雨の日でも飲食店が集客できる方法とは

雨の日は濡れたくないという理由から、つい家で食事を済ませる人も少なくありません。しかし、飲食店側からすると、雨のために客足が落ちることは避けたいでしょう。そこでこの記事では、雨の日でも集客できる方法や、お店側で工夫したいポイントについて解説します。雨の日対策で苦戦している飲食店経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

雨の日に客足が遠のく理由とは

雨の日に客足が遠のく理由は3つ挙げられます。まず、濡れたくないという顧客心理です。特に店舗まで歩く距離が長い場合、道中で靴や衣服が濡れる可能性が高くなり、店へ向かおうという気持ちは弱くなるでしょう。

2つ目は、傘が邪魔になってしまうためです。特に長い傘の場合、開いたり閉じたりするだけで手間がかかり、そのたびに水滴が衣服やバッグにもかかってしまいます。また傘が荷物になることや、置忘れのリスクもあるため、自然とお店から足が遠のきます。

3つ目は、出かける気になりにくいことが考えられます。雨の日にわざわざ飲食店へ行かなくても、自炊で済ませられたり、最近ではUber Eats をはじめとするデリバリーサービスも充実していたりします。 このような理由から、雨の日は自然と客足が遠のいてしまいます。

雨の日でも外食する顧客の行動心理

では、逆に雨の日でも外食しようと思う心理にはどのようなものがあるのでしょうか。

食べたいメニューがある

人間には気分というものがあります。たとえ雨でも「どうしても今日このメニューを食べたい」と思うときはあるでしょう。また、普段なら行列ができて、なかなかスムーズには入れない人気店の場合、雨の日なら空いていて待たずに入れるかもしれないなどと考えて店へ向かうことが想定されます。

他にすることがなく、時間を持て余す

雨が降っていてレジャーなどの遠出ができない場合、せっかくだからご飯ぐらいは外食にしようという心理が働くこともあります。特にファミリーの場合は、一日中ずっと家にいると子どもが飽きてしまうため、外食を選ぶことはあるでしょう。

料理を作りたくない

家に食材のストックがない場合、雨のなかスーパーなどへ買い出しに行かなくてはなりません。外から帰ってきて食事の支度をするのが億劫に感じられる人もいるでしょう。そういう場合、雨でも外食に行ったほうが楽と考えることもあります。

予約してしまっていたので行かざるを得ない

友人などと以前から食事の約束をしていた場合、雨が降っているだけでキャンセルしようとはなりにくいでしょう。たとえばそのお店が予約の取りづらい人気店などであった場合はなおさらです。

雨の日の特典を期待する

雨の日限定の特典を付けている飲食店もあります。それを狙ってあえて雨の日にお店に行く人もいるでしょう。ランチのお会計から値引きされる、次回来店時にドリンク1杯サービスされる、雨の日だけ登場する限定メニューがあるなど、他店との差別化を意識した特典があれば、店へ行く可能性が高まります。

店舗が雨の日にやるべきこととは

続いては、店舗側が雨の日にやるべき対策を解説します。きちんとやるべきことをやれば集客にもつながるので、ぜひ実践してみましょう。

雨の日限定サービスを作っておく

雨の日に来店してくれたお客様に対して、なにか特典をつけると集客につながります。ただし値下げだけでは、その場限りの顧客満足度の向上にはつながったとしても、再度来店してもらうまでの効果は生まれません。

どのような内容が特典として適しているのか、十分に考える必要があります。また、雨の日限定の特典があることをSNS等で積極的に発信することも重要です。情報を発信しないと実際来店した人にしか特典が認知されず、効果が薄くなってしまいます。事前にしっかり発信してフォロワーに周知することが大切です。 特典の具体例として考えられるのは、以下のとおりです。

<特典内容1> 雨の日の当日に使える特典で感謝を伝える。 大盛りサービスやトッピング、デザートのサービスなどちょっとした感謝をその日のうちに伝えることも大切です。客単価の高いお店に限ってしまいますが、濡れた服を拭くためのハンドタオルをプレゼントするといった料理以外の特典も喜ばれます。

<特典内容2> 次回の来店で特典が受けられるもの。 再来店を促すためにランチで使える割引券やディナータイムで使えるクーポンを渡すのも有効です。

<特典内容3> 雨の日だけの限定メニューや、雨が続く梅雨の期間中だけ食べられる特別なコース。 たとえば、お店の特別メニューをコースに入れたり、梅雨の時期に食べたくなるさっぱりしたメニューを提供したりなど、ひと味違った工夫をすることで多くの来店客が見込めます。

雨の日でも入りやすい店づくり

雨の日でも入りやすいお店づくりを心がけることも大切です。せっかく雨の中来店したにもかかわらず店内の印象や接客が悪いと、また来たいという気持ちにはなりません。具体的には以下のことに注意するとよいでしょう。

タオルや傘立てを準備

おしぼりを置くのは飲食店として当然ですが、雨の日にはプラスして入店時にタオルを差し出すのもホスピタリティとしてよいでしょう。傘立ては入口に置くだけだと、取り違えや盗難リスクがあるため、預けたくないお客様もいるかもしれません。そういったトラブルが起こらないよう、お店側で席ごとに預かれるような仕組みを作っておくのもおすすめです。

濡れた床をこまめに拭く

入り口にマットを敷くことに加えて、店内の床が濡れていないかをチェックし、こまめに拭くことも大切です。雨の日は滑りやすいので、ヒールなど高さがある靴を履いたお客様が転倒してしまう恐れもあります。きちんと水を拭いておくことで事故の防止にもつながります。

店内の温度・湿度を快適に保つ

雨の日は湿度が高く、お店に来るまでの道のりで不快と感じることも少なからずあります。せっかく入店したのにお店までジメジメしていたのでは、楽しく食事もできません。秋冬の季節には雨で身体が冷えてしまう場合もあるので、少し温度を高めに設定する気遣いも重要です。空調は常に適切な温度管理をできるようにしておきましょう。

落ち着いたBGM

雨の日に合うしっとりと落ち着いたBGMをチョイスすることで、リラックスできる空間が作れます。昼と夜で選曲を変えるのもよいでしょう。

いつも以上に接客に力を入れる

雨の中、せっかく足を運んでくれたお客様に対する接客は、いつも以上に力を入れることが大切です。「雨の中、ご来店ありがとうございます」といった一声をかけるだけでも、印象はグンとよくなります。加えて、雨の中わざわざ来店してくれた理由をそれとなく聞き、そこから会話を盛り上げるのもよいでしょう。近くに住んでいる、会社が近い、といったお客様であれば、雨の日でもリピートしてくれる確率は高くなります。 もちろん声かけだけでなく、前述した雨の日の特典なども積極的に活用することで、次回の来店につながります。

雨の日の集客対策のポイントとは?

ここからは、雨の日の集客対策におけるポイントを解説します。しっかりと押さえておくことで、雨の日だから客足が落ちてしまうといった悩みも解消可能です。

雨の日とする基準を作っておく

雨の日限定の特典やサービスを適用する場合、具体的に「雨の日」の基準をどこにおくかが問題なります。小雨だったり、降ったりやんだりを繰り返したりする天気の場合、お店もお客様も判断に困ってしまいます。 営業時間中、一度でも雨が降れば特典対象とするなどお客様が有利な条件で判断し、寛容なサービス精神のあるお店として認知してもらうべきでしょう。 『今日は雨の日サービスを実施します』という決定をHPやSNSで告知するのも有効で、お客様が今日はサービスになるのかどうかはっきりとわかるようにすることが大切です。

雨の日のサービスマニュアルを作っておく

雨の日に従業員がやることのマニュアルを作っておくことも重要です。雨の日にたまたまシフトへ入った従業員だけが対応できるようにするのではなく、すべての従業員が均一の対応をできるようにしておくことが大切です。具体的には以下の項目をチェックしましょう。

傘立ての準備

雨が降りそうな段階で早めに準備しましょう。盗難や取り違いのトラブルが起きないよう、お店のレジ奥で席ごとに管理できるのがベストです。

雨の日の挨拶

「雨の中ご来店ありがとうございます」など、退店時などに掛ける言葉を事前に決めておきましょう。

雨の日サービスの説明

雨の日限定のサービスや特典、メニューなどがあれば従業員全員が接客時に説明できるよう、必ず各々が持ち場に入る前に確認させましょう。

床の清掃

床の清掃はこまめにやるようにしましょう。その日の何時に誰が拭き掃除を担当するかなど、従業員間できちんと決めておくと、たとえ忙しくなったときでも拭き忘れが防止できます。

雨の日限定のサービスを行っていることの周知・アピール

雨の日限定のサービスを行っていても、それを周知しないことには始まりません。事前に雨の日サービスを行っていることがわかれば、特典を目当てに訪れるお客様も出てくるはずです。 まずは、お店のSNSなどで発信してみましょう。雨の日だけでなく、できればコンスタントに投稿して、フォロワー数を増やしておくのがおすすめです。

また、SNSの発信とあわせてお店の看板でも雨の日の限定サービスをしていることを告知するとよいでしょう。通りがかった人が、その特典を目当てで入店してくれる可能性も高まります。 さらに、実際に来店してくれたお客様からの口コミがさらなる集客にもつながるので、口コミを書いてもらえる工夫をすることも必要でしょう。

まとめ

雨の日は外食するのが億劫になるものです。現在はデリバリーサービスを利用する人も少なくないでしょう。そういったユーザーに向けて、雨の日でも飲食店を利用してもらえるように、最大限工夫することが求められます。

今回紹介したような雨の日だけの特典をつけたり、普段よりも一層接客サービスに力を入れたりすることで、お店に足を運んでもらいやすくなり、リピーターの増加にもつながります。また、雨の日の集客対策のひとつとして、食べログ店舗会員に登録するのもおすすめです。

認知度の向上のほか、クーポン発行機能もあるため、雨の日の特典も付けやすくなります。SNSなどもうまく活用しながら、雨の日でも集客できるお店づくりを目指してみてはいかがでしょうか。


参考URL

店舗経営者必見!雨の日に来店客を増やす方法|USENの開業支援サイト|canaeru(カナエル)
飲食店が雨の日にすべきサービスを場面・種類から解説|CAROT(キャロット)
雨の日こそ集客UPのチャンス!?飲食店の雨の日対策 | クックビズ総研
飲食店の「雨の日」対策!逆境をチャンスに変える集客アイデア - GMA スタッフブログ
雨が降ってもおでかけしたくなる♪雨の日サービスがあるお店5選【東京】 | icotto(イコット)
飲食店が雨の日を短期間で繁盛店にかえる「10の方法」紹介します - 店サポ - 飲食店 居抜き店舗 専門情報サイト
雨の日でも楽しめるお店とは?おもしろ企画でお客様を集めよう! | 店舗経営レシピブック
雨の日こそ!顧客満足度を高める5つのポイント|株式会社Flow Solutions
飲食店の「雨の日」集客対策。客足を維持するための3つの方法と心がけたいサービス | 飲食店ドットコム ジャーナル

監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

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