【飲食店】魅力的なメニュー表の作り方を理解してリピーターを獲得しよう

変化の加速する現代市場のなかで飲食店が売上を拡大していくためには、お客さまの購買意欲をかき立てる戦略を設計しなくてはなりません。そこで重要な役割を担うのが、自店舗のコンセプトを体現する魅力的なメニュー表の作成です。本記事では、飲食店におけるメニュー表の役割や主な作成方法などについて解説します。

目次

飲食店におけるメニュー表の役割

ビジネスにおいて売上を拡大する方法は、基本的に「新規顧客の獲得」「顧客単価の向上」「リピート率の上昇」の3つしかありません。どのような業界においても新規顧客の獲得は非常に重要度の高い経営課題ですが、一般的に「新規顧客の獲得は既存顧客を維持する5倍のコストを要する」とされています。そのため、飲食店が効率的かつ持続的に売上を拡大していくためには、購買意欲を高めることで客単価を向上させつつ、既存顧客のファン化を促しリピート率の上昇を図る仕組みが必要です。

魅力的なメニュー表を作成できれば、お客さまの購買意欲をかき立て、ドリンクメニューやサイドメニューなど組み合わせの提案によって客単価の向上が期待できます。

また、メニュー表は単なるお品書きではなく、店舗のコンセプトや魅力、こだわりといったメッセージも伝える重要な役割を担うものです。また、お客さまとのコミュニケーションを図るツールでもあります。商品や店舗のコンセプトを魅力的に伝え、ロイヤルカスタマー化の促進とリピーターの獲得につなげることがメニュー表の役割です。

メニュー表を作る主な方法

飲食店のメニュー表を作成する主な方法は、「自店舗で作成する方法」と「サービスを利用して作成する方法」という2つのパターンに分類されます。

自店舗で作成する方法

ひとつ目のパターンは、IllustratorやPhotoshop、またはWordやExcelなどのソフトウェアを活用して自作する方法です。たとえば、撮影した写真のコントラストや彩度などをPhotoshopで加工し、Illustratorでレイアウトを構築する技術があれば、ある程度のレベルのメニュー表を作成することも不可能ではありません。ワープロソフトのWordや表計算ソフトのExcelなどでも、機能に限界はありますが工夫次第では本格的なメニュー表の作成が可能です。

手書きによるメニュー表は独特の温かみがあり、店舗のコンセプトによっては既存顧客のファン化を促進する一助となります。また、場所を選ばずにすぐに作成できることから、当日決定したメニューをすぐにメニュー表に反映できるメリットもあります。

一方、クオリティを担保するためには相応のデザインスキルが求められる点に注意しなくてはなりません。メニュー表の作成に工数を要するのはもちろん、メニューの構成や価格を変更する際に印刷し直す必要がある点もデメリットです。

サービスを利用して作成する方法

2つ目のパターンは、Webサービスやアプリケーションを用いて電子メニューを作成する方法です。とくに近年はスマートフォンで商品の注文・決済が完結するモバイルオーダーが大きな注目を集めています。大手のコーヒーチェーンやファストフードチェーンがモバイルオーダーを導入しているため、実際に利用したことがある人も少なくないでしょう。

また、お客さまがスマートフォンでQRコードを読み込み、画面上にメニューを表示させるデジタルメニューブックアプリを導入する飲食事業者も増えています。こうしたモバイルオーダーやデジタルメニューブックアプリは商品の注文時に店舗スタッフを必要とせず、お客さまにとってオーダー待ちのストレスがない点が大きな魅力です。さらにわかりやすいメニュー画面で商品の検索性に優れ、トッピングやセットメニューなどの訴求がしやすいというメリットもあります。

食べログでは、電子メニューも作れるモバイルオーダーサービスとして「食べログオーダー」を提供しています。食べログ同様の見やすい画面から、快適にメニューの閲覧・注文が可能です。


魅力的なメニュー表を作る4つのポイント

魅力的なメニュー表を作成するためには、いくつかの押さえるべきポイントが存在します。なかでも重要度の高い要素として挙げられるのが以下の4点です。

メニュー表の種類を理解する

お客さまの購買意欲をかき立て、リピーターを獲得するためには、メニュー表の種類を理解して自店舗のコンセプトに適したものを選定しなくてはなりません。

飲食店のメニュー表は大きく分けると「紙のメニュー表」と「電子メニュー表」があります。飲食店では紙のメニュー表が一般的ですが、近年はデジタル化の進展に伴って電子メニュー表を導入する事業者が少なくありません。

電子メニュー表は情報が見やすく整理されており、商品の追加や削除、価格の修正、売り切れ情報の更新などが容易である点が大きなメリットです。それにより印刷コストの削減に寄与し、紙のメニュー表と比較して中長期的なコストパフォーマンスに優れるという特徴をもちます。電子メニュー表にモバイルオーダー機能を持たせることで、注文にかかる業務も効率化できます。これにはモバイルオーダーシステムの導入が有効で、食べログが提供している「食べログオーダー」が活用できます。


お客さまの視点でデザインする

魅力的なメニュー表を作成する上で非常に重要なテーマとなるのが、お客さまの視点に基づいてデザインすることです。単に商品を羅列しただけのメニュー表では具体的なイメージが湧きづらく、購買意欲の向上につながりません。食欲を刺激する写真や店舗のコンセプトに沿った配色など、お店ならではの個性や魅力を引き出しつつ、お客さまの視点に立ったデザイン性が求められます。

また、デザイン性を追求するだけでなく、「Zの法則」「Fの法則」といった視線の法則や人間心理についての学びを深め、おすすめの商品に視線を誘導するような計算されたレイアウトも必要です。たとえば、人間が目をとめやすい位置に料理の画像を配置するとともに、ジャンプ率(文字サイズの比率)を意識した適切なフォントサイズを設定することで、購買意欲をかき立てるメニュー表の作成につながります。

メニューへのこだわり、魅力を伝える

お客さまのロイヤルカスタマー化を促進するとともに、リピーターを獲得するためには、メニュー表を通じて自店舗のこだわりや魅力などを的確に伝えなくてはなりません。食欲を刺激する商品画像や、人間心理に基づくレイアウトは非常に重要な施策です。しかし、それだけで競合店との差別化を図るのは容易ではありません。

既存顧客のファン化を促進するためには、競合店にはない付加価値を創出し、自店舗ならではのコンセプトを打ち出す必要があります。そのためには、おすすめのメニューのこだわりポイントや魅力を表す文章を添えるといった工夫が必要です。たとえば「朝採れ野菜の○○」「サクサク食感の○○」など、商品名やキャッチコピーなどにこだわりのポイントを入れることで、食欲の増進やファン化の促進に寄与します。

メニュー名をわかりやすくする

魅力的なメニュー表を作成するためには、どんな料理・飲み物なのかをイメージしやすい商品名を設定することが大切です。たとえば、専門用語ばかりのキャッチコピーを添えたり、複雑な商品名を設定したりしては、その魅力をお客さまに伝えるのは困難となるでしょう。料理やサービスの魅力を伝えるためには適切な言葉選びが重要です。

文字や文章のみでコンセプトや魅力が伝わらない場合は、写真や画像を用いてインパクトを演出するといった工夫が求められます。おすすめや期間限定のメニュー、コース料理やオプション、価格などをわかりやすく表示し、お客さまが迷わないようにすることも大切です。 一方でお店のコンセプトによっては、文章のみのメニュー表にすることでお客さまの想像力かき立てるのが有効なこともあります。説明をしすぎることで期待値を上げ過ぎてしまっていないかも確認するべきポイントです。

まとめ

飲食店が利益を拡大していくためにはリピーター戦略が重要であり、お客さまの購買意欲をかき立てる魅力的なメニュー表が必要です。メニュー表は「紙のメニュー表」と「電子メニュー表」に大別されます。従来は紙のメニュー表が一般的でしたが、近年はデジタル化の進展に伴ってモバイルオーダーやデジタルメニューブックアプリが普及しつつあります。メニュー表を作成する際はお客さま視点に基づいてレイアウトを設計し、魅力やこだわりをわかりやすく伝えることで、既存顧客のロイヤルカスタマー化とリピーターの獲得につながるでしょう。

参考URL

飲食店のメニュー表の作り方を徹底解説!秘訣は「お客様視点」にあり|ucc
飲食店のメニュー作成の極意!注文が殺到する超人気メニューを作る方法! |Okage DX Platform
飲食店はメニュー表が重要!デザインにこだわるべき理由と作成時の5つのポイント|飲食店なんでもスクエア
ビジネスを大きくする3つの方法|日本マーケティングライター協会【JMWA】
売上アップ 3つの方法|IROHA
「1:5の法則」とは?|シナジーマーケティング株式会社
エクセルで作る飲食店メニュー| wmks
飲食店向けモバイルオーダーで売上向上・人手不足解消を実現|食べログオーダー
飲食店のメニュー表を無料で作成。デザイナー顔負けのセンスで売上アップを狙う |飲食店経営PRO
店内モバイルオーダーサービス「食べログオーダー」を提供開始 -お客様のスマホを通じてスムーズな注文・会計が可能|株式会社カカクコムのプレスリリース
店内飲食に活用できる「モバイルオーダー」8選。コロナ禍以降の“非接触”注文に |飲食店ドットコム ジャーナル
デジタル&電子メニューブックアプリ比較15選|種類別の機能・無料おすすめツール・メリット・デメリット|OREND(オレンド)
新しいメニュー表、デジタルメニューのメリットとは?|とどなび
「Zの法則」「Fの法則」とは │視線を意識したサイト作り|広洋貿易株式会社
繁盛メニューの作り方|繁盛メニューの作り方

監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

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