バーの売上や利益を増やしたいと考えるのであれば、集客力の強化は不可欠です。どれほど素晴らしいドリンクを用意していても、集客力が弱いと売上と利益は伸びません。本記事では、バーの集客に利用できる方法やコツなどについて解説します。

【デジタル編】バーに効果的な集客方法6選

近年では、さまざまな飲食店がデジタルな集客手法を活用しています。バーも例外ではなく、SNS・Web広告・グルメサイトなどの活用によって、効果的な集客を目指せます。これらと併せてMEO・SEOと呼ばれる対策も講じることで、さらにデジタル集客力をアップ可能です。

SNS運用

SNSで積極的に情報を発信し、集客につなげる手法です。代表的なSNSには「Instagram・Twitter・Facebook・LINE」などが挙げられます。それぞれ特徴を持っており、ユーザー層も異なるため、それらを理解したうえで集客に活用しましょう。

Instagram

Instagramは、写真投稿を主軸としたSNSです。若者世代、つまり20代・30代のユーザー層が非常に厚いことで知られていますが、近年は中年世代のユーザーも増えてきていると言われています。 ドリンクやフードの美しい写真をアップロードする機能に富んでいます。もちろんテキストやハッシュタグと併せて投稿できるので、画像・文章の両方からユーザーへ訴求しやすいSNSです。

InstagramをはじめとするSNSを使用する際にポイントとなるのは、ハッシュタグの活用です。特にInstagramにはハッシュタグを用いる文化が根付いており、多くのユーザーが投稿や検索の際に利用しています。そのため店舗に関連する情報や、ターゲットが興味を持ちそうなハッシュタグを添えて写真を投稿すれば、集客効果が高まると期待できます。 バーであれば、珍しいお酒の画像を投稿したり、そのハッシュタグをつけたりするのがもっとも効果的でしょう。

Instagramにはそのほか、リール動画や広告マネージャの機能があります。最初からすべて活かしきるのは難しいかもしれません。まずは「店舗のターゲット層の心に響く写真・情報を定期的に投稿していくこと」を心がけ、徐々にほかの機能も使っていくとよいでしょう。

Twitter

Twitterは、140文字以内の短文を投稿できるサービスです。ほかのSNSにも実装されている「いいね機能」をはじめ、リツイートや引用リツイートといった独自の機能も備えたSNSです。近年は、若年層ユーザーはInstagramへ移行し、Twitterユーザーは比較的中年層と言われるようになってきましたが、依然として、膨大なユーザー数を抱えています。

集客手段としてTwitterを考えた場合、リツイート（フォロワーが投稿した内容を自身のアカウントで発信できる機能）による拡散力が大きな魅力です。自店舗のツイートが、ユーザー側のリツイートで広がれば、大勢に短時間で認知される可能性が高まります。

バーがTwitterを集客に利用するメリットは、このように比較的少ない努力で、大きな拡散力につながり得る点です。もちろん写真も投稿できるため、積極的にお店の様子やメニューの画像などを発信してください。Instagramと同様ハッシュタグも利用可能ですが、Instagramよりも中年寄りのユーザー層を意識して投稿内容を工夫できると、さら効果的でしょう。

Twitter集客を成功させるポイントは、適度にユーザーとのコミュニケーションを図ることです。店側とのコミュニケーションを楽しみにしているユーザーも少なくないため、直接やり取りを交わすことで良好な関係を構築できれば、リピーター化につながる可能性が高まります。ただし、過剰なコミュニケーションはユーザー側の負担になり、逆効果に終わる恐れもありますので注意してください。

Facebook

Facebookは、TwitterやInstagramなどと違い、原則実名での登録が求められるSNSです。 Facebookユーザーの年齢層は、InstagramやTwitterと比較すると高めであると言われます。加えて実名で投稿していることもあり、より落ち着いた丁寧なやり取りを心がけるユーザーや、ビジネス上のやり取りを行うユーザーが多い傾向にあります。

Facebookは長文を投稿できるため、より多くの情報をユーザーへ伝えたいバーに適しています。匿名で利用できるほかのSNSに比べ、炎上リスクが低いのも魅力です。

またFacebookの良さは、コミュニティの存在です。ウィスキーマニアの人など、特定のお酒に興味を持っている人などのコミュニティがあり、そのような層にもアプローチしやすいです。 バーは、マスター自身が商品とも言えるので、他のSNSに比べ店主個人を訴求できるのも、Facebookの良さでしょう。実は、「〇〇ファンです」「休日にはツーリングが趣味」といった個人的趣向も集客につながる要素になります。

加えてFacebookには広告マネージャが設けられています。これにより、「普段どんなサイトや情報にアクセスしていて、どんな生活をしている、何歳程度の人」にアプローチするのか、といった細かなターゲティング設定を実践できます。強力な広告ツールである分、使いこなすには時間がかかりますが、ターゲティングの基本「ターゲット層の明確化」を徹底することから始め、少しずつ活用できるようになるとよいでしょう。

LINE

LINEは、チャット形式でやり取りを行えるコミュニケーションツールです。近年、メールに代わるコミュニケーションツールとして注目を集め、中高生からお年寄りまで、幅広い層で利用されています。

登録してくれたユーザーのもとへ、ダイレクトにメッセージを送れる点が魅力です。新メニューやイベント開催の案内、割引クーポンの配布などをスピーディーに行えます。バーの集客に利用するのであれば、LINE公式アカウントを開設しましょう。公式アカウントの開設により、メッセージ配信やステップ配信、チャット機能など、集客に役立つさまざまな機能を利用できます。

ただ、ユーザー・顧客側に友だち登録してもらえないと情報を発信できません。そのためまずは、友だち登録してもらうための工夫が必要です。店舗に登録用のQRコードを設置したり、公式サイトで登録を呼びかけたりしてください。あるいは、ある程度関係性が構築されている顧客に対してなら、店舗での会話した際に直接促すことも有効です。また、「友だち登録をしてくれた人限定で、LINE上でクーポンを贈る」という手法もよく利用されます。

メールマガジン

メールマガジン（メルマガ）は、メールで定期的に情報を発信する集客方法です。SNSはツールを利用していないユーザーもいますが、メールはほとんどの人が利用しています。利用するデバイスや環境が限定されないのも、魅力の1つでしょう。

メルマガの大きなメリットは、店側でメールの長さから配信頻度まで、施策内容を自由に決められる点です。期間限定キャンペーンや珍しいドリンクの入荷情報など、速度が大事なお知らせはシンプルなメールで。ドリンクへのこだわりや豆知識といったコラムは、画像や装飾文字を組み込んでリッチにと、状況に応じた使い分けも可能です。 また、メルマガ登録の際に年齢や性別といった簡単なプロフィールを入力してもらえば、それぞれのユーザー層に合ったメールを届けることもできます。

しかしLINEと同様に、まずは登録してもらうための施策が必要になります。また件名が空欄であったり、スパムメールだと認識されるような文章を使ってしまうと、強制的に迷惑メールに振り分けられ、ユーザーの目に入らない可能性もあります。さらにユーザーのメールアドレスは個人情報に該当するケースもよくありますので、取り扱いには注意が必要です。

Web広告

Web広告とは、インターネット上の媒体に掲載する広告です。ひと口にWeb広告といっても、下図のようにさまざまな種類があります。

多くの種類のWeb広告が、「広告を見てほしいターゲットを、アクセス傾向や年齢層などの要素から具体的に設定できる」機能を持っている点がメリットです。例えば「特定のエリアでバーを探している成人女性だけに広告を表示させる」といったことも可能です。ターゲティングを最適化すると無駄に広告を打つ必要がなくなるため、費用対効果の高いプロモーションにつながります。

そして「Google広告」など、効果測定・改善用のツールがそろっていることも大きな利点です。こうしたツールにはターゲティング機能や、出稿機能（入札設定機能）なども搭載されていることもあるので、それらを連動させれば、効果測定・改善のサイクルを回しやすくなります。

MEO対策（ローカルSEO対策）

MEOとは、Map Engine Optimizationの略であり、日本語では「マップエンジン最適化」と訳されます。端的には、ユーザーが特定のエリアをGoogle Mapで検索した際に、店舗情報が上位に表示されるようにする対策です。 何らかの検索を行うと、自分の現在地周辺など、特定のエリアについてのマップ情報とともに、検索結果が表示されることは珍しくありません。検索ユーザーは、こうしたマップ情報をヒントにして、自分の行動を決めているケースも多いです。このようなマップ表示の機会を逃さず、店舗をアピールするための対策がMEOです。

MEO対策を行うことで、検索結果ページの上部に、マップとともに店舗情報などが表示されるため、強い訴求力を得られます。この際表示されるのは、Googleビジネスプロフィールに登録されている店舗情報です。そのため、このプロフィール情報をしっかりと登録しながら、ユーザーが欲しいと思う情報・画像なども充実させておくことも重要です。 そうした情報を参照して、Googleは自店舗へのルートや連絡先、口コミ情報などを検索ユーザーの画面に表示します。これで、ユーザーを自然と自店舗へ誘導することにつながります。

SEO対策

SEOは「検索エンジン最適化」のことです。ユーザーが特定のキーワードで検索したとき、お店の公式サイトやブログなどへのリンクが、検索結果画面の上位に表示されるようにする対策です。つまりSEOを行うと、特定のキーワードが検索されたとき、自店舗サイトが上位表示される可能性を高められます。

そもそも公式サイトやブログを運営していない場合は、サイトの立ち上げから行いましょう。テンプレートが充実していたり、視覚的に編集できたり、簡単にサイトの立ち上げができるサービスもあるので、まずはサイトを運営してみることをおすすめします。

しかし、いくらコンテンツを充実させた店舗サイトを運営していても、ターゲット層の検索にヒットしなければ閲覧してもらえません。そのため店舗サイトから集客へつなげたいのであれば、SEOも意識する必要があります。

漠然と店舗サイトのコンテンツをつくるのではなく、明確なターゲットキーワード・ターゲット層を定め、特定のニーズに応えるコンテンツを充実させることが重要です。また、Googleのアルゴリズムはコンテンツの質や信頼性を重視しているため、それらをなるべく高めましょう。

検索ユーザーの疑問に応えたり、求めている情報を整理して渡したりできるコンテンツを充実させつつ、来店を促せる導線をきちんと用意したサイトを構築してください。これにより、サイトへのアクセスの増加に伴い、実店舗への集客率も向上するでしょう。ただしSEOは専門性の高い分野でもあるため、専門業者へ外注するのもひとつの手です。

グルメサイト

飲食店の情報を発信しているグルメサイトに登録することも、代表的な集客手段です。グルメサイトには、店舗の基本情報や写真、口コミといった情報を掲載できるケースがほとんどです。もちろん、グルメサイトによって利用できる機能やサービスは異なるため事前にしっかり確認しましょう。

グルメサイトを利用するメリットのひとつは、認知拡大力の高さです。多くのアクセスを日々集めているサイトに登録しておけば、自店舗を多くの人に認知してもらいやすくなります。

また、「店舗ページ作成機能」を持つグルメサイトに登録することもおすすめです。店舗ページを充実させ、日々情報を更新するように気をつければ、公式サイトの代わりとして役立てることも可能です。あらかじめ用意されているフォーマットを利用できるため、ゼロからサイトを制作する必要もありません。

また、オンライン予約機能を実装しているグルメサイトへの登録も有効です。自社でオンライン予約ページを運用する必要がなく、また電話で予約を受けるときに比べ、担当者の手間や負担が大きく軽減します。電話に出られず予約を取りこぼしてしまった・予約内容を間違えてしまった、といったことも発生しづらくなるでしょう。

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【アナログ編】バーに効果的な集客方法2選

近年はデジタルを用いた集客手法が主流ではあるものの、アナログな手法も依然有用です。代表的な手法としては、「看板の設置や折込チラシ・ポスティング・地域情報誌への広告出稿」などが挙げられます。

看板

看板の設置は、古くからある集客手法のひとつです。店名やロゴなどを描いた看板を、店舗に設置する手法です。

自店舗の前を歩くさまざまな層に認知してもらえる可能性がある、という点がメリットです。近隣の人や歩行者、車で通りかかった人などがたまたま看板を目にすることも多く、自然な形で多くの人に認知してもらいやすくなります。

加えて、一度設置すれば、壊れるまでお店の広告塔として活躍してくれる点もメリットです。制作や設置には相応の費用が発生しますが、それ以降は、自店舗の敷地内に設置している限りはほとんどコストがかかりません。設置しておくだけでさまざまな人の視界に入り、記憶に残ります。

看板を用いた集客を成功させるには、ゴールの設定が大切です。 「新規の人に来店してもらうためなのか？」「自店舗を探している人にお店の位置を分かってもらうためなのか？」「単に認知してもらいたいのか」では看板に描く内容が変わります。また「お店の意図やコンセプトが、ターゲット層に伝わりやすいデザイン」を採用するのも集客策として大切なポイントです。

地域情報誌への広告出稿

特定の地域で配布されているフリーペーパーなどに、広告を掲載してもらう手法です。そのエリアのみで配布しているため、地域密着型のスタイルでバーを運営しているケースや、新たに店舗をオープンさせる地域で認知拡大を目指す場合などにおすすめです。

インターネットを利用しない層へアプローチできる点もメリットです。今日はインターネットやモバイル端末が広く普及していますが、日常的には利用していない層も一定数存在します。このような層へは、店舗サイトやSNSなどでは情報を届けられません。一方、紙媒体である地域情報誌なら手に取ってもらえる可能性があります。

地域情報誌を集客に用いるのなら、消費者がお得感を得られる工夫をしてみましょう。例えば、「フリーペーパーを店舗に持参して店員に見せたらドリンクを1杯プレゼント」といった企画が考えられます。

バーの集客を成功させるポイント

バーの集客を成功させるため、まずはターゲットや自店の強みを明確にしましょう。また、初めて来店する方が安心して入店できるようなお店づくりを心がけることも大切です。

ターゲットを明確にする

どのような集客手法を用いるにしても、ターゲットの明確化をしっかりと行うべきです。ターゲットが不明確では、「誰に何を訴えたいのか」がよくわからないプロモーションになってしまい、集客につながりません。ターゲットを明確にすることで、効果的な訴求が実現できます。

ターゲットにマッチした集客手法を採用することも大切です。例えば、ターゲットがシニア層であれば、その世代が好きなお酒を用意し、こだわりのHPやFacebookなどで訴求しながら、営業時間を少し早く始めてみるなどの工夫をしてみるのもよいでしょう。

また、周辺に勤務しているもしくは住んでいる女性などの集客を考えているのであれば、インスタ映えするカクテルの写真などをSNSに投稿し、お店に興味を持ってもらいながら、ひとりの来店でも安心できる環境であることも同時に訴求することが大切です。

このように、ターゲットの明確化は効果的な集客手法の選定につながります。SNSを活用するときは、各SNSのユーザー層と、アプローチしたいターゲット層とが重なるように気を配りましょう。また、ターゲットが明確になることで、「どのような内装にすべきか、どういったメニューを用意すべきか」も定まります。ターゲットが好みそうなメニューを用意し、それを宣伝することで、集客効果はより高まるでしょう。

自店舗の強みを明確にする

自店舗の強みを明確にすれば、そこを積極的にアピールして集客につなげられます。強みがわからない状態ではアピールのしようがないため、まずは「自店舗にはどのような強みがあるか」を把握することから始めてみましょう。

自身では強みと考えていない要素が、他者からは強みと認識されている可能性もあります。イベントなどで同業者と話す機会があれば、そうした部分を聞き出してみてください。またはよりシビアに、競合エリア内の他社店舗について強みを調査し、それらとは異なる自店舗独自の要素を明確化していってもよいでしょう。

基本的に、強みを明確に打ち出すことは、他店との差別化につながります。バーや居酒屋などが数多く軒を連ねるようなエリアでは、しっかりと差別化をしないと競合のなかに埋もれてしまいやすくなります。「自店舗がほかのお店とどう違うのか」を明確にし、それをしっかりアピールする集客方針を立ててください。

入りやすい店づくりをする

さまざまな手法を用いて新規顧客を店舗まで誘導できても、「店内が見えにくく不安を感じる」「外装が汚れていて不衛生な気がする」という印象を持たれると、入店に至らない恐れもあります。

せっかくコストをかけて集客しても、入店してもらえなければ意味がありません。投入したコストを無駄にしないためにも、初めて訪れた人でも気軽に安心して入店できるようなお店づくりが求められます。 特に新規顧客は、雰囲気がわからない店への入店には不安を覚えます。大幅な改装を行わずとも、「店舗サイトやSNSなどで店内情報を発信する」などの手法を使えば、そうした不安を低減可能です。

看板の設置も有効です。Google Mapなどを見ながら自店舗にたどり着いた新規顧客に、看板によって、その場所が目的地であることを明確に示すことができます。大掛かりな看板でなくとも、入り口のドアに店名を記載したプレートをかけるだけで不安を解消できるでしょう。もちろん、店舗のコンセプトに合致した看板デザインであることが前提です。

加えてお店の入り口にボードを設置し、代表的なメニューの料金を記載するのもおすすめです。料金を明確に示すことでお客様の不安を解消し、入店を促せます。

まとめ

今日のバー経営では、SNSを活かしたりWeb広告を利用したりするデジタルな集客手法も重要です。MEO・SEOを実践しつつ、グルメサイトなどにも登録しましょう。アナログな手法でも、チラシや看板、地域情報誌への広告掲載などがあります。それぞれの手法に特徴とメリットがあるため、よく理解したうえで検討してみましょう。

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参考URL

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監修者：原島純一