飲食店の魅力的な内装! コツや費用相場とは

飲食店では、内装が店舗の印象を決める重要な要素であるといっても過言ではありません。この記事では、飲食店を開業する際に内装にこだわるべき理由と、魅力ある内装にするためのポイントを5つ解説します。内装工事における相場についても目安として紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

飲食店が内装にこだわるべき理由とは

飲食店を経営しようとする際、看板などお店の外観とともに、内装も重要なポイントになります。ではなぜ内装にこだわったほうがよいのでしょうか。主な2つの理由を解説します。

来店動機に繋がるため

飲食店を開いて事業を軌道に乗せるためには、コンスタントに集客し、来店してもらうことが不可欠です。そのためには、「このお店に行きたい」と思ってもらえるかどうか、つまりお客様の来店動機をつくることが大切になるでしょう。

来店動機に繋がる要因は、料理や飲み物のメニュー、スタッフの接客だけではありません。お店の外側からちらっと見える内装が素敵なら、行きたいと思ってもらえる可能性は高くなります。

また、近年はSNSなどの普及によって、画像や動画の拡散効果が大きくなっており、お客様が訪れた店の内装をSNSでシェアし、それを見て「いいな」と思った別の人が来店するという流れは、すでに常態化しています。

効果的にお店の魅力を伝えられるため

現代はツールを活用すれば誰でも簡単にホームページを作成できる時代です。自店舗のホームページを開設したり、広告費を払ってグルメサイトに掲載したりする際、こだわった内装の写真や動画をアップすれば、サイトに訪れたユーザーへお店の魅力を存分にアピールできます。

食べログでは、お店の魅力を伝えられる「食べログ店舗会員」を提供しています。固定費無料の範囲でネット予約やクーポンの発行も可能なので、効率よく集客力を向上できます。有料サービスを導入すれば露出機会を増やせたり、よりこだわった店舗ページの作成もできるようになり、自慢の内装を表現力豊かにアピールできます。近隣の飲食店や、同じようなジャンルのメニューを提供しているライバル店と差別化を図る際にも効果的です。


飲食店の内装を魅力的にする5つのコツ

内装にこだわるとメリットがあると理解はできても、実際に、どうやって魅力ある内装を検討していけばよいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、内装を考える際に注目したい、5つのポイントを解説します。

お店のコンセプトに合った内装にする

飲食店を開業する際、どのようなお店にしたいかといったテーマや方向性、つまり「コンセプト」を明確化させ、それを元につくったお店の内装は統一感を持ち、お客様の印象に強く残ります。コンセプトといっても難しく考える必要はありません。お店の立地や取り扱うメニューの内容、想定される客層を整理したり、めざしたい店舗の雰囲気、取り入れたいインテリアなど必要な情報をリストアップしたりして、店舗のイメージを固めていきます。

動線を意識したレイアウトにする

飲食店の限られたスペースでレイアウトを考える際には、お客様と店舗スタッフが動きやすい動線を考えることが大切です。

お客様の動線

来店されたお客様の動線は、主に、店舗の入り口から案内された客席まで、あるいは客席からお手洗いやレジまでが考えられるでしょう。店内の行き来がしにくかったり、動線上に障害物などがあったりすると、居心地の悪さに繋がってしまいます。お客様が行き来する通路はすっきりとさせ、できるだけ対面ですれ違えるくらいの幅を確保しましょう。動く距離をあまり長すぎないようにすることも大切です。

スタッフの動線

店舗のスタッフがホール担当と厨房担当に分かれる場合を例に取り上げます。

ホール担当の動線のポイントとしては、「オーダーを取りに行きやすいか」「配膳や片付けをしやすいか」「レジまで行きやすいか」などが挙げられるでしょう。厨房担当と連携し、店内のあちこちを行き来するスタッフだからこそ、動線が効率的であるかどうかは非常に重要です。スピーディーに料理を提供でき、常にお客様に目を配れる動線なら、お客様満足度もおのずと上がるでしょう。

一方、厨房担当は、調理工程をメインにひとつひとつの作業を想定しながら動線を考えます。調理する場所と食材を保管している場所との行き来がしやすいように、「食材を取り出しやすいか」「調理スペースは十分にあるか」「お皿や調理道具の位置はベストか」などがポイントになるでしょう。

配色と照明を工夫する

飲食店の内装において、お店のコンセプトを活かすためにどのような配色にするのか、照明をどう使うのかも重要なポイントです。心理的に大きな影響を与え、お客様に居心地よく感じてもらえるかにも繋がるため、店舗側としてはうまく活用したいところでしょう。

色使いや照明は、当初に決めたコンセプトに合わせると、おのずと定まってきます。たとえば、ゆったりとお酒を飲みながらご飯を食べられる飲食店なら、あたたかみのある暖色系の色を使い、少し照明を落とすようにすると、食欲増進効果が高まり、お客様が長い時間、料理を楽しんでくれることもあります。子ども連れをイメージした飲食店であれば、パステル調などの淡い色や元気が出そうな色などを使い、照明も明るくすると居心地がよくなるでしょう。

色使いや照明でお店の印象は変わります。お客様の滞在時間がどのくらいのお店なのか、客単価はいくらなのかによっても、色や明るさをコントロールすることで回転率や満足度を調整することが可能です。

SNSでの集客を意識する

一方通行の発信となりがちな自店舗のホームページでなかなか集客が難しい場合は、SNSの活用がおすすめです。SNSは、お店に来た人が写真や動画を撮ってシェアすることで、情報がどんどん拡散されます。それがよい口コミであれば、コストをかけずに集客効果を高められるでしょう。

ただし、SNSではさまざまなお客様の意見が交わされているため、評価を意識しすぎると店舗の方針がぶれてしまうことがあります。あくまでコンセプトを大切にした上で、お客様の意見を把握するためにSNSを活用すると、よりよい店づくりを実現できるはずです。

おしゃれな飲食店のデザインを参考にする

飲食店の内装を決めきれない場合は、素敵だと思う店舗のデザインを参考にすることで、イメージを固められることがあります。たとえば、高級感、落ち着いた雰囲気、清潔感、子ども連れでも安心できる雰囲気など、自店舗のコンセプトと似たような店舗をリサーチしてみると、内装の方向性やイメージがわきやすいでしょう。

内装工事を依頼するのに施工会社を調べる際には、ホームページに施工事例が載っているかを確認しましょう。コンセプト通りの店舗づくりが可能かどうかをチェックできます。

気になる内装費用の相場は?

飲食店を開業する際に必要な資金のうち、内装費用は大きな割合を占めます。そのため、大体どれほどの費用がかかるのか、あらかじめ相場や内訳を知っておくことは重要です。立地や広さ、業種によって費用は大きく変わるものの、内装費用は坪単価30万円から50万円ほどが相場とされています。新規で15坪ほどの飲食店を開業するなら、450万円~750万円かかる計算です。

同じ工事をするにも、工事を依頼する工務店によって費用は変わるため、すぐに一社に決めて依頼するのはおすすめできません。見積をとって比較し、適正な価格で請け負ってもらえる施工会社に依頼するようにしましょう。

居抜き物件とスケルトン物件の相場

居抜き物件とは、直前の借主が厨房設備などを残したまま退去した物件のことです。設備は基本的にそのまま使えるため、内装を手直し程度で済ませる予定なら時間やコストを抑えられます。内装費用は坪単価15万円~30万円ほどが相場です。ただし、元の内装が自店舗のコンセプトと大きく異なる場合は、すでにある元の内装を一度壊してから新たな内装をつくることになり、スケルトン物件よりも多くのコストがかかることもあるため、物件選定の際は十分注意しましょう。

一方、スケルトン物件は、直前の借主が退去する際、内装をすべて取り払い、壁や天井、床もはがしてしまっている状態の物件を指します。内装のデザインは1からオリジナルでつくれるため、高い自由度があります。スケルトン物件の内装費用は坪単価30万円~50万円が相場です。

飲食店と一言でいっても、カフェやレストランなど、種類は多岐にわたります。業態によって費用は大きく変わることがあるため、あくまで目安とし、詳細は施工会社へ見積をとって確認してください。

費用の内訳

内装工事費用は、大きく3つの要素に分かれます。「デザイン・設計費用」「内装・設備工事費用」、「設備・備品の購入費用」が一般的です。

あくまで目安ではあるものの、新たに出店する場合は、以下のような費用を想定しておくとよいでしょう。 【 15坪 25席 スケルトン物件 居酒屋の例 】

  • デザイン・設計費用:内装工事費用の10%前後
  • 内装・設備工事費用:(内装工事)400〜750万円ほど
  •             (設計・管理)20万から50万円ほど
  • 設備・備品の購入費用:厨房として150〜250万円ほど(新品の場合)

ただし、これらは居抜き物件や中古の厨房設備を活用できれば大幅に予算を抑えられることがあります。コンセプトに合った内装がすでにあり、そのまま使える物件を探してみるのもおすすめです。

まとめ

飲食店で売上を伸ばすためには、メニュー内容や味、接客以外に内装も重要なポイントです。内装を魅力的なものにすることで、来店動機に繋がったり、写真や動画をホームページやSNSで効果的にアピールできたりとさまざまなメリットが考えられます。

内装のデザインを決める際には、自店舗のコンセプトを明確化することが大切です。迷った場合には、施工会社のホームページに掲載されている過去の施工事例を参考に、デザインの方向性を決めるのも一案です。気になる内装を見つけたら、複数の施工会社へ相談してみるとよいでしょう。

参考URL

飲食店の内装デザインで失敗しないコツ5選!ポイントを抑えて開業を成功させましょう!|株式会社TO
飲食店の内装デザインを失敗しないコツ!業者選びや内装費用、施工事例も|IDEAL
飲食店が廃業する7つの理由とは?手続きや届出先、その後の流れについても|M&A・事業承継ならM&A総合研究所
飲食店デザイン研究所 - 集客力のある店舗の内装設計・施工工事・開業サポートなら 「飲食店デザイン研究所」|飲食店デザイン研究所
おしゃれな飲食店の内装事例5選|集客力UPのコツとは|SHUKEN
飲食店におけるコンセプトとは?考え方やアピール方法も紹介 |マネケル
店舗設計の際に気をつけたい「動線」を設定するポイントとは?|開店ポータルBiz
飲食店を繁盛させる4つの「導線」~効果的な集客で売上アップを狙え~|店サポ
飲食店|店内・厨房のレイアウトのポイントは「動線」にあり|キギョウエール
【飲食店】おしゃれな内装特集|成功する店がやらない5つのポイント|SHUKEN
お店の売上につながる動線のポイントとは?効率のいい動線を店舗デザインで実現させましょう!|株式会社TO
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監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

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