDIY
飲食店看板デザインのコツ!役割・種類・おしゃれな施工事例・工事費用 – 店舗デザイン・店舗設計から内装工事までワンストップで対応|IDEAL
飲食店の外看板を作るときの5つのポイントと注意点を紹介|飲食店なんでもスクエア
景観:屋外広告物制度の概要|国土交通省

監修者:原島 純一

プロフィール

株式会社STAYDREAMの代表。株式会社すかいらーくにて店舗マネジメント、従業員教育などを担当。また、フロアーの新フォーメーションの構築や、新メニュー開発などを経験。2006年にビジネスコーチ、コンサルタントして独立。2008年中小企業診断士の資格を取得。現在は、全国の飲食店の新規開業から、既存店の立て直しなどの支援を実施している。また、「わかりやすい言葉で伝え、明日から実践できる」をテーマに、全国でセミナー講師活動も実施中。

サイトURL

https://c-staydream.com/

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