飲食店における外国人への対応ポイントとは?接客フレーズや準備すべきこと

国が主導していることもあって、2023年の夏にはインバウンドの需要も回復を続けています。
飲食業界には大きなビジネスチャンスであるため、準備を進めておこうと考えている方も多いはずです。
そこで本記事では、外国人観光客に対応する際のポイント、覚えておきたい英語フレーズなどについて、ひとつずつ解説していきます。

目次

飲食店で外国人に対応する際のポイント

新型コロナウイルスの感染拡大に伴って減少していた外国人観光客ですが、最近は以前の水準に戻りつつあります。
韓国や台湾、中国やタイ、香港、アメリカ、ベトナム、中東といった各国地域から、円安もあって対外的にリーズナブルな日本旅行が人気を集めているようです。
外国人観光客が日本旅行で期待しているものとして、温泉、観光、ショッピングだけでなく、豊かな食文化の体験が挙げられます。
そのため、地方も含めた全国各地の飲食店で、外国人観光客の来客数増加が見込まれています。

ここでは、外国人に対応する際のポイントについて解説していきます。ぜひ、外国人観光客と接する際の参考にしてください。

堂々とコミュニケーションを取る

まず、英語でコミュニケーションを取るにあたっては、何よりも堂々とすることが大切です。
流ちょうな英語を話そうとする必要はありません。
日本語のなまりが強かったとしても、はっきりとシンプルな表現を使う方が、結果的に相手に伝わります。

ジェスチャーも場合によっては有効ですが、相手の母国と日本とで、同じ身ぶりでも違った意味になるジェスチャーがあります。
例えば日本での「おいでおいで」が、英語圏では「あっちにいけ」という意味になるのは有名です。

思わぬ誤解を招かないために、ジェスチャーよりも会話でコミュニケーションする方が無難です。
外国人観光客の方も慣れない国で少なからず緊張しています。
お店側が好意を持って接すれば、よりよい印象を与えられます。

来店理由を把握した上で対応する

接客の際は、来店理由を把握するのもポイントのひとつです。
例えば、雑誌で見た人気の雑貨を購入したい方や、日本ならではの食事をしてみたい方、ただ道を聞きたくて来店した方、来店理由は様々です。
この来店者一人一人の目的を把握できると、自然とそれにふさわしい寄り添った接客ができるでしょう。
また、ニーズを満たすため、英語をはじめ多言語への対応、公衆無線LANの設置、クレジットカード・電子マネー決済機器の導入などを進めるのもお奨めです。

ただし、注意したいのが、あまりにも「外国人へのおもてなし」にこだわることです。
不便がないかと気にかけるのは良いですが、何度もチラチラと見たり、会話を楽しんでいるのに何度もテーブルを訪れたりするのは逆効果で、気分を害してしまうかもしれません。
あくまで困りごとをサポートするだけにとどめましょう。
人種などの見た目で対応を変えるのではなく、公平かつ丁寧に接することが大切です。

外国人客に多いリクエストを把握しておく

外国人客のなかには、宗教あるいは信条、母国での生活背景が理由で、食べられないものがある方もいます。
例えば、食べ物に関する厳しい戒律で知られているのは、イスラム教です。
豚肉、料理酒も含むアルコール、血液などを口にすることは禁じられています。
豚肉と同じ調理器具でつくった料理も避けるべきとされています。
ユダヤ教徒は豚肉をはじめ、ホワイトシチューやグラタンなど、乳製品と肉を組み合わせた料理を口にしません。
ニンニク・ニラ・ラッキョ・玉ねぎ・アサツキの五葷(ごくん)も、中国仏教などでは忌避しています。

また、乳製品は食べる「ラクト・ベジタリアン」、一切の動物性食品を避ける「ヴィーガン」など、信条によっても食べられないものは異なります。
さらに、アレルギーが理由で特定のものを食べられない可能性もあります。

そのため、誰もが安心して楽しく食事ができるよう、要望に対しては、柔軟に応じる姿勢を持つことが大切です。

外国人が来店した際に役立つ接客フレーズ

外国人が急に来店した際にあわてないよう、次に挙げる接客フレーズを覚えておきましょう。

入店時のフレーズ

まず、入店時のフレーズです。
お店のイメージを大きく左右するので、はっきり・堂々と発音しましょう。
ただし、人種や肌の色だけを見て「外国人だ」と判断するのはNGです。
その方は日本人かもしれませんし、実際に外国人観光客だったとしても、日本語で話してもらえないと疎外感・差別感を抱くかもしれません。
そのため、最初の声かけは日本語で行い、日本語に不慣れな様子が見られたら、英語に切り替えて話すのがよいです。

テーブルに案内するにあたっては、次のフレーズを使いましょう。

  • How many in your party? / How many? (何名様でしょうか?)
  • For two? (2名様ですか?)
  • Would you like a smoking seat or a non-smoking seat? (喫煙席と禁煙席、どちらにされますか?)
  • Do you have a reservation? (予約はされていますか?)
  • Can I get your name, please? (お名前を伺ってもよろしいですか?)
  • It’ll be about 30 minutes. (30分ほどかかります)
  • We’ll call you when your table is ready. (準備ができたらお呼びします)
  • This way, please. / Follow me please. (こちらへどうぞ)

テーブルに着いたら、次のようなフレーズで改めて声をかけましょう。

  • Thank you for coming. (入店ありがとうございます)
  • Welcome!(いらっしゃいませ)
  • Welcome to 〇〇〇 (〇〇〇へようこそ)

そこまでかしこまる雰囲気でなければ、「Good morning / afternoon /evening」だけの、気軽なあいさつでも十分です。

オーダーを受ける際のフレーズ

  • I’ll be there in a moment. (ただいま参ります)
  • Are you ready to order? (ご注文はお決まりですか?)
  • I’m sorry. We are out of 〇〇〇 today. (申し訳ありません、今日は〇〇〇は品切れです)
  • Would you like anything else?/anything else?(ご注文は以上でよろしいですか?)
  • Let me confirm your order. (ご注文の確認をさせていただきます)
  • I’ll be right back with your drinks. (お飲み物をすぐにお持ちいたします)
  • I’ll be back in a moment to take your order. (お決まりの頃にお伺いします)

料理を提供する際のフレーズ

居酒屋の場合、外国人のお客様には、お通しの文化がないため先に説明すると親切です。

  • The cover charge includes a small appetizer.(テーブルチャージにお通しの料金が含まれています。)
  • Here you are. (どうぞ)
  • Here is a oshibori-towel. Please use this to wipe your hands. (おしぼりです。これで手を拭いてください)
  • Can I take your plate?(お皿をお下げしてもよろしいですか?)
  • Is that everything? (すべておそろいでしょうか?)
  • Enjoy your meal. (ごゆっくりどうぞ)

お会計時のフレーズ

  • That’s 〇〇〇 yen all together.(お会計は全部で〇〇〇円です)
  • How would you like to pay? (お支払い方法は何にされますか?)
  • Would you like to pay together or separately?(お支払いはご一緒ですか、別々ですか?)
  • Here is your change.(おつりです)
  • Thank you for coming.Hope to see you soon!(ありがとうございました。またのご来店をお待ちしています)

その他役立つ接客フレーズ

最後に、知っておくとより質の高い接客ができるフレーズをピックアップしました。

  • This dish is sweet. (この料理は甘いです)
  • How would you like your steak? (お肉の焼き加減は?)
  • It's hearty and filling. (ヘルシーでボリューム満点です)
  • Do you have any allergies? (アレルギーはありますか?)

外国人客の来店に向けて準備すべきこと

外国人客が順調に増えてきている今こそ、英語・多言語に対応したサービスが求められています。
接客はもちろんですが、言語を問わず使い勝手が良いキャッシュレス決済やモバイルオーダーの導入なども、その一環として整備したいところです。

そこで有用なのが、食べログの知見を活かしてつくられた「食べログオーダー」です。
注文の際はスマートフォンで二次元バーコードを読み取るだけなので、注文にかかる双方のストレスを大きく軽減できます。売上を向上させながら、訪れた方の満足感も高めていけるツールです。


関連記事:【飲食店】インバウンド集客の施策10選を紹介!

まとめ

増加傾向にあるインバウンドは、国が主導することで、さらに拡大が見込まれています。それに備えて飲食店側には、日本語に不慣れな方にもしっかりと接客ができる体制づくりが求められています。

そのためには少なからずスタッフにも影響があるので、その負担を少しでも軽減するために、キャッシュレス決済やモバイルオーダーの導入なども検討してください。

参照URL

堂々とコミュニケーションを取る

飲食店スタッフが覚えておきたい接客英語。外国人が来店したときの挨拶・声かけ編|飲食店ドットコム|株式会社シンクロ・フード
来店した外国人への接客はどうすればいい?基本フレーズ・攻略法を紹介|ポスタス

入店時のフレーズ

飲食店スタッフが覚えておきたい接客英語。外国人が来店したときの挨拶・声かけ編|飲食店ドットコム|株式会社シンクロ・フード
飲食店やレストランで使える好印象な接客英語【音声付き】|ベルリッツ英会話|ベルリッツ・ジャパン株式会社
知っておきたい「たばこの新ルール」|JT|日本たばこ産業株式会社
飲食店でたばこは吸えないのか?飲食店のたばこの許可申請方法|TENPOS food media

オーダーを受ける際のフレーズ

注文時のフレーズ|プロリア英会話
【飲食店の接客英語】食事の英会話フレーズと料理説明に役立つテクニック|Joy's inc

料理を提供する際のフレーズ

飲食店に外国人が来店。こんな時どうする?接客英語フレーズ|ホテルや飲食店で使える接客英会話|アイ・ディー・エー株式会社
お料理提供時のフレーズ|プロリア英会話
【飲食店の接客英語】食事の英会話フレーズと料理説明に役立つテクニック|Joy's inc
お通しは英語で何?外国人とのトラブルに対処する接客英語|ホテルや飲食店で使える接客英会話|アイ・ディー・エー株式会社

お会計時のフレーズ

【飲食店の接客英語】食事の英会話フレーズと料理説明に役立つテクニック|Joy's inc
【接客英語 | レストラン編】接客・料理説明に役立つ定番フレーズ|プロリア英会話

その他役立つ接客フレーズ

【接客英語 | レストラン編】接客・料理説明に役立つ定番フレーズ|プロリア英会話
【飲食店の接客英語】食事の英会話フレーズと料理説明に役立つテクニック|Joy's inc
何かアレルギーはありますか? を英語で教えて! |Native camp|株式会社ネイティブキャンプ

外国人客の来店に向けて準備すべきこと

飲食店での外国人対応について、注意点を教えてください。|J-Net21
飲食店が実施すべきインバウンド対策は?成功のポイントと施策を解説|TableCheck
食べログオーダー|食べログ|株式会社カカクコム

監修者:太田とよしき

プロフィール

株式会社パディーズの代表。20歳より大手飲食チェーンにて店長職につき、エリアマネージャー、県内の統括責任者を経験。
その後、新規事業開発部への所属となり、外食産業の新業態の開拓、商品開発、人材教育を担当した後に退職。
海外の16都市にて飲食ビジネスを勉強したのち、恵比寿にて独立開業し、2年目に年商6000万を達成する。 多店舗展開しながら兼業で飲食店コンサルタントを開始。
2022年4月に飲食事業を売却し、現在は飲食系のコンサルタント業に専念し、新規開業のサポートを数多く手がけている。

noteにて、ブログと音声メディア『ラジオ開店準備中!』を配信中。

サイトURL

https://toyoshiki-ohta.com 

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