平日の飲食店でも集客したい! 売上アップに欠かせないポイントとは

飲食店では、休日と比較して平日の集客がうまくいかないことがあります。この記事では、平日の飲食店で集客するために見直すべきポイントや、絞り込むべきターゲット層を解説します。効果的な集客方法や集客に向けた取り組みについて知識を深め、実践するとよいでしょう。

目次

平日と土日ではこんなにも売上が違う

土日はにぎわっていても、平日はあまり人が来ない飲食店は少なくありません。 飲食店にも喫茶店やファストフード店、居酒屋など多くの種類がありますが、一部のエリアを除き土日よりも平日の売上、客単価・客数が低い点は共通しています。

あるデータによると、ファストフード店の平日売上は土日と比較して6割程度、喫茶店の平日売上は7割程度にとどまっています。

平日と土日でこのような差異が生じる理由として挙げられるのは、平日は仕事をしており、土日は仕事が休みの人が多いことでしょう。平日は飲食店で食事をする余裕がなかったり、翌日の仕事にそなえて家で食事をしたい人も多くいます。

もし、平日も土日と同じくらいの集客ができるならば、売上は大きく向上するでしょう。平日でも集客に成功している飲食店もあるため、自分の店舗においても、どの点を改善すれば平日の売上を伸ばせるかを考えてみる必要があります。

平日の飲食店の集客が難しいときは

本来なら、平日でも休日と同じ程度の集客ができるのが望ましいはずです。しかし、多くの飲食店が、平日の集客がうまくいかないという問題を抱えています。 平日の飲食店の集客に悩んでいる場合は、以下のポイントに着目しましょう。

立地の確認

まずは、店舗が繁華街にあるのか、商業施設の中にあるのかなど、立地・周辺環境の把握を改めてしてみましょう。人通りの多さや少なさ、時間帯による変化、どんな目的を持って通行しているかも観察してみるべきです。また、どういう層が来店しやすく、どのような店舗が望まれているのかなどを分析することで、集客に有効な取り組みやサービスなどを考えられます。

たとえばビジネス街にある店舗ならば、ビジネスマンやOL向けに就業前後と昼食のニーズに対応したメニューを検討していくのが基本です。 新しく店舗を持つ際は、立地条件をふまえて戦略を立てることになりますが、周辺環境は常に変化します。大型商業施設やマンションが建てば家族連れの客が増え、オフィスビルが建てばビジネスマンが増えることは明白です。そのため、周囲の変化や近い将来の商圏の姿を予測し、柔軟な対応が求められます。

客層の確認

立地を確認したら、周辺に住む人、そこに出向いてくる人の傾向や客層をつかむことも大切です。 店舗側が望む客層と、実際の客層は一致しているでしょうか。店舗側が実際の客層を正しく把握せずに戦略を立てても、的外れな取り組みばかりになり、うまくいきません。集客は見込めず、むしろ客離れにつながるおそれがあります。

実際の客層を把握したうえで、年齢・性別ごとに分類し、好み・傾向を分析しましょう。ターゲットをしぼり、細かなニーズに沿うことで、的確なアピールやサービスを行えるはずです。

競合店の確認

競合店の有無も重要なポイントです。開店時、近隣に競合店がなかったとしても、後から競合店ができる場合があります。良好なサービスや食事を提供する競合店ができれば、集客はさらに難しくなるでしょう。 特にすでに競合店がある立地で開業する場合は、その競合店の優れた面を理解したうえで、別のポイントで差別化を図ることが大切です。

競合店のメニューやサービス、内装、客層や集客方法などを細かく調べましょう。競合店がどう評価されているか、SNSやサイトなどを確認するのも大切です。 競合店との比較により、自店舗との違いや自店舗に欠けているものが明らかになります。特に、競合店が平日の集客に成功しているならば、積極的に学び、参考にしましょう。

平日の飲食店が着目すべき集客のターゲット

平日の飲食店における集客を望むならば、どのような客層が見込めるでしょうか。ビジネスマン、主婦、学生などの集客しやすいターゲットに目を向けましょう。

ビジネスマン

平日の飲食店利用率が高い客層のひとつが、ビジネスマンです。店舗がビジネス街、もしくはその近郊にある場合には、ビジネスマンの集客が見込めます。ランチタイムだけでなく、出社・退社時間に合わせテイクアウトなども行えば、さらに人が集まりやすく売上につながっていくでしょう。

時間にあまり余裕がないビジネスマンのために、待ち時間を少なくすることも重要です。ランチタイムなどの混雑する時間帯には、スタッフを増やすなどの取り組みをするとよいでしょう。 また、取引先との打ち合わせやランチミーティングなど、食事以外の目的で飲食店が使われることもあります。個室を用意する、落ち着いた内装にするなど利用しやすい環境づくりも必要です。

主婦

平日の飲食店には多くの主婦が訪れ、一人の時間や友人との会話を楽しみます。 主婦のほとんどが日中の来店になりますが、ビジネスマンほど時間に縛られないため、長時間滞在する傾向があり、比較的客単価が高い点が特徴です。親子での来店も考えられるので、女性向けのメニューやデザート以外にも、子供向けのメニューを充実させるとよいでしょう。

主婦層をターゲットにするならば、トイレや洗面台などの衛生状況には特に配慮が必要です。また、ソファーや子供用の椅子を置くなど、座席にも気をつかうとよいかもしれません。店舗の快適さが満足度を向上させ、リピートにつながるでしょう。ただし、女性向け・子供向けを狙うあまり、店舗のコンセプトから大きくズレてしまうといったことがないよう注意が必要です。

学生

平日の飲食店の客層として、ターゲットにしやすいのが学生です。一人の時間を楽しむため、食事や授業までの待機など、さまざまな目的で学生が訪れるでしょう。店舗の近隣に大学や専門学校がある場合だけでなく、店舗の近くに住居やアルバイト場所がある場合にも、学生の利用が見込めます。

学生の利用を増やすには、学生向けのクーポン・割引制度などを取り入れるとよいでしょう。また、学生向けのメニューを増やすのも有効です。学生間での口コミやSNSなどを通じて、評判が広がることが期待できます。

平日の飲食店の集客方法

平日の飲食店の集客を図るには、さまざまな方法があります。店舗の立地や客層を確認し、集客のターゲットをしぼったうえで、最適な方法を選びましょう。

ハッピーアワー

お酒を提供する飲食店では、ハッピーアワーの導入がおすすめです。 ハッピーアワーとは、飲食店でお酒の割引提供を行うサービスです。ランチタイム後からディナータイムまでの比較的空いている時間帯に限定して、サービスを実施します。

ハッピーアワーを取り入れれば、お酒に加えておつまみや食事の注文も見込めます。 集客が難しい時間帯に実施することで、余裕のある接客ができるうえ、売上向上にもつながるでしょう。

デリバリーサービス

近年では新型コロナウイルスなどの影響もあり、外食せずに自宅やオフィス内で食事を済ませる人が増えました。しかし、平日に働きながら食事を用意するのは、手間や負担がかかります。飲食店がデリバリー代行サービスを導入することで、そうした忙しい客層の需要にもこたえることができ、顧客の獲得につながります。

また、デリバリー代行サービスを導入するとお客様はオンライン上で注文可能になり、遠隔地からの注文や通常ターゲットにしていない客層からの注文も期待できます。人通りがなく、立地条件が厳しい飲食店が知名度を上げるチャンスです。配達地域・決済方法などを事前に確認する必要がありますが、導入には初期投資や設備が不要な代行サービスもあります。 提供する食事に満足してもらえば、デリバリー商品をきっかけにリピーター確保につながるかもしれません。

平日限定メニュー

平日限定メニューを充実させるのも、集客に有効な方法です。 通常は土日のみ来店する客層に対して平日限定メニューをアピールすれば、平日に来店するモチベーションを上げられます。魅力的なメニューを提供できれば、土日は家族で、平日は一人で利用するなど、利用回数の増加も見込めるでしょう。

また、土日に仕事や用事があって来店できない客層は、平日だけの特別なメニューを食べられることによって満足感を得られます。 平日限定メニューをただ設定するだけでなく、メニューの内容や価格にもこだわり、特別感を得られるような工夫が大切です。

ランチ営業

夜のみ営業している飲食店では、ランチ営業を始めることで集客効果が期待できます。 お昼休みや自由時間を使い、多くの人がランチを目的に来店するでしょう。ビジネスマンや主婦、高齢者など、幅広い客層の来店が見込めます。夜の食事に比べて低価格のランチは客単価が安くなりがちですが、その分、夜の営業ではターゲットにしていない客層の集客に効果的です。

またランチ営業で店舗の雰囲気や味を知ってもらうことで、ランチ以外の利用につながるかもしれません。ランチ営業を始めたら、グルメサイトなどの店舗情報を更新し、周知させることが大切です。ランチをするお店を検索したお客様が来店し、さらにその評判を聞いてすぐに新たなお客様が訪れるなど、ランチの営業は単価が低くファーストトライが気軽にできることから早いペースでの認知が期待できます。

ただし、ランチ営業をするには、当然その分のスタッフを増やす必要があります。夜の営業に影響はないか、費用対効果は十分かなどを検討することが重要です。

テイクアウト

デリバリーサービスと同様に、持ち帰りできるテイクアウトも集客効果があるでしょう。待ち時間が少なく簡便に購入可能であるため、店舗での食事をためらう場合にも気軽に利用できます。

ビジネスマンの場合はテイクアウトをすれば会社でゆっくり食べられますし、主婦の場合は品数が足りないときにテイクアウトで一品足すことも可能です。さらに、自炊する余裕がない人だけでなく、店舗で食事をする気はないけれど、店舗の味を知りたい客層も取り込めるでしょう。テイクアウトで店舗の味を気に入ってもらえれば、店内での飲食にもつなげられます。

テイクアウトできるお弁当や総菜は、持ち運びが楽で、冷めても美味しいものにしましょう。 また、スムーズに注文から持ち帰りまでを済ませたいお客様の要望に対応し、モバイルオーダーやネット予約と組み合わせるのも有効です。

食べログでは、ネット予約やモバイルオーダーのサービスを提供しています。導入費用も無料で手軽に導入できる点も魅力です。

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SNS

SNSを利用すれば、不特定多数に向けたアピールが可能です。多くの飲食店がSNSを利用した集客を行っており、さまざまなメニューや店舗外観の写真を投稿しています。 広告費用や初期投資も不要であり、手軽に始められるのもメリットです。SNSには、見た人が思わず店舗に行きたくなるような魅力ある写真や動画を掲載しましょう。

SNSには多くの種類があり、Facebookに店舗情報やメニューを掲載する、twitterやLINEでクーポンを配布したり新規メニューなどの情報を配信したりするといった具合に、使い分けが可能です。SNSの特徴をふまえたうえで、アピールする年代や目的に応じて利用しましょう。

飲食店が平日に集客するためのポイント

飲食店が平日に集客するために、どのようなポイントが重要なのでしょうか。3つのポイントを押さえましょう。

現状分析と目標設定をする

まず、なぜ平日の集客ができていないのか、原因を分析することが必要です。店舗の立地が悪い、女性・子供向けのメニューが少ないなど、分析によって現状の課題が明らかになります。 課題を解決するには、どのような対策が必要かを考え、目標を設定しましょう。

「売上を向上させる」などの漠然とした目標では、集客は望めません。いつまでに目標を実現するか、どの客層でどれほどの集客を目指すかなど、数値や期限などを具体的に定めることが重要です。長期的な目標に加え、短期の目標を設定し、達成状況をこまめに確認しましょう。 売上以外にも、客層や注文されたメニュー、満足度などの項目について詳細に記録を残しておけば、分析に役立ちます。

PDCAを回す

目標を設定してもうまくいかない場合は、PDCAサイクルを回してみましょう。PDCAサイクルとは、Plan・Do・Check・Actionの頭文字を取ったフレームワークです。計画・実行・評価・改善のサイクルを繰り返すことで、集客につなげられます。

収集した情報をもとに綿密な計画を立て、段階的に実行するのがポイントです。計画の実行後は、計画についての評価や検証、分析を行いましょう。評価・分析を通して、改善すべき点を明らかにし、再び計画を立てるという流れです。 失敗した場合でも諦めず、原因をふまえて軌道修正しつつ、多くの取り組みをすることが大切です。

グルメサイトへ登録する

多くの人が利用するグルメサイトには、さまざまな飲食店の情報が掲載されています。人気や評判が高い飲食店や、目的のエリアにある飲食店を検索できるため、知らない店舗の情報を簡便に得られます。 飲食店がグルメサイトへ登録すれば、集客・宣伝効果を得られるでしょう。

飲食店が食べログ店舗会員になることで、クーポンやTポイントを発行でき、キーワード検索した結果、店舗が上位に表示される可能性が高くなります。これにより、多くの客層がサイトを閲覧し、口コミやメニューの写真を見たり、予約したりすることが可能です。 グルメサイトの種類によって、機能は異なります。それぞれの特徴を押さえて、自分の店舗に合ったサイトを活用しましょう。

食べログのサービスやネット予約機能に関して詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。





まとめ

飲食店における平日の集客は、休日よりも難しい傾向があります。平日の集客を望むならば、まずは店舗の立地や客層、競合店を確認しましょう。ターゲットにすべき客層としては、ビジネスマンや主婦、学生がおすすめです。また、デリバリーサービスやランチ営業、テイクアウトなどの取り組みによって集客を図るのもよいでしょう。さらに、現状分析、PDCAを回す、グルメサイトへの登録といった取り組みも進めるのも重要です。

参考URL

平日・土日の売上予算を詳細に組んでみよう|CASIO HANJO TOWN
飲食店の課題、平日の集客から売上アップに導く4つの方法|macre(マクレ)
飲食店の平日の集客を増やすには?成功のポイントや主なターゲット層を紹介|アプリの学校
【飲食店集客】今すぐできる、平日の売上をアップするコツを大公開!|ワイマガ
【飲食店】平日の集客方法を紹介/平日の売り上げを伸ばすために狙うべきターゲットは?|口コミラボ
飲食店の平日の集客で売上を増やすには?集客方法13選と狙うべきターゲットを解説|aumo
平日に飲食店への集客するために考えるべきことをご紹介!集客がうまくいかない原因は?|for Restaurants
「ハッピーアワー」の意味や使い方 わかりやすく解説|Weblio辞書
【売上アップ】飲食店の平日の集客方法6選!おすすめのターゲットや成功のコツを解説 |キッチンカー相談の窓口
PDCAとは何か?とても簡単に説明します!|デジタルマーケティングブログ
PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act cycle) |NRI
飲食店の集客アイデア23選 無料でできる発信方法も紹介|DEECH
飲食業界のWEB集客事情とは?4大グルメサイトやSNSの集客についても徹底解説!| 株式会社パラダイムシフト

監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

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